映画『ミスター・ノーボディ』あらすじと解説 伝説のガンマンの引退への花道


マカロニウエスタンと呼ばれるイタリアで作られた西部劇の最後の作品とも言われる『ミスター・ノーボディ』。伝説のガンマンが引退する姿を描いた作品は、マカロニウエスタンの最後と重なるものがありました。

 

『ミスター・ノーボディ』作品情報

タイトル ミスター・ノーボディ(My Name is Nobody)
監督 トニーノ・ヴァレリ
公開 1975年11月8日
製作国 イタリア/フランス/西ドイツ
時間 1時間56分

Rotten Tomatoes

『ミスター・ノーボディ』あらすじ


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伝説の老ガンマンの前に現われた風来坊。

その男はいつの日か、無敵と謳われたガンマンを自分の手で倒したい、と語りながらも、老ガンマンとの対決を何故か避けようとする。

果たして、彼の真意は……?

(出典:https://movie-tsutaya.tsite.jp/netdvd/dvd/goodsDetail.do?titleID=2383674340&pT=null)

最後のマカロニウエスタン

出典:IMDb

アメリカでの西部劇の衰退後イタリアで制作されるようになった西部劇。
そのラストのマカロニウエスタンと呼ばれているのが『ミスター・ノーボディ』です
1960年代後半全盛期を迎えたマカロニウエスタンでしたが、次第にマカロニウエスタンも影をひそめていきます。

『ミスター・ノーボディ』が製作された1973年ごろは、かつての勢いはなく下火になりつつありました。

そんなマカロニウエスタンの陰りと重ねるように、年老いた伝説のガンマンの引退を描いた『ミスター・ノーボディ』。

伝説のガンマンを西部劇俳優とも言えるヘンリー・フォンダが演じたことも作品の内容と重なります。

『荒野の決闘』で主人公のワイアット・アープを演じたヘンリー・フォンダ。
それから27年経って伝説のガンマンをヘンリー・フォンダが演じたことには大きな意味があります。

引退する伝説のガンマンは、時代に合わなくなってきたマカロニウエスタンを象徴しているように見えます。

引退したガンマンが若者のガンマンに残した手紙。

・国は変わっていくものだ。俺はよそ者同然。
・暴力の質が変わり巨大化し組織化された。正義の銃は役に立たない
・でもお前の時代も長くない

というのは移りゆく映画の世界のことを言っているようにも感じ取れました。

コメディ満載の 『ミスター・ノーボディ』

出典:IMDb

西部劇というとバイオレンス的なイメージがありますが、『ミスター・ノーボディ』はその概念を破り明るく楽しい西部劇です。

若者のノーボディが、とにかくお調子者なんです。
そのペースについつい周りものまれてしまいます。
ただし単なるお調子者ではなくて、もちろん早撃ちのガンマンです。

彼の腕前は伝説のガンマンのジャック・ボーレガードと同等、または彼以上の腕でもあります。
ジャック・ボーレガードに憧れて育った若者は、引退しようとしているジャック・ボーレガードの花見とを用意してくれていたのです。
歴史的な人物になるための花道。
最初は拒んでいたジャック・ボーレガードも、若者のペースに次第に巻き込まれて行きました。

楽しく笑いながら見ることのできる『ミスター・ノーボディ』。
西部劇の概念を変えるかもしれません。

お墓のシーンではサム・ペキンパーのお墓があったりとブラックジョークもあります。

まとめ

マカロニウエスタンの晩期の作品『ミスター・ノーボディ』。

今までも西部劇とは違う楽しさを存分に描いた作品になっています。

ヘンリー・フォンダ演じる伝説のガンマンとヘンリー・フォンダ自信を、またマカロニウエスタンの行くすえを重ねた内容にもなっていて、去り行く西部劇への花道的作品でもありました。

コメディタッチが多い作品ですが、150人のワイルドバンチとの戦いのシーンは迫力あるシーンで音楽と合わさりかっこいい西部劇に仕上がっています。