元CIAの職員でNSAの仕事も行なっていたエドワード・スノーデン。彼はNSAが使用していた監視プログラムPRISM について暴露しました。それは全世界を驚かす事件となりました。ここドキュメンタリーではスノーデンが内部告発した時の様子を知ることができます。それはどんなホラー映画よりも怖い内容です。
『シチズンフォー スノーデンの暴露』作品情報
タイトル | シチズンフォー スノーデンの暴露(Citizenfour) |
監督 | ローラ・ポイトラス |
公開 | 2016年6月11日 |
製作国 | アメリカ/ドイツ |
時間 | 1時間54分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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2013年初め、ドキュメンタリー作家ローラ・ポイトラス監督は、“シチズンフォー”と名乗る人物からコンタクトを試みるメールを受け取る。
それによると、NSA(国家安全保障局)が米国民の膨大な通信データを秘密裏に収集している事実について重大な内部告発をする用意があるというのだった。
2013年6月3日、ポイトラス監督は、旧知のジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドとともに香港へと向かう。
ホテルで2人を待っていたのは、エドワード・スノーデンという元CIA職員の青年だった。
彼はカメラの前で、NSAの驚くべき活動の実態を詳細に語り始めるのだったが…。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/355950)
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[box class=”red_box” title=”アカデミー賞”]・長編ドキュメンタリー賞[/box]
テロ事件以降のアメリカの3部作完結編
『シチズンフォー スノーデンの暴露』監督のローラ・ポイトラス。
彼女はイラク戦争を追いかけたドキュメンタリー作品を製作したことで、政府の監視対象者となった。
それでも彼女は作品を撮り続け、この『シチズンフォー スノーデンの暴露』を作り上げた。
彼女は映画の冒頭、「これは9・11同時多発テロ事件以降のアメリカを描いた3部作の3本目」と説明している。
スノーデンが暴いた事実は、テロ事件以降変わってしまったアメリカの実態でもある。
テロからアメリカを守るために作られた愛国者法。
しかしその実態は、国民を監視し抑制することだった。
しかも監視はアメリカ国内だけではなかった。
ローラが政府に監視され何度も尋問されても、真実を撮り続ける理由。
それはスノーデンが内部告発を決めた理由と同じなのかもしれない。
告発者エドワード・スノーデン
NSAが行なっていた国民の監視を内部告発したエドワード・スノーデン。
彼が内部告発する以前も、国民に対する監視や盗聴は議会に上がっていましたが、当時のNSAの長官たちは監視の事実を否定していました。
声をあげた職員も脅されてしまうのが今までの実態でした。
しかしスノーデンは、そんなNSAの実態に嫌気がさします。
PRISMというシステムで国民の監視を続ける政府。
国家権力が増大していくことにスノーデンは危機感を覚えました。
また当時の大統領オバマ大統領が、ドローンによる攻撃を続けていたこともスノーデンは裏切られてように感じていました。
さらに国民は監視を恐れて、萎縮し自由に自分に発言したり検索したりできなくなってしまいます。
スノーデンは監視が国民の知的探求を抑制していると考えていました。
そしてNSAが行なっていることは自由を奪っていることだと思い、内部告発しました。
彼が持ち出した資料は政府の機密情報でもあります。
これによりスノーデンは機密情報を漏洩したということで犯罪者となり、捜査対象になったのでした。
香港で内部告発したスノーデンは、その後ロシアに亡命します。
映画のラストはスノーデンも驚愕する新たな情報を、ローラ達が手にしているというところで終わりました。
スノーデンの行動は、多くの人が民主主義や自由や人権について改めて考えるきっかけになりました。
そしてスノーデンに続こうとしている人がいます。
スノーデンが告発した内容、それはどんなホラー映画よりも怖くて恐ろしい政府の実態でした。
まとめ
世界を驚愕される内部告発となったエドワード・スノーデン事件。
その告発の一部始終を撮り続けた『シチズンフォー スノーデンの暴露』。
どんな様子で内部告発が行われたのか、緊張の一部始終を知ることができます。