映画『リチャード・ジュエル』で描かれた1996年のアトランタ爆弾事件の真犯人とその後のリチャード・ジュエル


1996年オリンピックが開催中のアトランタで起きた爆弾事件。爆弾の第一発見者が英雄から容疑者にされていく恐ろしい状況を描いた作品が『リチャード・ジュエル』です。ここでは爆弾事件の真犯人とその後のリチャード・ジュエルはどうなったのかについて調べてみました。

『リチャード・ジュエル』作品情報

タイトル リチャード・ジュエル(Richard Jewell)
監督 クリント・イーストウッド
公開 2020年1月17日
製作国 アメリカ
時間 2時間11分

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あらすじ

1996年、オリンピックが開催中のアトランタ。

高齢の母と2人暮らしの不器用で実直な男リチャード・ジュエル。

警備員をしていた彼は、多くの人でにぎわうイベント会場で不審なリュックを発見し、中身の爆発物に気づいたことで大惨事を未然に防いだ。

マスコミはこぞって彼を英雄として報道するも、捜査に当たるFBIは次第に第一発見者のリチャードに疑いの目を向け始める。

その動きを地元メディアが実名で報道したのをきっかけにマスコミ報道は過熱し、リチャードは全国民から激しいバッシングを受けるようになっていく。

そんな窮地に陥ったリチャードを、息子の無実を信じる母親と弁護士のワトソンだけが懸命に支えていくのだったが…。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/370397)

1996年アトランタ爆弾テロ事件

『リチャード・ジュエル』の中で描かれた1996年のアトランタで起きた爆弾テロ事件。
事件は7月27日に起きました。

オリンピックが開催されているアトランタでは、記念公演で連日コンサートが行われていました。
リチャード・ジュエルは警備員として当日も公園で警備に当たっていました。
そこで彼は不審なリュックを発見したのです。

リュックの中にはパイプ爆弾が仕掛けられていて、現場にいた警察やリチャード・ジュエル達警備員はお客を非難させますが、その途中で爆弾は爆発してしまいました。

死者2人負傷者111人というテロ事件になってしまいましたが、リチャード・ジュエルが爆弾を発見したことで、最小限の被害者で抑える事ができたのは事実でした。
その翌日から爆弾の第一発見者としてヒーローになったリチャード・ジュエルでしたが、その後すぐに容疑者として扱われてしまいます。

FBIのプロファイリング捜査によりリチャード・ジュエルが第一容疑者になってしまったことをアトランタ・ジャーナルがすっぱ抜きました。

1996年の7月から10月まで容疑者として捜査され続けたリチャード・ジュエル。
結局10月に証拠不十分として捜査対象から外されましたが、3ヶ月の間彼は容疑者としてFBIからもマスコミからも監視され続けたのでした。

もともと警察官になりたかったリチャード・ジュエルは、多くの銃を所持していたり今までの仕事場での状況などから容疑者にされてしまいました。
さらに貧しさとその見た目から社会に不満を持っていると勝手に決められてしまいます。
母親と一緒に暮らしていることもマイナスになってしまいました。

映画の中でも描かれているように、犯人は爆発までの間に2回911に電話しています。
コンサート会場にいたリチャード・ジュエルが警察に電話した公衆電話から電話するのは明らかに不可能なのです。

なのにFBIは、プロファイリングだけで彼を容疑者と決めつけえてしまったのでした。

真犯人

映画の中では容疑が晴れたリチャード・ジュエルが、保安官として働いている2003年に犯人が捕まったというシーンで終わり犯人については詳しく描かれていませんでした。

1996年にアトランタで爆弾事件を起こした犯人はエリック・ルドルフという男性でした。

宗教的思想により同性愛や中絶に反対だった犯人は、オリンピックが中絶賛成を後押しする祭典だと考え爆発事件を起こしました。

さらにその後も中絶クリニックや同性愛者のバーで次々と爆破事件を起こし1998年に容疑者として指名手配されます。
重要指名手配リストの載った犯人は逃亡を続けますが、2003年5月に逮捕されました。

エリック・ルドルフは罪を認めますが、その際に中絶は殺人で中絶を認めたアメリカ政府は間違っていると主張しました。

エリック・ルドルフは罪を認めたことで死刑は逃れましたが、仮釈放のない終身刑となり現在も刑務所に服役しています。(2020年1月現在)

リチャード・ジュエルのその後

映画の中でも時々心臓のあたりを抑えて具合が悪そうだったリチャード・ジュエル。
彼は映画のラストで説明されるように2007年44歳の時に心臓病でなくなってしまいました。

あれほど捜査中にFBIからひどい目に合わされながらも、法執行官になることを諦めなかった法執行官は、容疑が晴れた後は保安官などの仕事につきました。

さらに自分があたかも犯人であるような報道を行ったマスコミに対して訴訟を起こしています。

あれだけの扱いを受けたことを考えれば訴えることは妥当でしょう。
その裁判でリチャード・ジュエルは和解金を受け取ったとされています。

まとめ

警察官に憧れていた男性がプロファイルにより容疑者にされてしまう恐怖を描いたのが『リチャード・ジュエル』でした。

容疑者にされてしまったリチャード・ジュエルでしたが、真犯人に他にも爆弾事件を起こす凶悪犯でした。

容疑が晴れたリチャード・ジュエルは、裁判を起こし和解金を受け取りましたが2007年に亡くなっていました。

FBIにより不当な扱いを受けてしまいますが、リチャード・ジュエルは最後まで法執行官の夢を追い続けその夢を叶えたのでした。

彼はヒーローになりたかったのではなく、「みんなを守りたい」ただそれだけだったのです。