パターソンに住むパターソン。バスの運転手をしながら詩を書いているパターソン。彼の日常の中に溢れる詩の風景。そしてまた静かに流れるありきたりな毎日の中に、詩的な表現が隠れているのでした。
『パターソン』作品情報
タイトル | パターソン(Paterson) |
監督 | ジム・ジャームッシュ |
公開 | 2017年8月26日 |
製作国 | アメリカ/ドイツ/フランス |
時間 | 1時間58分 |
Rotten Tomatoes
『パターソン』あらすじ
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ニュージャージー州パターソンに住むバス運転手のパターソン。
彼の1日は朝、隣に眠る妻ローラにキスをして始まる。
いつものように仕事に向かい、乗務をこなす中で、心に芽生える詩を秘密のノートに書きとめていく。
帰宅して妻と夕食を取り、愛犬マーヴィンと夜の散歩。
バーへ立ち寄り、1杯だけ飲んで帰宅しローラの隣で眠りにつく。
そんな一見変わりのない毎日。
パターソンの日々を、ユニークな人々との交流と、思いがけない出会いと共に描く、ユーモアと優しさに溢れた7日間の物語。
(出典:https://longride.jp/paterson-movie/cont/story.html)
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ニュージャージー州パターソン
バスの運転手?
そうだ
パターソンは呼び名なの?
いいや 本名がパターソンだ
変なの
ああ ほんとに pic.twitter.com/7WQI6WjVCL— 映画『デッド・ドント・ダイ』公式🧟♀️BD&DVD好評発売中❗️ (@deaddontdiejp) September 21, 2017
映画『パターソン』の舞台はニュージャージー州パターソン。
ニュージャージー州で3番目に大きな都市です。
この都市に暮らすバスの運転手パターソン。
詩を書くことが趣味で奥さんと愛犬と暮らしています。
そんなパターソンを通して見るパーターソンの街で起こる日常風景を描いています。
映画の中に出てくるパターソンに住んでいたの有名人。
・ハリケーン・カーター
黒人ボクサーで、彼の人生を描いた映画『ザ・ハリケーン』ではデンゼル・ワシントンがハリケーンカーターを演じています。
・サム&デイヴ
ソウルシンガー
・イギー・ポップ
ロックミュージシャン
・ジミー・ビビーノ
ギターリスト
・ガエタノ・ブレーシ
無政府主義者でパターソンで無政府主義新聞を創刊
・ルウ・コステロ
アボットとコステロというお笑いコンビで活動
・アレクサンダー・ハミルトン
政治家。
アメリカ合衆国憲法の草案者
・フェティ・ワップ
片目のラッパー
パターソンとバーのマスターやお客さんとの会話・バスの中でパターソンが耳にする会話などに、パターソンに関係する人物の名前がいくつも出てきています。
詩人
「フランスの画家ジャン・デュビュッフェは―気象観測隊員だった」
「詩で知ったんです NYの詩人でフランク・オハラのね」
「オハラは僕も好きだ」
「彼はNY派だ」 pic.twitter.com/UABIRjbnku— 映画『デッド・ドント・ダイ』公式🧟♀️BD&DVD好評発売中❗️ (@deaddontdiejp) September 5, 2017
パターソンの日常の中に溢れる詩。
彼は詩が大好きで詩をノートに書き溜めています。
愛する妻に書いた詩。
その詩はパターソンの日常から生まれるものでした。
静かで普通の日常の中で生まれる詩。
だからこそシンプルでもあり、ストレートな詩になっていました。
映画の中ではパターソンの好きな詩人の名前も登場します。
・ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ
パターソンが読んでいた本がウィリアム・カーロス・ウィリアムズの詩集です。
彼の詩集に「パターソン」という詩集があります。
これを劇中で永瀬正敏は読んでいました。
・エミリー・ディキンソン
詩を書いてた少女が好きだと言った詩人。
生前は無名でしたが、たくさんの詩を残し有名になりました。
・ペトラルカ
イタリアの詩人
パターソンの奥さんがネットで読んだと言っていました。
・フランク・オハラ
・アレン・ギンズバーグ
パターソン出身の詩人
パターソンは静かに暮らしています。
その静けさこそが詩を生み出しています。
日々の慌ただしい生活の中で現代人は詩にむき会う時間は少ないかもしれません。
でもパターソンのように愛する者への気持ちは持っているはずです。
それを表現したのがパターソンでした。
自分の想いを秘密のノートに書き綴ったパターソン。
1度そのノートを失ってしまいましたが、新しいノートを手に入れればいつでも書くこtができるのです。
それは日常の中に詩が溢れているからです。
まとめ
ドラマティックで盛り上がりのある映画ではなく、静かに淡々と物語が進む映画『パターソン』。
私たちの日常は、エンターテイメントの映画のようではなく『パターソン』に近いのかもしれません。
その普通の日常には詩につながる美しく綺麗なものがたくさんあるのです。
激しいものに心を奪われる毎日だと、忘れてしまいそうな普通の日常。
実はそんな毎日こそが1番だということを教えてくれているような気がしました。