「社会を良くしたい」その信念だけで政治家になった衆議院議員小川淳也さん。政治家になりたいと思った時、誰もが1番最初に思いつく「社会を良くしたい」。なのにそれだけでは政治家としてやっていけないのが、今の日本の現実。どこか遠くに感じる日本の政治が、このドキュメンタリーを見たことでとても近くに感じることができるようになった。
『なぜ君は総理大臣になれないのか』作品情報
タイトル | なぜ君は総理大臣になれないのか |
監督 | 大島 新 |
公開 | 2020年6月13日 |
製作国 | 日本 |
時間 | 1時間59分 |
あらすじ
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2019年の国会で不正会計疑惑を質す姿が注目を集めた政治家の小川淳也を17年にわたり追いかけたドキュメンタリー。
2003年、当時32歳で民主党から衆議院選挙に初出馬した小川は、その時は落選するも、05年の衆議院選挙において比例復活で初当選。
09年に政権交代が起こると「日本の政治は変わる」と目を輝かせる。
しかし、いかに気高い政治思想があろうとも、党利党益に貢献しないと出世はできないのが現実で、敗者復活の比例当選を繰り返していたことからも発言権が弱く、権力への欲望が足りない小川は、家族からも「政治家に向いていないのでは」と言われてしまう。
(出典:https://eiga.com/movie/92664/)
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社会を良くしたい
若干32歳で政治家の世界に飛び込んだ小川淳也さん。
彼は「若い世代から日本を変えたい」という強い気持ちで、選挙に挑みました。
人口が減少し高齢化社会に突入した日本を良くしたい、そんなまっすぐな気持ちで政治の世界に飛び込んだ小川さんでしたが、待っていたのは苦しい世界でした。
映画の中で「党利党益」という言葉が出てきます。
党の利益になることをしなくてはいけないのが、政治家の現実でした。
国を良くすることではなく、党のために動くことそれが政治家として求められたのです。
自分の思いと違う中でもがき続ける小川さん。
見ているこっちまで苦しくなってしまいました。
与党のミスやスキャンダルを追求することがメインになってしまっている今、本当は国民のために国のためになることを国会で発言したいのに。
そのジレンマと葛藤が、見ていて辛くなってしまいました。
「真面目すぎる」と映画を見ていて真っ先に思いました。
「政治家はどこか腹黒くてしたたか」そんなイメージが私の頭の中には根付いています。
それが政治家に対する今の私の正直な印象です。
でも政治家なんだから真面目で何が悪い!
そして彼を見て「真面目だからなー」と思ってしまった自分が悲しくなってしまったのも事実です。
いつしか自分の中にも色んなジレンマが生まれていました。
政治家に向いてない
家族や友人は彼のことを「政治家に向いてない」と言います。
それは小川さん自身も分かっています。
なぜなら権力に対する欲がないから。
彼がやりたいことは「国をよくしたい」ただそれだけだから。
混沌とする世の中。
日本だけでなく世界も混乱の中にある今、きっとこれからも小川さんは悩み苦しみ続けるのかもしれません。
たとえ政治家に向いていなくても、したたかでなくても、彼が議員であり続けることの答えを最後に教えてくれました。
感想
長期政権の中で、どんどん政治家ら離れていく人々。
正直私のその1人かもしれません。
それでもこの映画で、政治に興味が湧いたのは事実です。
映画を見た2時間は政治と向き合いました。
そして見終わった後も考えています。
政治家に向いていない小川さんが、この先どんなふうな道を歩むのか見続けたいと思います。
そしてこの機会に「分からないから」逃げるのではなく、自分なりに政治に関心を持っていきたいと思いました。
だって政治家を選ぶのは私たちだから。
まとめ
2時間、政治と向き合わせてくれた映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』。
「なぜ君は総理大臣になれないのか」の答えが、今の日本なんだと実感させられました。
そして有権者として自分が何をするべきなのか。
自分が選んだ政治家をバカにせず笑い者にしない、そんな自分でありたいなと思いました。