映画『ジョジョ・ラビット』で見る第二次世界大戦末期のドイツ国内の状況

第二次世界線末期のドイツ軍の様子を描いた『ジョジョ・ラビット』。物語は戦争の事実を知った少年の成長物語で、少年の周りのたくさんの愛が描かれた映画でもありました。ここでは『ジョジョ・ラビット』のジョジョの目から見た第二次世界大戦末期のドイツ国内の状況を見ていきたいと思います。

目次

『ジョジョ・ラビット』作品情報

タイトル ジョジョ・ラビット(Jojo Rabbit)
監督 タイカ・ワイティティ
公開 2020年1月17日
製作国 アメリカ
時間 1時間48分

Rotten Tomatoes

あらすじ

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第2次世界大戦下のドイツに暮らす10歳のジョジョは、空想上の友だちであるアドルフの助けを借りながら、青少年集団「ヒトラーユーゲント」で、立派な兵士になるために奮闘する毎日を送っていた。

しかし、訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョは、教官から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかいの対象となってしまう。

母親とふたりで暮らすジョジョは、ある日家の片隅に隠された小さな部屋に誰かがいることに気づいてしまう。

それは母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女だった。

(出典:https://eiga.com/movie/91654/)

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[box class=”red_box” title=”アカデミー賞受賞”]・脚色賞[/box]

ヒトラーユーゲント

『ジョジョ・ラビット』の主人公ジョジョはヒトラーユーゲントの合宿に参加することになります。

このヒトラーユーゲントとはナチ党の青少年組織で、ドイツ国民は10歳になると入隊することを義務づけられました。
女性にもドイツ少女団という組織があり、同じく10歳になると加入を義務づけられています。
ジョジョが参加した合宿にいた女性はこのドイツ少女団の子供達です。

ジョジョのように戦争の現実を知らずに思想だけを叩き込まれ洗脳されてしまった子供達も多くいたかもしれません。
映画の中でジョジョはナチの実態を全く知りませんでした。

ユダヤ人のエルサはそんなジョジョを「戦争ごっこが好きなだけ」と表現していますが、10歳と言えばまだまだ子供です。
そんな彼らにとっては合宿はワクワクする遊びの延長だったのかもしれません。

しかし実際この映画の舞台となっている戦争末期には、ヒトラーユーゲントの子供達も国民突撃隊となり実践に参加することになります。

ジョジョの友人のヨーキーもその1人です。
武器を持たされ連合軍に向かっていっていました。

何も分からずにヒトラーユーゲントに入隊していたジョジョ。
それは義務だったからです。
彼はユダヤ人のエルサの話を聞き、またベルリンで戦う自分と同歳くらいの子供達の姿や女性や老人達の姿を見て、初めて戦争の実態を知ったのです。

ドイツ軍は最後の戦況が分かっていたのに、最後の抵抗で幼い子供やお年寄りなど国民を総動員でして戦いました。
それが映画の後半でジョジョが見た戦争の実態だったのです。

反ナチス運動

ジョジョはヒトラーユーゲントに入隊しナチを崇拝していく中、ジョジョの母親は反ナチス運動を行っていました。

家にユダヤ人のエルサを匿っていたように、ユダヤ人の迫害に抵抗する人も多くいました。
しかし反ナチス運動はゲシュタポによって厳しく取り締まられていたために、地下での活動をメインで行っていました。
ジョジョの父親は戦地で行方不明になったと言われていましたが、実は地下活動を行っていたのです。

『ジョジョ・ラビット』の中でもジョジョの家を調べびゲシュタポのディエルツ大尉がやってきます。

彼らは反政府の運動家たちを取り締まり、またユダヤ人の強制収容所を管理していました。

ジョジョの母親は秘密警察に見つかり処刑されてしまいました。
当時、見せしめのために反政府運動を行なっていた活動家達の遺体を街に吊るしていました。

ヒトラーはユダヤ人だけでなく障害者や同性愛者も排除していました。
1935年には同性愛を厳しく禁じ、有罪として刑務所や収容所に送りました。

映画の中では具体的には描かれていませんが、ジョジョを助けたクレンツェンドルフ大尉はゲイのような描き方をされています。
部下のフィンケルといつも一緒で、仲良く話しているシーンもありました。

しかしこれは秘められて恋であり、絶対に表に出すことはできません。
バレてしまえば二人とも捕まってしまいます。

そんな自分の葛藤もあったからこそクレンツェンドルフ大尉は、エルサを守りジョジョを助けてくれたのかもしれません。
自分がゲイであることを隠し、ナチを崇拝していないのにナチの一員だったように見せかけてきた自分の人生。
そんな偽りだらけの自分の人生を振り返り、クレンツェンドルフ大尉は最後にジョジョを逃し自分が正しいと思うことを実行したのかもしれません。

クレンツェンドルフ大尉は最後に本当の自分になれたのです。

まとめ

『ジョジョ・ラビット』で知ることのできた第二次世界大戦末期のドイツの状況。
国民総動員で戦い続けたドイツ軍。
国民は何も知らずに戦い続けるか、もしくは地下で政府に抵抗するしかない状態でした。

少年であったジョジョもその1人です。
しかしジョジョは最後に真実を知ります。

母やクレンツェンドルフ大尉が自分を犠牲にしながらジョジョに見せたもの。
それはジョジョを大きく成長させることになりました。

『ジョジョ・ラビット』はジョジョの成長とともに、ドイツ国内の事実が見えてくる映画になっていました。

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