ドキュメンタリー『ブラジル -消えゆく民主主義-』ブラジルの激動の10年と翻弄される国民


長年軍事国家だったブラジル。民主主義を求める国民達は立ち上がり、2003年ルーラ大統領が誕生します。労働党を立ち上げ貧しい国民達の先頭に立ったルーラ。彼はそれまで貧しかったブラジルを経済力で世界7位までにしました。しかし80%以上の支持率だった大統領が任期を終えた頃から次第にブラジルは変わり始めてしまうのです。

『ブラジル -消えゆく民主主義-』作品情報

タイトル ブラジル -消えゆく民主主義-(The Edge of Democracy)
監督 ペトラ・コスタ
公開 2019年1月19日
製作国 ブラジル
時間 2時間1分

Rotten Tomatoes

あらすじ

ジウマ・ルセフやルーラ・ダ・シルバという元大統領をはじめ過去と現在の指導者たちとも接触し、自身の家族にまつわる複雑な政治的事情や労働経験とった個人的な回想もおりまぜながら、指導者たちの盛衰や悲劇的に分極化した国家など、ブラジル政治の変遷や真の姿を映し出した。

(出典:https://eiga.com/movie/91533/)

ルーラ・ダ・シルバ

2003年ブラジルの大統領となったルーラ。

彼は長年続く軍事独裁政権の中、1980年に労働党を立ち上げます。
貧しい労働者のために、政府に対してストライキを起こし労働者のリーダーとなりました。

それまでブラジルでは大統領選挙はありませんでしたが、1989年にやっと直接選挙が導入されます。
ルーラは、大統領候補として立候補しますが何度も落選してしまいまいした。
443人いる議会議員の中に労働者階級はたった2人しかいません。

それでも2002年の大統領選で勝利し、彼は2003年からブラジルの大統領になりました。
支持率61%でしたが、議会の中で彼を支持したのは半数以下でした。
そのため票を買ったのではと言われてしまいます。

そこでルーラはブラジルで最も力を持つブラジル民主運動党と連立を組みます。
これがのちにアダとなってしまいますが。。。

大統領となったルーラは

・貧困層を救い
・進学率をUP
・失業率国家歴代最小

と積極的に貧困層救済の政策を打ち出しまう。

そしてブラジルは経済力で世界7位とまでなったのです。

2回の任期を終えたルーラ、彼が大統領の任期を終えた時の支持率は87%でした。

労働者にとってルーラは、戦う戦士でした。

ジウマ・ルセフ

ルーラの後継者として大統領になったのは、ジウマ・ルセフ。
ブラジル初の女性大統領でした。

この時もブラジル民主運動党との連立は続き、副大統領はブラジル民主運動党のリーダーであるミシェル・テルメでした。

ジウマ大統領は支持率が最高潮の時に、大胆な政策を打ち出します。
それは銀行の金利を引き下げる政策でした。
しかしこれが失敗に終わってしまいます。

信頼を回復するためにジウマ大統領は、不正行為防止対策を打ち立てます。
そして、司法取引制度を取り入れるために、たくさんの捜査を行いました。

そのうちの1つカー・ウォッシュ捜査が、ジウマ自身を追い詰めることになります。
カー・ウォッシュ事件とは国営石油会社ペトロブラスが、多くの政治家と繋がっていたという汚職事件です

これにより、労働党の政治家も逮捕されてしまいます。
この頃から、ジウマ大統領の立場が危うくなっていきます。

カー・ウォッシュ捜査の判事である、セルジオ・モロは次々と政治家を逮捕し彼はブラジルのヒーロー的存在となっていきます。

労働党の中にも逮捕者が出たことで、ジウマ自身への批判の声も高まります。
そしてやがてその声は弾劾へとなっていきました。

結局、ジウマは弾劾されてしまいました。
ジウマは何も不正を行っていなかったのに。

セルジオ・モロ

ブラジルのヒーロー的扱いを受けていた判事モロ。
カー・ウォーッシュ捜査で、検事局はルーラが不正を行っていたと告発します。

モロは違法行為である、ルーラとジウマの会話を盗聴しそれを公表しました。
しかし2人が不正を行っていたという証拠はありませんでした。

それなのに、モロはルーラに懲役9年6ヶ月を言い渡します。
これを上訴したルーラでしたが、控訴は却下されなぜか懲役12年になってしまいました。

ルーラに判決を下したモロは、次のボルソナーロ政権では法務大臣に任命されたのでした。

まとめ

激動が続くブラジルの近代を知ることができる『ブラジル -消えゆく民主主義-』。

なぜボルソナーロ大統領が誕生したのかが分かります。

そしてそれと同時に、政治家達に翻弄される国民の悲劇が映し出されてもいます。

格差が激しいと言われるブラジルの真実を見ることができます。