アカデミー賞を受賞した作品『それでも夜は明ける』。ハリウッドが作りたくなかったアメリカの黒人奴隷について描いた衝撃的な作品です。1840年代にアメリカの南部で起こっていたことは想像を超える出来事でした。
『それでも夜は明ける』作品情報
タイトル | それでも夜は明ける(12 Years a Slave) |
監督 | スティーヴ・マックイーン |
公開 | 2014年3月7日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間14分 |
Rotten Tomatoes
『それでも夜は明ける』あらすじ
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1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。
自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。
狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。
やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。
(出典:https://eiga.com/movie/79401/)
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ニューヨーク州で自由黒人として暮らしていたソロモン。
妻と2人の子供と幸せに暮らしていました。
しかしある日、騙され奴隷として売られ南部に連れていかれてしまいます。
ニューオリンズで奴隷として売られたソロモンは名前もプラットと変えられ、農場で奴隷として働くことになったのでした。
実話を元にした物語
1853年に出版されベストセラーとなったソロモン・ノーサップの『Twelve Years a Slave』。
12イヤーズアスレーブ それでも夜は明ける [ ソロモン・ノーサップ ]
ソロモン・ノーサップが白人に誘拐され南部で12年間奴隷として働いていた事実を書いた奴隷体験記には、ソロモンが経験した奴隷の実態が生々しく書かれていました。
1853年は南北戦争前の8年前です。
当時はまだ奴隷制度の真っ只中です。
自由な身のはずだったソロモンに起こったことは、当時の人たちに大きな影響を与えました。
そしてまたのちに起こる南北戦争にも影響を与えました。
奴隷制度の背景
アフリカから奴隷としてアメリカに連れてこられた黒人は40万人以上です。
南北戦争で北部が勝利する1865年まで奴隷制度は続きます。
奴隷を海外から連れてくること自体は1808年に禁止されます。
そのためソロモンがそうだったように、自由黒人を誘拐し奴隷にしていました。
さらに奴隷の女性に子供を産ませその子供を奴隷として売り飛ばすという、悲惨な出来事も起こっていたのです。
当時奴隷の値段は高くなっていて、かなりの高値で売買されていました。
『それでも夜は明ける』に登場した牧師のフォードは、最初にソロモンを買った人です。
彼は奴隷制度に関しておかしいと思いながらも、体制に抵抗できなかった人です。
それだけ南部では奴隷を使うことは当たり前の出来事で、その勢力はかなりの力を持っていました。
悲劇でもあり恐ろしいシーン
映画の中で目を伏せたくなるシーンはたくさんあります。
最初の方でソロモンが鞭で打たれたり、パッツィーが鞭打たれるシーンなどです。
しかしその中で1番残酷だと感じたのは、首をつられたままのソロモンの後ろで普通の生活が送られているシーンでした。
ソロモンは首が絞まらないように必死で爪先立ちを保っています。
その後ろでそれぞれがいつも通りの生活を送り始めました、
1人の女性だけが1度ソロモンに水を持ってきてくれますが、それ以外はみんな見て見ぬ振りなのです。
子供達はソロモンの後ろで遊び始めていました。
それだけ誰も何もできない、そんな状況が長いこのシーンで伝わってきました。
見ていてとても心が痛くなり残酷さを感じました。
まとめ
アメリカの公立高校では学校で見る映画に選ばれた『それでも夜は明ける』。
アメリカ人だけでなく全世界の人たちが見る必要のある作品で、この事実を忘れてはいけません。
何が起こっていたのかを知り、そして2度と同じことを起こさないようにしっかりと見るべき作品が『それでも夜は明ける』です。
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(2019年1月現在)
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