世界のアクションスターであるスティーブ・マックイーンの遺作となった『ハンター』。アメリカに実在した賞金稼ぎラルフ・ドーソンの人生を描いた作品となっていました。病と戦いながら撮影したスティーブ・マックイーンの姿を見ることができます。
『ハンター』作品情報
タイトル | ハンター(The Hunter) |
監督 | バズ・キューリック |
公開 | 1980年12月13日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間37分 |
Rotten Tomatoes
『ハンター』あらすじ
[aside type=”normal”]
ラルフ・ソーソン、通称“パパ”は賞金稼ぎ。
指名手配者を追っては西へ東への毎日だが、家に帰れば8年前から同棲していて、しかも今妊娠中の女教師ドティが待っていた。
だが、ある日、彼に恨みを持つ何者かから脅迫電話が掛かってくる……。
(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=18804)
[/aside]
実在した賞金稼ぎ
『ハンター』の中でスティーブ・マックイーンが演じているラルフ・ドーソン。
みんなから「パパ」と呼ばれ慕われている彼ですが、彼は実在した賞金稼ぎでした。
賞金稼ぎとして優秀で名を馳せたいたのがラルフ・ドーソン。
彼は保釈金を借りて返さずに逃げた犯人を追いかけることを仕事にしていました。
これは合法的なことで、アメリカには保釈保証業者というのがあります。
彼らは保釈金を払えない犯人に変わり保釈金を立て替えます。
犯人は保釈後業者にお金を返すのですが、返さずに逃げる犯人も多くいました。
逃げた犯人を捕まえる仕事が賞金稼ぎと言われるバウンティハンターで、捕まえた犯人と引き換えに業者からお金をもらっていました。
生きたまま犯人を引き渡すために、実弾の入った銃を使うのではなくスタンガンを使用したりしています。
劇中でもその様子は描かれていました。
他に同じような賞金稼ぎをやっている男が描かれていた映画にロバート・デニーロ主演の「ミッドナイト・ラン』などもあります。
スティーブ・マックイーンの遺作
主演を務めたスティーブ・マックイーン。
残念ながらこの『ハンター』が彼の最後の作品となってしまいました。
1960年代にトップスターとなったスティーブ・マックイーン。
スタントマンを使わずにアクションをこなすアクションスターとして地位を確立しました。
世界中での男女が彼に憧れ、特に男性は映画の中で彼の着ていたファッションを真似するなど、一大ブームを巻き起こしたこともありました。
『ハンター』の撮影中から体の調子は良くなく、検査すると肺がんであることが判明しました。
『ハンター』の中でも列車のパンタグラフに捕まったるするアクションシーンをこなしたいますが、息切れをしていたこともあり、スタントマンが代わりに走るシーンなどのアクションを行っていました。
往年の激しいアクションを見ることはできませんが、ハンターとしての仕事と父となることの間で揺れ動く男の苦悩を見事に演じきっています。
彼の代表作『大脱走』や『荒野の用心棒』などと比べると激しを見ることはできませんが、歳をとったスティーブ・マックイーンの味を感じることができる作品でもあります。
まとめ
スティーブ・マックイーンの遺作となってしまった『ハンター』。
実在した賞金稼ぎを元に作られた映画で、賞金稼ぎと家族の間で揺れ動く男の物語になっています。
晩年のスティーブ・マックイーンを見ることができ、若さと勢いではなく渋い味をかもし出している彼を見ることができます。
ぜひスティーブ・マックイーンの最後の作品を見て、彼の役者人生を振り返って欲しいです。