映画『激突!』あらすじと解説 スピルバーグのデビュー作は殺人トラックとの孤独な戦い 


巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督の映画デビュー作の『激突!』。元はTV映画として作られましたが、放映後の反響からヨーロッパや日本では劇場公開された作品です。この後のジョーズに続く恐怖はここから生まれたものでした。

 

『激突!』作品情報

タイトル 激突!(Duel)
監督 スティーヴン・スピルバーグ
公開 1973年1月13日
製作国 アメリカ
時間 1時間30分

Rotten Tomatoes

『激突!』あらすじ


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この日、デヴィッドは貸した金を返してもらおうと、その知人のもとへ車を走らせていた。

その道中、前方を走るタンク・ローリーを追い抜いていく。

だがその直後、タンク・ローリーはデヴィッドに迫り、また前方をふさぐのだった。

デヴィッドは再び抜き返し、その距離を広げてガソリン・スタンドへ。

すると間もなく、タンク・ローリーがまたしても姿を現わし、デヴィッドを煽りにかかる。

それから幾度となく命の危険にさらされ、追いつめられていくデヴィッド。ついには車が故障してしまい、窮地に立たされるのだが…。

(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=7018)

犯人が分からない恐怖

出典:IMDb

前を走るトラックを一度だけ追い越したことから始まった恐怖。
仕事に遅れないため自分の車の前を走るスピードの遅いトラックを追い越したデヴィッド。
そこから恐怖が始まります。

すぐに抜き返されます。
その後、またデヴィッドがトラックを追い越そうとすると今度は妨害されてしまいます。
窓から手が出て追い越していいよの合図をもらい追い越そうとすると、前方から車がやってきていたりと明らかにデヴィッドを事故らせようとしていました。

途中でデヴィッドがトラックを追い越すと、今度は後ろら猛スピードで追いかけてくるのでした。

身の危険を感じたデヴィッド。
なんとか道路沿いにあったお店に逃げ込みます。
デヴィッドがトイレから戻ると外にはあのトラックが止まっていたのでした。

『激突!』の恐怖は犯人の顔が全く分からないことです。
履いていたブーツと腕しか見えません。

立ち寄った思いせで顔の分からない恐怖に追い詰められてデヴィッドは、ノイローゼー気味になってしまいます。

『激突!』の監督スティーヴン・スピルバーグは、男の顔は見せませんがその代わり追いかけるトラックを顔として表現しています。

トラックを選ぶときにスピルバーグは正面が顔に見えるトラックを選びました。
窓が目で、大きな鼻を持ちバンパーという口もあるトラックです。
男の顔はわからないけど、不気味な顔を持つトラックに追いかけられることも恐怖の1つになっていたのです。

スティーヴン・スピルバーグ初監督作品

出典:IMDb

25歳のスピルバーグが監督した『激突!』。
この作品が彼の映画デビュー作となります。

元々はテレビ映画用に作られた作品で73分の映画でした。
反響が良かったためヨーロッパでの劇場公開が決定します。
劇場公開には90分の時間の尺が必要と言われ、原作にない部分をスピルバーグは追加しました。

踏切で止まっているとトラックがぶつかってきて電車の方に押されるというシーンです。
そのシーンが加わり90分となった作品はヨーロッパで公開されます。
日本でも劇場公開されました。

たった10日間の撮影期間しかなかったのですが、オールロケで撮影したスピルバーグ。
誰もが「間に合わないから合成にしろ」と言いますが、彼は本物にこだわり全てロケで作り上げました。

結局12、3日かかり撮影が終わった『激突!』でしたが、放送まで3週間しかありませんでした。

たった3週間で編集し作品と仕上げた物語だったのです。
さと勢いで作り上げた『激突!』でしたが、これはのちの『ジョーズ』に繋がります。

トラックが迫る恐怖とサメが迫ってくる恐怖。
さらラストでトラックが崖から落ちるシーンの音は恐竜の声を使い、それは『ジョーズ』でも使用されています。

ここからスピルバーグの偉大な作品が次々と生まれることになるのです。
『激突!』はその出発点だったのです。

まとめ

スピルバーグのデビュー作『激突!』。

トラックに追われ続ける男の孤独な戦いが描かれています。

サスペンス映画として成功したこの作品は、犯人の顔が分からずほとんどヒントがないまま進みます。

それがスピルバーグの追求したサスペンスだったのです。

観客はいつしかデヴィッドと同じ恐怖を感じ、彼に感情移入しているのでした。

 

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