ドキュメンタリー『83歳のやさしいスパイ』家族と離れ老人ホームで暮らす高齢者の心の中


スパイとして老人ホームに潜入することになったのは、なんと83歳のおじんちゃん。彼の任務は老人ホーム内で起きているスタッフの虐待などを暴くことです。ターゲットに接近し、事実を暴こうとするおじいちゃんでしたが、施設で彼を待ち受けていたのは全く違う出来事でした。そしてその事実が優しいおじいちゃんを動かしたのです。

『83歳のやさしいスパイ』作品情報

タイトル 83歳のやさしいスパイ (El agente topo
監督 マイテ・アルベルディ
公開 2021年7月9日
製作国 チリ/アメリカ/オランダ/ドイツ/スペイン
時間 1時間24分

Rotten Tomatoes

あらすじ

高齢のスパイを募集する奇妙な求人に応募した83歳の男性が、老人ホームで潜入調査を行うドキュメンタリー。

スパイとしてホームの内情を探る彼の様子を映し出すと共に、家族と離れて暮らす入居者たちのさまざまな人生模様が浮かび上がっていく。

(出典:https://www.youtube.com/watch?v=NctkWK9m_zY)

老人ホームに潜入

83歳のおじいちゃんが、老人ホームにスパイとして潜入することに。
施設内で虐待が行われているかどうかを調べるのがおじいちゃんの仕事です。

スパイのおじいちゃんは、依頼主に頼まれて依頼主の母親の周囲を観察するために施設に潜り込みました。

早速老人ホームに潜入したおじいちゃん。
紳士的なおじいちゃんの容姿はすぐに入居しているおばあちゃん達の間で話題になります。

この老人ホームは女性が40人いて、男性は4人しかいません。
新しくやってきたおじいちゃんにおばんちゃん達は興味津々なんです。

・積極的に声をかけてくるおばあちゃん
・自分で詩を作るおばあちゃん
・いつも「帰りたい」と言っているおばあちゃん
・寝たきりのおばあちゃん
・記憶がなくなりつつあるおばあちゃん

老人ホームに入ったことで、スパイのおじいちゃんは色んな高齢者と接しました。

そして調査を進めるうちに、少しづつ彼は施設内にいる高齢者達の気持ちに気がつき始めます。
それと同時に、施設内で老人達に起きていることを知っていくことになるのです。

老人ホームの中の高齢者

83歳のスパイのおじいちゃんが、老人ホームにいる高齢者から感じ取ったこと。
それは「孤独」でした。

若い頃、一生懸命仕事をし家庭を持ち子供を育ててきたおばあちゃんやおじいちゃん。
しかしこのホームの中では、彼らはたった1人で生きています。

もちろん仲間や介護士さん達はいますが、それでも彼らは「家族」と離れて暮らしています
その家族と離れて暮らす生活が、彼らに孤独を与えていました。

老いていく自分、記憶を少しずつ失いつつある自分に不安を抱えている高齢者達。
その気持ちを分かち合える家族は近くにいません。

施設の中にいる高齢者達が口を揃えて「家族はほとんど会いにこない」と言います。
その時の顔をとても寂しそうでした。

中には、年齢的に亡くなっているはずの自分の母親を待ち続ける女性もいます。
彼女の心は学生時代に戻っているのです。

そんな女性の母親のふりをして施設の人は、彼女に電話をかけます。
施設の人は孤独な彼らに寄り添い、寂しさを埋めようとしてくれていました。

施設の中に虐待など全くなかったのです。

施設の人たちは、高齢者に少しでも元気になってもらおうと色んなイベントを開いて彼らを元気づけます。

その瞬間に見せるおばあちゃん達の笑顔はとても生き生きしていました。

83歳のおじいちゃんが潜入した施設の中では、虐待ではなく孤独が高齢者を苦しめていました。

そんな高齢者達の孤独な心を埋めるために83歳のおじいちゃんは、任務を超えてみんと繋がっていったのです。
少しでも人の温もりを感じてもらおうと、みんなを優しさで包み込んでいったのです。

まとめ

老人ホームにスパイとして潜入した83歳のおじいちゃん。

彼が施設の中で見たものは、家族と離れ孤独に生きる高齢者達の姿でした。

残された時間が長くないからこそ、みんな家族と一緒に残りの時間を過ごしたいのです。

老人ホームで暮らす高齢者達の心の奥を見ることができる作品、それがドキュメンタリー『83歳の優しいスパイ』です。