ゾンビの父ジョージ・A・ロメロ監督の作った『ゾンビ』のパロディ作品『ショーン・オブ・ザ・デッド』。ゾンビ映画を愛するエドガー・ライト監督がイギリス版ゾンビ映画として製作しました。本家ではショッピングモールに避難した生存者達でしたが、イギリス版ではイギリスらしくパブに主人公達は逃げ込みます。さらにアメリカと違い銃がないなかで、主人公達はソンビと戦うことになるのです。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』作品情報
タイトル | ショーン・オブ・ザ・デッド(Shaun of the Dead) |
監督 | エドガー・ライト |
公開 | 2004年4月9日 |
製作国 | イギリス |
時間 | 1時間39分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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ロンドンの家電量販店で働くショーン。
職場の後輩に馬鹿にされながら目的もなく日々を過ごし、楽しみといえば同居している親友のエドとのゲームとパブでのビール。
恋人のリズのため、一度は現状からの脱却を決心するが、彼女と交わした大切な約束すら守れず振られてしまい、行きつけのパブ“ウィンチェスター”で酒に溺れる始末。
飲みすぎた翌朝、ショーンが目を覚ますと街はゾンビで溢れかえっていた。
愛するリズと大切な母親を救うため、無気力男・ショーンが今度こそ立ち上がる。
(出典:https://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=016992)
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イギリス版『ゾンビ』
エドガー・ライト監督がサイモン・ペッグと共に尊敬と愛を込めて作ったのが映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』。
これはあのゾンビの父と呼ばれるジョージ・A・ロメロ監督の作った『ゾンビ』のパロディ作品です。
しかし単なるパロディではなく、きちんと本家の作品をオマージュして作られた映画なのです。
尊敬するロメロ監督の作品を彼らは母国のイギリスに起きかえて作りました。
1番イギリスらしいと言えば、主人公のショーン達が避難する場所はショッピングモールではなくパブです。
そしてそのパブで彼らはゾンビと戦うことになるのです。
さらに本家と違うのは、彼ら銃でゾンビを倒すのではなくスコップやクリケットのバットを使ってゾンビを倒すのです。
映画『ゾンビ』に限らずアメリカ作品にはゾンビと対決する時によく銃が使われます。
しかしイギリスでは日本と同じで銃を所持することが許されていません。
なので銃が家の中にはないのです。
その代わり倉庫にあったクリケットのバットを使います。
クリケットのバットが倉庫にあるのはいかにもイギリスらしくって笑ってしまいました。
笑い満載の「ゾンビ」映画になっていましたが、もちろん元の『ゾンビ』に対して愛を示しています。
特に映画の最後のエンディグロールで流れる音楽。
そこに『ゾンビ』で流れていたショッピングモールのあの陽気な音楽が流れます。
映画の冒頭にもショッピングモールのシーンが映るなど、『ゾンビ』愛が詰まった作品になっていました。
恋人と親友の間で
コメディゾンビ映画の『ショーン・オブ・ザ・デッド』ですが、愛と友情の物語でもあります。
ゲームが大好きで大人になりきれない主人公のショーン。
彼は恋人と友達の間で板挟みになっています。
恋人のことは愛しているけど、でも友達も見捨てられないショーン。
恋人ははそんなショーンに苛立ちを隠せんません。
いまいち大人になりきれないショーンは、結局友達といることになってしまいます。
そんなショーンがゾンビと戦いながら成長していく映画でもあるのが『ショーン・オブ・ザ・デッド』です。
ソンビに襲われてしまった母親との別れや、恋人を守るために友との別れ。
いろんな別れを繰り返しながら、ショーンは一人前の男になっていったのでした。
でもラストには、まさかの展開が待っていて笑ってしまいましたが、愛も友情も大切なショーンらしい選択だと思いました。
まとめ
『ゾンビ』をパロディにした『ショーン・オブ・ザ・デッド』。
単なるお遊び的なパロディ映画ではなく、愛と友情が詰まった物語にもなっています。
イギリス版『ゾンビ』。
笑って楽しい時間が過ごせること間違いなしです。