映画『シェルブールの雨傘』あらすじと感想 物語に引き込まてしまう見事な色使い


ミュージカル映画『シェルブールの雨傘』。時代に引き裂かれた男女の悲恋をずべて歌で表現し、主題歌は世界中で大ヒットしました。また物語と音楽だけでなく『シェルブールの雨傘』の中で使用された色使いは、のちの多くの作品に影響を与えることになります。

『シェルブールの雨傘』作品情報

タイトル シェルブールの雨傘(Les Parapluies de Cherbourg)
監督 ジャック・ドゥミ
公開 1964年10月4日
製作国 フランス/西ドイツ
時間 1時間31分

Rotten Tomatoes

『シェルブールの雨傘』あらすじ


シェルブールの雨傘 [Blu-ray]

自動車修理工の青年ギイと傘屋の娘ジュリビエーブは結婚を誓い合った恋人同士だった。

しかし、ギイに送られてきたアルジェリア戦争の徴兵令状が2人の人生を大きく翻弄する。

(出典:https://eiga.com/movie/54203/)

愛する二人を引き裂く戦争

自動修理工場で整備して働くギイ。
シェルブールの雨傘屋で母親の仕事を手伝うジュヌヴィエーヴ。
お互いを深く愛し結婚を誓う二人でしたが、そんな二人を引き裂いたのが戦争でした。

ギイの元に召集令状が届いたのです。
2年間兵役を務めることになってしまったギイ。
『シェルブールの雨傘』の舞台である1957年フランスはアルジェリアと戦争を行っていたのでした。

フランスはフランス革命の時に徴兵制度が始まりなんと2002年まで徴兵制度は続きます。
期間は時代によって違いますが、フランスの徴兵制度は長い歴史を持っていました。

ギイはアルジェリアに向かうことになります。
当時フランスはフランス領だったアルジェリアで起きたアルジェリア独立戦争の真っ最中だったのです。

アルジェリア戦争は1954年〜1962年の間で起こり、『シェルブールの雨傘』のギイとジュヌヴィエーヴの人生を翻弄する戦争だったのです。

戦争に向かう前のジュヌヴィエーヴとギイの歌った主題歌は世界中で大ヒットし、二人の切ない恋心が表現されています。


シェルブールの雨傘(映画『シェルブールの雨傘』主題歌)

色の美しさ

出典:IMDb

悲恋の物語や切ない音楽が有名な『シェルブールの雨傘』ですが、この映画にはもう1つ重要な要素があります。

それはカラフルな色使いです。
オープニングの色とりどりの傘が行き交うシーンは有名なシーンでもあります。

そして徹底的に登場人物の洋服と後ろの壁紙の色を合わせています。
上の写真を見ると、ジュヌヴィエーヴの部屋の壁紙と彼女の規定るワンピースがぴったり合っています。

『シェルブールの雨傘』ではこのようなシーンがたくさんあります。
ギイは常にブルーのシャツを着ていて、彼の部屋の壁紙はブルーです。
シェルブールの雨傘のお店の中はピンクの壁紙で、お店の中にいるジュヌヴィエーヴと母親は常にピンク系の洋服を着ています。

ダンスホールでは女性は赤い衣装を着ていて、壁紙は真っ赤な色です。
カフェでギイの頼んだのはオレンジジュースで、その時のカフェの壁紙は黄色です。

壁紙だけでなく景色とも合わせていて、冬になり雪が降るとジュヌヴィエーヴは白っぽいカーディガンを羽織っているのです。

徹底的に作られた色の使い方に目を引いいてしまう『シェルブールの雨傘』。
その色使いは、この作品を見た人に強烈な印象を残しています。

気持ちを表した色

出典:IMDb

衣装と壁紙の色の使い方だけでなく、『シェルブールの雨傘』ではもう1つ色の使い方にこだわってる箇所があります。

それはギイの着ているシャツの色です。
彼はオープニングからずっとブルー色のシャツを着ています。
戦争に向かう時も戦争から帰ってきた時も同じ色のシャツを着ています。

しかし戦争から戻ってきてジュヌヴィエーヴが他の男性と結婚したことを知った時から彼は白いシャツを着るようになってしまいます。

それはきっとジュヌヴィエーヴがいなくなって彼の心から色がなくなったことを表現しているのかもしれません
仕事を辞め荒れた生活をするギイはずっと白いシャツを着ていました。

その後、マドレーヌに支えられてもう一度人生をやり直そうと決めた時は、彼は薄いピンク色のシャツを着ていました。
彼の心にもう一度色が芽生えたのでしょう。

ジュヌヴィエーヴの時のような真っ青で燃え上がるような恋をし無我夢中になるような生活ではないかもしれませんが、ギイはマドレーヌと暖かい安らぎのある生活を始めたのです。
その暖かさがピンク色のシャツで表現されているように思えました。

ギイの心の状況をブルー・白・ピンクとシャツで表現していて、それもまた『シェルブールの雨傘』の素晴らしい色使いの1つだと感じました。

まとめ

ジュヌヴィエーヴを演じたカトリーヌ・ドヌーヴを世界的スターにした作品でもあり、主題歌も大ヒットするなど、歴史的なミュージカル作品となった『シェルブールの雨傘』。

戦争で引き裂かれてしまう男女の切ない恋愛が描かれていて、それもまた多く人の心に残る物語でした。

しかしそれ以外に『シェルブールの雨傘』で使用されている色のテクニックには多くの人が驚き、その世界観に魅了されました。

ミュージカル好きな人もそう出ない人も。映画好きなら歴史的な名作『シェルブールの雨傘』は、一度見ておくべき作品です。