ドキュメンタリー『精神0』心の安らぎのために必要な「精神0」と「絆」

岡山県の精神科医山本昌知先生を追ったドキュメンタリー『精神0』。前半は仕事を辞めることになった先生と患者のやりとり、そして後半は先生と奥さんの物語になっています。先生の仕事と家庭、その2つを覗くことができるドキュメンタリーの最後は大きな「愛」を感じることになります。

目次

『精神0』作品情報

タイトル 精神0
監督 想田和弘
公開 2020年5月2日
製作国 日本
時間 2時間8分

あらすじ

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様々な生きにくさを抱える人々が孤独を感じることなく地域で暮らす方法を長年にわたって模索し続けてきた山本医師が、82歳にして突然、引退することに。

これまで彼を慕ってきた患者たちは、戸惑いを隠しきれない。

一方、引退した山本を待っていたのは、妻・芳子さんと2人の新しい生活だった。

(出典:https://eiga.com/movie/92554/)

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精神0

山本先生は患者さんに対して「こんな生きにくい世の中でよく耐えている」と言います。
そして患者さんが一生懸命に生きていることをすごいと褒めます。

そんな先生が患者さんに勧めるのが週1回の「精神0」の日です。

私たちは「○○したい」という欲望の中で毎日生きています。
しかしその欲望が叶うこともあれば、叶わないこともあります。
自分の力ではどうしようもできないこともあります。

先生は自分の中に生まれた「○○したい」という感情は大切にしなさいと言っています。
でも叶わなかったとき「仕方ないな」と思い、なんとかその気持ちに折り合いをつけながら私達は日々暮らしています。

もちろん折り合いのつかないことだってあります。

そんな暮らしの中で週1回何も欲望を持たない日を作ることが大切だと先生はおっしゃっていました。

ただただ生きていることに感謝する日、それが大切だと言っていました。

欲望という感情を大切にしながらも、その欲望によって私たちの心は疲れてしまいます。

だから心を休めるためにも、精神0の日が必要なのです。

夫婦愛

82歳の山本先生が仕事を辞めるのは、年齢的なものではありませんでした。
自らを仕事中毒と言っているほどですから、どれほど先生が仕事のために生きてきたかが分かります。

そんな先生が仕事から離れることになったのは、奥さんのためでした。

先生は第2の人生を奥さんと一緒にいることを選びました。

もちろんそこには奥さんの病気もあるかもしれません。

でも病気だからというわけではなく、先生の奥さんへの愛情がひしひしと伝わってきました。

そして奥さんの先生への愛情もです。

これまで仕事中毒の先生を支えてきた奥さん。
それは画面に映る奥さんの手が語っています。

奥さんは先生といる時、いつも笑顔で楽しそうです。
先生もそんな奥さんの笑顔を見て嬉しそうです。

ドキュメンタリーの中で奥さんはほとんど語りません。

それでも先生とのことは嬉しそうに話していました。
それを見ているだけでどれほど奥さんが先生のことを愛しているのか伝わってきます。

今まませ先生は自分の人生のほとんどを患者さんのために費やしてきました。
今度は奥さんと寄り添うことにしたのです。

[box class=”pink_box” title=””]奥さんの手を繋ぐ先生。
先生の手をしっかり握りしめる奥さん。[/box]

そこには2人しか分からない人生があるのでしょうが、繋いだ手をみればお互いを尊重していてそして愛しているのが伝わってきます。

そしてここから先は2人で夫婦として寄り添って生きていくんだろうなと思いました。

まとめ

前半と後半で2つの物語を見ているようなドキュメンタリー『精神0』。

しかしどちらも山本先生であり、どちらにも相手への想いを感じました。

しきりに先生は「生きにくい世の中」といっていました。

だからこそ先生は相手との絆を大切にしているんだなと思います。

これからは奥さんとの絆をさらに深めながら、二人の時間を過ごしていくのだと思います。

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