映画『女王陛下のお気に入り』あらすじとネタバレ感想 女王を巡って露骨な争い


アカデミー賞に9部門10ノミネートされた『女王陛下のお気に入り』。18世紀のイギリス王室で繰り広げられた女性の戦い。醜い争いの最後には苦しい切なさが残りました。

『女王陛下のお気に入り』作品情報

タイトル 女王陛下のお気に入り(The Favourite)
監督 ヨルゴス・ランティモス
公開 2019年2月15日
製作国 アイルランド/イギリス/アメリカ
時間 1時間59分

Rotten Tomatoes

女王陛下のお気に入り』あらすじ

http://www.foxmovies-jp.com/Joouheika/intro.html

激しい女の三角関係

アン女王

孤独な女王アン。
部屋にウサギを17匹も飼っているのは、自分が亡くした子供の数です。

流産、死産または生まれてしばらくして亡くなった子供たち。
彼女はその傷が癒えずに子供達と同じ名前をつけ17匹もウサギを飼っていました。

彼女の傷は彼女を孤独へと追いやって行きます。
そんな彼女を支えていたのが幼い頃からの友人サラだったのです。

お互いなくてはならない関係になった2人。
しかしアンはどこかで寂しさを感じています。

男勝りのサラは、アンのことを愛していましたが優しくありません。
それがアンにとっては寂しかったのです。

アンは自分に優しくしてくれるアビゲイルに次第に心が動いていくのです。
最初はサラを嫉妬させるためだったのが、アビゲイルの罠にはまってしまいました。

サラ

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アン女王を精神的にも仕事的にも支えていたのが、女官庁のサラです。
幼い頃から友人であったあんをいつも助け、支えていたサラ。

彼女はアンを愛していましたが、愛情表現がうまくありません。
それがかえってアンに寂しさを与えてしまうことになります。

さらに彼女は戦争を続けるべきだという考えも持っています。
その考えを通すため、政治的にも働いていました。

自分のことよりも戦争のことばかり気にするサラ。
イギリスのことを思ってのことですが、その思いはあんには伝わりません。

そしてアビゲイルの登場によって、2人の間にひびが入ったのでした。

アブゲイル

したたかなアビゲイル。
上流階級へ戻りたい彼女にとって、アンとサラの関係を見つけたことがチャンスとなります。

サラとは違い、アン女王に優しいアビゲイル。
すぐにアンのお気に入りとなります。

頭の良さはサラと同様ですが、その頭の良さを彼女は自分のために使います。
うまくアンを操りついには上流階級へ戻ってきたのでした。

さらに、目障りなサラを追い出すためにとんでもないことをするアビゲイル。
サラとの戦いに勝ったのはアビゲイルでしたが、勝利の後の虚しさそして孤独を感じてしまうのでした。

女性の戦いを描いた『女王陛下のお気に入り』

リアルな女性の戦いを描いた『女王陛下のお気に入り』。
男性同士ならばこんな戦いではないでしょう。

きっとお互いが決闘をして終わりか、どちらかをすぐに追い出して終わりだと思います。
陰で戦うのは女性特有の戦い方かもしれません。

特にアビゲイルの戦い方は、女性ならではです。
自分が上流階級に戻るためであれば、たとえ嫌いな人とでも結婚します。
それは女王であっても同じです。

アビゲイルは女王をうまく操って、女王の力を利用しました。
サラはアビゲイルのやり方に気がつきますが、アンにその思いは伝わりません。

アン女王はアビゲイルの本心がわかっていたのかもしれませんが、それでも自分に優しくしてくれるアビゲイルを選びました。

女性の心理戦がリアルに描かれていたので、男性の観客はきっとこの映画を見ると女性を怖く感じたかもしれません。

3人に醜い戦いは最後アビゲイルの勝利で終わったように見えましたが、実は誰も勝利を手にしていませんでした。
アビゲイルはサラがアンに送った手紙を読んで涙します。

この時、アビゲイルは上流階級は手に入れたけど、孤独を感じたと思います。
アン女王を本当に愛しているサラの手紙を読んで彼女は、負けを感じはずです。

そしてその孤独はアン女王も同じでした。
サラを失って初めて彼女の愛を感じたのでしょう。

それがラストのアンとアビゲイルの痛く切ないシーンに描かれていました。

まとめ

女性の同士の争いを描いた『女王陛下のお気に入り』。

2018年の賞レースを席巻する作品となりました。

ウィットでブラックジョークに飛んだ作品ですが、見終わった後は笑いではなく痛みと切なさが残る映画になっていました。

 


映画『女王陛下のお気に入り』 (オリジナル・サウンドトラック)