病気の母親と暮らしながらベイツ・モーテルを経営するノーマン・ベイツ。優しそうで好青年なノーマンは、口うるさく彼に厳しくあたらる母やの面倒を見ながら生活を送っていました。そんなノーマンの経営するベイツ・モーテルに1人の女性客が。4万ドルを結んだという秘密を抱える女性にノーマンは興味を抱くようになったのです。
『サイコ』作品情報
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タイトル | サイコ(Psycho) |
監督 | アルフレッド・ヒッチコック |
公開 | 1960年9月4日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間49分 |
Rotten Tomat
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
4万ドルを追って
ヒッチコックの『サイコ』。
物語の最初は不動産会社に勤めるマリオンという女性が、会社のお金である4万ドルを盗むところから始まります。
マリオンはそのお金を持って恋人のサムが住む街を目指す。
途中で偶然会社の社長にあったり、警察官に声をかけられたりとドキドキしながら車を走らせ続けます。
『サイコ』の前半はお金を盗んだマリオンがどうなってしまうのか?
そんなサスペンスが続きます。
サムの元を目指すマリオンは途中で雨宿りのために、ベイツ・モーテルに泊まることにしました。
しかしここでマリオンは殺されてしまうことになります。
マリオンを殺したのは誰なのか?
私たちはそんな疑問を抱きつつも、物語は4万ドルに引き戻されてしまいます。
マリオンがいなくなったことで彼女を探す妹や恋人のサムや私立探偵。
みんなベイツ・モーテルを経営するノーマンが4万ドルを奪ったのではと思いながら、ノーマンのいるベイツ・モーテルを訪れます。
しかし、実際ノーマンはマリオンが4万ドルを持っていることなんて知りませんでした。
彼女が新聞紙に包んだ4万ドルにも気がつかず、彼は4万ドルをマリオンの遺体とともに沼に沈めてしまいます。
ノーマンにとって4万ドルなんてどうでもいいことだったのです。
そしてそれは『サイコ』の監督ヒッチコックにとっても同じです。
みんなんが4万ドルを必死で追う中で、ある出来事がその裏で起きていたのです。
4万ドルの裏に隠された真実。
それはベイツ・モーテルの裏にそびえる、ノーマンの住む屋敷の中にあったのです。
母と息子
ノーマン・ベイツが経営するベイツ・モーテル。
その裏にはノーマンと母親が暮らす屋敷が建っていました。
母親は病気で姿を見せませんが、このホテルに泊まったマリオンは母親の声を聞きます。
それは息子ノーマンを罵倒する言葉で、息子に対して厳しい母親でした。
そんなノーマンに同情したのがマリオンでしたが、ノーマンは母親を捨てることはできないと言います。
マリオンが「施設に入れれば」ということを遠回しにノーマンに伝えた時、初めてノーマンは恐ろしい顔を見せました。
しかしその裏でノーマンはマリオンという女性に惹かれています。
彼女の部屋を事務所から覗くほど、孤独なノーマンにとっては魅力的な女性でした。
そんなマリオンは、ホテルで殺されてしまいます。
彼女を殺したのは女性。
しかもノーマンが母親に「血だらけだ」という言葉を投げかけるのが、ノーマンの住む家から聞こえてきます。
どう見てもマリオンを殺したのは母親なのです。
息子に嫉妬した母親がマリオンを殺してしまった。
視聴者にそう思わせながら映画は進むのですが、最後に驚きの展開が待っていました。
途中の展開も明らかに母親が怪しいと見せていましたが、実際にマリオンを殺したのは。。。。
ノーマンと母親の関係。
それが『サイコ』の全てなのです。
気が狂ったとか精神病のという意味のある『Psycho』。
母親は病気だというノーマンの言葉から、母親が「サイコ」なのかと思いましたが、本当のサイコはノーマンでした。
5歳から母親と2人で暮らしてきたノーマン。
厳しく独裁者の母親のもとで育てられたノーマンは、長く母親と暮らしたことで母親なしでは生きれなくなっていました。
ノーマンはノーマンと母親の2人で1人になったのです。
そして最後ノーマンはついに母親になってしまいました。
4万ドルの裏に書くされた本当の物語。
それは異常な母と息子の物語だったのです。
まとめ
マリオンがシャワーを浴びながら殺されてしまうという有名なシーンがある『サイコ』。
恐怖を煽る音楽とその映像で、ドキドキする展開がずっと続きます。
しかし物語の前半に感じた恐怖はやがて違う恐怖に。
最後の最後にベイツ・モーテルで起きていた本当の出来事を知ることになります。
そしてそれは私たちを恐怖に陥れる、母と息子の関係だったのです。