2018年に公開されて話題となった映画『スリー・ビルボード』。
監督のマーティン・マクドナーらしい激しい描写が続き、人間の持つ怒りをストレートに表現した映画になっていました。
『スリー・ビルボード』作品情報
タイトル | スリー・ビルボード (Three Billboards Outside Ebbing, Missouri) |
監督 | マーティン・マクドナー |
公開 | 2018年2月1日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間55分 |
Rotten Tomatoes
『スリー・ビルボード』のテーマは怒り
『スリー・ビルボード』を見て思ったこと。
それはみんな怒りが激しいということです。
とにかくみんな怒ってます。
特に、犯人を捕まえたいミルドレッドとウィロビー署長を亡くしたディクソンの怒りは激しすぎます。
思わずそこまでする?思うくらいです。
愛する人を突然奪われてしまったときの怒りは、これくらい激しいものなのかもしれません。
2人の怒りが激しすぎるからミルレッドに好意を寄せるジェームズや、ディクソンにボコボコにされたレッドが本当に優しく映ります。
レッドが病院でディクソンにオレンジジュースをあげた時は、優しすぎると思ったくらいです。
私だったらここまで出来ないなと正直感じました。
ディクソンはウィロビー署長の手紙を読み、、怒りを会いに変えていきますが、ミルドレッドはなかなかそれが出来ません。
元夫の若い彼女に「怒りは怒りを来たす」と言われたくらいでした。
この言葉がこれまでのミルドレッドの全てを表していました。
そして初めてミルドレッドは怒りを鎮めることができたのでした。
登場人物の2面性
ミルドレッド
最初娘を亡くしたミルドレッドを、けなげな母親だと思った人も多いと思います。
しかし実態は3人の中で1番怒りを持っていて、その怒りで周囲から孤立していました。
自分に愛情を示してくれる人にさえ、怒りでしか答えられないのです。
それを救ったのがまさかの元夫の彼女の言葉だったとは、ちょっと笑えてしまいます。
ディクソン
ディクソンに対しては、差別的な暴力を振るう嫌な巡査だと思っていました。
しかし彼は、自分の秘密を隠すために差別的に見せていただけだったのです。
彼はABBAの「チキチータ」の歌を聞いています。
これが彼の秘密のヒントになっていました。
そんな暴力的なディクソンはウィロビー署長の手紙を読んで変わります。
その手紙には「愛」の素晴らしさが綴られていたのでした。
ウィロビー署長
そして1番優しかったのがウィロビー署長でした。
最初は仕事をしていない署長なのかと思いましたが、実は違ったのです。
家族の幸せを願って自分の命を絶ってしまいますが、それも彼なりの優しさからです。
その優しはミルドレッドにもディクソンにも与えられました。
舞台はミズリー
『スリー・ビルボード』の舞台はミズリー州です。
町の自体はエビングという架空の都市ですが、映画の中ではミズリーの差別的な様子も描かれていました。
それはディクソンの母親がそうです。
南部の昔の人という態度が彼女でした。
ミズリー州の変化を笑顔た映画もあります。
それを見てから、『スリー・ビルボード』みると町のことがもっと分かるかもしれません。
ミズリー州のことを描いた映画はまた後日紹介します。