第二次境対戦中ドイツ軍に追い詰められたイギリス軍とフランス軍の兵士たちはダンケルク海岸に後退します。救出に来たのはイギリス軍の船でフランス軍の兵士たちはなかなか船に乗ることができません。ただただ海岸で助けを待つ兵士たち。1964年版の『ダンケルク』ではフランス兵士から見たダンケルク海岸の様子を知ることができます。
『ダンケルク』(1964年)作品情報
タイトル | ダンケルク( Week-end à Zuydcoote) |
監督 | アンリ・ヴェルヌイユ |
公開 | 1965年1月15日 |
製作国 | フランス/イタリア |
時間 | 1時間59分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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1940年6月1日。
北仏ダンケルクにほど近いズイドコートの海岸には四〇万近い英仏連合軍の兵士達が絶望と不安に突き落されていた。
マイヤはズイドコートにアレクサンドル、デリイ、ピエルソンという三人の戦友と野営していた。
その頃、英国軍はドーヴァー海峡を渡り始めていたが、フランス兵の乗船は拒否しているという噂が広まっていた。
(出典:http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=14379)
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ジュイコット海岸
ドイツ軍に追い詰められていたフランス軍の兵士達。
空からはドイツ軍の戦闘機によるビラが巻かれています。
内容は「フランス兵へ ポーランドの死者は3400万人 オランダ軍は撤退しベルギー軍は降伏 ドイツ軍は前進中 兵隊の数は50万人以上」というものです。
さらに自分たちがドイツ軍によって包囲されていることを知ったマーヤは、仲間を連れて海を目指します。
目指した海はジュイコット海岸でした。
観光地としても有名なジュイコット海岸。
映画の中ではマーヤの後ろのポスターが海水浴場として人気のジュイコット海岸を描いていました。
1964年版の『ダンケルク』のフランスの題名は「Week-end à Zuydcoote」です。
このジュイコット海岸での様子を描いたのが1964年版の『ダンケルク』です。
(映画の中で字幕はズイドコートと訳されていますが、本来はジュイコットのようです。)
イギリスのダイナモ作戦
イギリス軍はダンケルク海岸に残された兵士たちを救出しようとドーバー海峡を渡り駆逐艦などを向かわせていました。
ダンケルクの兵士を救うダイナモ作戦が開始されていたのです。
チャーチル首相は「フランス軍の兵士とともに救出する」としていましたが、イギリス兵から優先的に救出されフランス軍の兵士は後回しにされていました。
ダンケルク海岸に行けば、フランス人も乗船できると聞いたマーヤは、ダンケルク海岸に向かいますが、そこでも結局イギリス人が先に乗船していてフランス人はなかなか船に乗れませんでした。
女性も船に乗ることは許されずイギリス兵の妻のフランス人も、船に乗れないと言われていました。
乗船を待つマーヤでしたが、海岸はドイツ軍の戦闘機による激しい攻撃を受けています。
マーヤはなんとか船に乗ろうと大尉に直談判に行ったのでした。
大尉の署名をもらい無事に船に乗ることができたマーヤでしたが、その船もドイツ軍の空爆を受けてしまいます。
海に飛び込んだマーヤは結局ダンケルク海岸に戻ってしまったのでした。
海岸にもっどったマーヤは結局、仲間のいるジュイコット海岸に戻って行ったのでした。
ダンケルク
ダンケルクの海岸には逃げるイギリス軍やフランス軍が大量に押し寄せてきますが、ダンケルクの街には一般市民もまだいました。
空爆が激しくなり、避難した住民がほとんどでしたが中にはまだ街に残っている人もいたのです。
マーヤはその中の一人であるジャンヌと出会ったのです。
第二次世界大戦のドイツ軍の空爆により、ダンケルクの街のほとんどが破壊されてしまいました。
連合軍が優位になり北フランスが次々と解放されて行く中、ダンケルクには最後の最後までドイツ軍が残りました。
ダンケルクの街が解放されたのはドイツが降伏した、1945年の5月です。
『ダンケルク』(1964年)のラストでラジオから聞こえて来るように、ドイツ軍は1940年6月にダンケルクを陥落させ占領します。
ダンケルクは1940年〜1945年までドイツ軍によって占領されることになったのでした。
学びポイント
フランス兵士の視点で描かれた1964年版の『ダンケルク』。
激しい空爆を受ける中、なんとか生き残りたい兵士達の思いと逃げ場のない兵士たちのジレンマを知ることができます。
救出作戦の始まった海岸だけでなく、空爆を受ける街の様子も知ることができダンケルクの街への攻撃がどれほど激しかったのかが分かります。
イギリス兵が救出される中、フランス兵達はどんな思いを抱いていたのか?
極限状態の兵士の心理も感じることができる映画でもあります。