映画『Fukushima 50』描かれていない事実 あの時本当は何が起きていたのか

2011年3月11日。日本人であれば絶対に忘れることができないあの日。東日本大震災により起きたのが福島第一原子力発電所の事故でした。当時ニュースを見ていても良く分からなかった事実をこの映画で知ることができます。しかしそこには隠された事実もあります。ここでは映画に描かれていない事実について調べてみました。

目次

『Fukushima 50』作品情報


Fukushima 50

タイトル Fukushima 50
監督 若松節朗
公開 2020年3月6日
製作国 日本
時間 2時間2分

Rotten Tomatoes

あらすじ

(引用:MIHOシネマ

福島第一原子力発電所事故

『Fukushima 50』を見ると、あの時福島第一原子力発電所で何が起きていたのかをきちんと理解することができます。

ニュースなどを見ても分かりにくかった事実を、分かりやすく理解できやすいように説明してくれています。

地震により電源を失ってしまった福島第一原子力発電所でしたが、すぐに緊急電源に切り替えられます。
電源が確保できた事で、所員たちは原発の計器の確認を行っていました。

しかしその後すぐに電源が落ちてしまいます。
それは津波がやって来たからでした。

全ての電源を失ってしまった福島第一原子力発電所
電源がないと原子炉を冷やすことができず、メルトダウンが起きてしまう可能性があります。

メルトダウンが起き原子炉格納容器などが破損してしまうと、放射性物質が拡散する危険があるのです。

しかし電源がなく原子炉を冷却することができません。
さらに圧力容器内の圧力も限界を超えています。
電源がない中圧力を下げるためには、手作業で弁を開く必要があったのです。

世界初の「ベント」。
それに挑んだのは福島第一原子力発電所の現場で働く所員たちだったのです。

描かれなかった事実

『Fukushima 50』では、命がけで暴走する原発と戦った男たちが描かれています。
福島第一原子力発電所の職員たちの行動は、多くの人に感動を与えるかもしれません。

吉田所長のがとったリーダーシップは凄かったと当時の職員たちも語っているほどです。

しかしその裏でこの映画には描かれなかった事実があります。

総理の視察

映画の中では名前はなくただ総理大臣という名前でしたが、総理はヘリコプターで現場に視察に向かっています。

実際に当時の首相だった菅さんは、現場の視察に行っています。
しかし映画の中ではこの総理の視察でベントが遅れてしまったように見えてしまいます。

「総理はまだいるのか」というセリフがあるように、総理が現場から帰るのを待ってベントに向かったようになっていました。

総理が現場に向かったのは事実ですが、その理由が映画の中では全く描かれていません。
勝手に総理が現場に行ったように描かれています。
実際は、東電本店からの報告が総理の元に届かず何が起きているのか分からないために総理は視察に行ったのでした。

その部分が描かれないために、何も知らない人は総理のせいで遅れてしまったと感じてしまう可能性があります。

津波の想定

映画の中での吉田所長は現場の人間たちを支えながら、的確な指示をとっていました。
それは実際の吉田所長もそうでした。

海水注入をやめるように命令されますが、命令を無視して注入を続けました。
これは後で問題になりましたが、この判断は正しかったとされています。

撤退せずに必死で原発を守った吉田所長ですが、実は彼は「想定外の津波はこない」と考えていたのです
福島第一原子力発電所の津波対策は行われていませんでした。

建屋内にまで届く津波がくる可能性があると言われている中、そんな事は起こらないという考えを持っていたのが吉田所長だったのです。

『Fukushima 50』の中ではその辺りの吉田所長の心情を知ることができません。
もちろん当時は現場で必死に指示を出していたのですが、ヒーローとされる吉田所長の背景は描かれていまいのです。

まとめ

あの日あの場所で起こっていたことを知ることができる『Fukushima 50』。
福島第一原子力発電所内で起きていた事は事実に忠実で、とてもわかりやすく描かれていました。

その分こんな恐ろしいことが起きていたのかということを改めて痛感しました。

それと同時に描かれなかった事実もあります。

『Fukushima 50』を見て当時現場で起きていることを知ると同時に、映画に描かれていない真実を知る必要もあるのです。


死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発 (角川文庫)

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