映画『アビエイター』でみる1930年代のハリウッドの映画史


実業家のハワード・ヒューズ。彼は「すごい映画を作る」という夢と「1番速い飛行機に乗る」という夢を叶えます。ヒューズが叶えた夢のうち彼が映画業界に残した作品を振り返りながら、当時彼と関わりを持ったスター達をみていきたいと思います。

『アビエイター』作品情報


アビエイター(Blu-ray Disc)

タイトル アビエイター(The Aviator)
監督 マーティン・スコセッシ
公開 2005年3月26日
製作国 アメリカ
時間 2時間50分

Rotten Tomatoes

あらすじ

18歳で亡き父の石油掘削機の事業を引き継ぎ大富豪となったハワード・ヒューズ。

1927年、21歳の彼は、その莫大な財産を全て注ぎ込み、航空アクション映画「地獄の天使」の製作に着手。

30年に同作を完成させると大ヒットを記録し、ハワードは一躍ハリウッド・セレブの仲間入りを果たす。

やがて、人気女優キャサリン・ヘプバーンと出会い、2人は恋に落ちる。

彼はその後も次々とヒット作を生み出す一方、航空会社TWAを買収し、自らの操縦で世界最速記録を次々と更新するなど、大空への夢も実現させていく。

こうして順風満帆な人生を謳歌するハワードだったが…。

(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=321448

アカデミー賞受賞
助演女優賞:ケイト・ブランシェット
撮影賞
編集賞
美術賞
衣装デザイン賞

ハワード・ヒューズの作った映画

18歳で両親の遺産を相続し億万長者になったエドワード・ヒューズ。
彼は幼い頃の夢を叶えようとします。
その夢の1つが「すごい映画を作る」ということです。

『アビエイター』では彼が『地獄の天使』を製作しているところから始まりますが、彼は1926年からプロデューサーとして映画製作に関わり始めます。
映画の中でもMGMのメイヤーに「オイルマネーで稼いだお金は銀行に預けろ」と言われてしまったように、彼がハリウッドで映画を作ることを良く思ってない人も多かったようです。

そんなヒューズが1927年に製作を始めたのが『地獄の天使』です
この作品で彼は監督を務めます。
公開までに3年近くかかり1930年に公開されますが、なんと製作費が当時で400万ドルを超えるという超大作になりました。


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この映画でヒロインに抜擢されたのが、ジーン・ハーロウです。
彼女はこの映画ががデビュー作となり、スターの階段をかけ上がっていきました。

その後のプロデューサーとして作品に関わり続けますが、『アビエイター』の中で登場したのは1932年に公開された『暗黒街の顔役』です。
キャサリン・ヘップバーンには「暴力的よ」と言われていました。


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キャサリン・ヘップバーンは1934年に離婚していますが、その後ヒューズとキャサリン・ヘップバーンは恋愛関係になっていきました。

映画の中でヒューズが初めてキャサリン・ヘップバーンに会った時、彼女が撮影していた映画は『男装』です。

当時のヘップバーンは映画の中で本人も言っているように「客を呼べない女優」と言われていました。
身長が170cm以上あった彼女は当時のハリウッドでは大柄な女優で、小柄な男優からは嫌がられていたようです。

その後しばらく映画製作を中断していたヒューズでしたが。1943年に自ら監督を務めた『ならず者』を撮ります。

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この作品ではジェーン・ラッセルがヒロインに抜擢されました。
彼女もまたヒューズに見出されこの作品でデビューし、スターとなっていきました。

『ならず者』は、ジェーン・ラッセルの胸の谷間がたくさん映ることもあり、アメリカ映画協会映倫委員会に「わいせつな映画」と判断されてしまいます。
その時の様子も『アビエイター』の中で描かれています。

その後、『アビエイター』では物語は飛行機の方に移っていきますが、ヒューズ自体はプロデューサーとして映画に関わり続けています。
彼は1957年まで映画に関わり続け、生涯26本の映画を製作しました。

ハワード・ヒューズと女性たち

映画と飛行機以外にもプレイボーイとしても有名だったハワード・ヒューズ。
彼は沢山のハリウッド女優と浮名を流しました。

ジンジャー・ロジャース
ジョーン・クロフォード
リンダ・ダーネル
ジョーン・フォンテイン
ベティ・デイヴィス
フェイス・ドマーグ
エヴァ・ガードナー

1930年〜1940年代にかけて大活躍したハリウッド女優たちの名前がずらっと並びます。

その中でもキャサリン・ヘップバーンとエヴァ・ガードナーは特別な存在だったようです。

『アビエイター』に登場した映画

ハワード・ヒューズがハリウッド映画を作った様子を描いた『アビエイター』。
この作品の中には他にも当時のハリウッドのスターや映画が沢山登場します。

ヒューズがカメラを借りにメイヤーに声をかけるシーンでは、後ろで当時のヒット映画についての話が聞こえます。

トッド・ブラウニング監督の『真夜中のロンドン』。
主演を演じたロン・チェイニーの怪演を褒めています。

同じクラブで出会ったエロール・フリン
1930年・40年代と人気俳優だったフリンですが、アルコールの問題や女性問題を抱えていました。
映画の中でオリヴィア・デ・ハヴィランをセーリングに誘おうと話していましたが、彼は共演する機会の多かった彼女に気があったようです。
しかし彼女は問題を抱えているフリンを相手にしなかったと言われています。

ちなみに映画の中でヒューズの会社の広報担当のジョニー・メイヤーが「タイツの衣装は最悪だ」と言ったフリンの作品は、1938年に公開された『ロビンフッドの冒険』のことです。
メイヤーは馬鹿にしていましたが、この作品はヒットし高い評価を受けた作品でもありました。

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ヒューズがサイレント映画はもう古いと説明するときに公開されていた映画は『ジャズ・シンガー』で1927年に公開されました。
長編映画で世界初のトーキー映画だと言われている作品です。
この映画を見てヒューズは自分の映画もトーキー映画にすることを決めました。

さらにヒューズとキャサリン・ヘップバーンの間がうまくいかなくなった頃にキャサリン・ヘップバーンが撮影していたのは、『女性No.1』という映画です。
この時に彼女に声をかけたのが、スペンサー・トレイシーです。

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映画の中でも言っていた通り、トレイシーはカトリックで離婚できなかったので二人は結婚することはありませんでしたが、二人はこの先もずっと愛を深め続けました。

学びポイント

『アビエイター』を見ると、1930年代のハリウッドの映画作品や、当時活躍していたハリウッドスターの名前がたくさん登場します。

有名な作品から知らない作品までいくつもの映画が出てきます。

この映画を見ると、ハリウッドの映画の歴史に触れることができます。
そして今の時代とは違う、この当時の映画の凄さや良さに気づくことができるでしょう。

『アビエイター』を見ると昔の名作を見たくなるはずです。
この映画を見終わったら、ぜひ昔の名作を見て『アビエイター』の時代を味わってみてください。