1868年に発表された小説『若草物語』。世界中で愛され続ける名作が現代に蘇ります。いまの時代に合わせた4人の姉妹たち。彼女たちはお金でも偽りの結婚でもなく、自分達の意思で自分の人生を選びました。周りに左右されず自分の人生を生きた4人の姉妹。それは現代の女性の背中を押してくれる物語になっていました。
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』作品情報
タイトル | ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(Little Women) |
監督 | グレタ・ガーウィグ |
公開 | 2020年6月12日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間15分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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ジョーはマーチ家の個性豊かな四姉妹の次女。
情熱家で、自分を曲げられないため周りとぶつかりながら、小説家を目指して執筆に励む日々。
控えめで美しい姉メグを慕い、姉には女優の才能があると信じるが、メグが望むのは幸せな結婚だ。
また心優しい妹ベスを我が子のように溺愛するも、彼女が立ち向かうのは、病という大きな壁。
そしてジョーとケンカの絶えない妹エイミーは、彼女の信じる形で、家族の幸せを追い求めていた。
(出典:https://www.storyofmylife.jp/about.html)
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[box class=”red_box” title=”アカデミー賞受賞”] ・衣装デザイン賞[/box]
自分の人生を生きた4姉妹
ジョー
マーチ家の次女:ジョー
幼い頃から作家を目指していたジョー。
彼女は自分の夢を叶えるために、自分の生き方を貫きました。
19世紀のアメリカの女性には似つかわしくないくらい、男勝りなジョー。
父親が南北戦争に参加していましたが、「私も戦いたかった」と思うほどです。
そしてお金は自分で稼ぐと考えていました。
そんなジョーだからこそ、この時代の女性は結婚して幸せになるを受け入れられません。
そしてそれを貫こうとします。
たまには孤独を感じ寂しくて泣いてしまうこともあったけれども、そんな時は姉妹の母親がジョーを支えました。
そして姉妹たちも彼女の才能を理解してくれていました。
逃げずに自分の生き方を貫いたジョー。
お金持ちを結婚しないかぎり、女性は幸せにな離れない。
女性が経済的に豊かになるのは無理。
という時代に、自分の才能を理解し評価してくれる人と出会い、作家として成功しました。
ラストで描かれた印税と著作権をめぐっての編集者と駆け引きをするジョー。
強くて頼もしかったです。
メグ
マーチ家の長女:メグ
華やかな世界に憧れを持ちながらも、現実を受け入れているのがメグです。
そんな彼女は愛するジョンと結婚しました。
おばさんにジョンの事を「貧しい男」と言われても、妹に幸せになれないと言われても、彼女は愛する人の結婚を望みました。
それがメグが望んだ人生だったのです。
確かにジョンは貧しく、結婚した後の生活も楽でありませんでした。
友人に見下される事を悲しく感じることもありました。
でもメグは愛する人と結婚し子供を授かり、幸せだったのです。
そしてそれが彼女の選んだ、彼女の望む人生だったのです。
ベス
マーチ家の三女:ベス
誰よりも心優しい三女ベス。
母親の優しさは彼女が1番引き継いでいたかもしれません。
だから病気になってしまいましたが、それでも彼女は自分の運命を受け入れて生きました。
ピアノを愛し、多くの人に愛と優しさを与えて続けました。
他の姉妹が、結婚したい・小説家になりたい・お金持ちになりたいと願う中、彼女はいつまでも両親と暮らしたいというささやかな夢を持っていました。
家族のことを1番愛したいたのです。
だから最後までジョーの夢を応援しました。
ベスもまた短いながらも、自分の運命を受け入れて最後までみんなに優しくあり続けたのです。
エイミー
マーチ家の四女:エイミー
お金持ちと結婚することが、女性にとっての幸せだと理解しているエイミー。
だからジョーとはよくぶつかりました。
でもエイミーの考えはこの時代を女性が生き抜くには大切な考えの1つでした。
この時代たとえお金持ちでも女性は、結婚すれば財産は男性のものになります。
子供も同じです。
全て奪われてしまう女性にとって、お金持ちと結婚することだけが豊かに暮らせる方法でした。
幼い頃から女性の現実を知っていたエイミー。
絵描きになることを夢見ていましたが、自分の才能の限界にも気がつきました。
そしてお金持ちとの結婚を望みましたが、結局は辞めてしまいます。
それはそこには本当の愛がないからと気がついたからです。
そして本当に好きだったローリーと結婚しました。
いつもどこかジョーを追っかけていたエイミー。
芸術的才能も好きな人もジョーには敵わなかったエイミーは、素直になれずにいました。
そんなエイミーも最後に自分の気持ちに素直になります。
そして自分の本当に望む相手と結婚したのでした。
まとめ
19世紀の小説「若草物語」。
それが見事に現代という時代に合わせて蘇ったのが、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』です。
それぞれ考え方は違うけど、自分らしく生きました。
自分の望むように生きました。
周りがどう言おうと何を思おうと、「これが自分の幸せ」という生き方をしました。
それは今を生きる多くの女性に勇気を与える物語になっていました。