人種差別の実態を撮り続けるアフリカ系女性監督のドラマ『ボクらを見る目』


『グローリー/明日への行進』でアフリカ系女性監督として初めてアカデミー賞監督賞にノミネートされたエイヴァ・デュヴァーネイ。人種差別の実態を撮り続けている彼女が手がけたドラマが『ボクらを見る目』です。1989年に起きた冤罪事件。有罪となってしまったのは14歳〜16歳のまだまだ子供の少年たちでした。

『ボクらを見る目』作品情報

タイトル ボクらを見る目(When They See Us)
放送 2019年5月31日
シーズン 4話
製作国 アメリカ

セントラル・パーク・ファイヴ

1989年4月19日NYのマンハッタンにあるセントラルパークで、ジョギング中だった女性が襲われ性的暴行を受けるという事件が発生します。

女性は一命はとりとめましたが、瀕死の状態で回復後もかなりの後遺症が残ってしまいました。

同じ頃セントラルパーク内には、アフリカ系アメリカ人やラテン系の少年たちが「ワイルディング 」を行うために集まっていました。

ワイルディング とは当時黒人やラテン系の少年たちの間で、「集団で大暴れ」しようという集まりでしたがそれは暴力行為に繋がってしまうこともありました。

この日のワイルディング でも人を殴ってしまったり、パーク内を走る自転車を妨害してりすることが起きていました。
そしてこの行動により警察が呼ばれ、多くの少年たちが警察に連れていかれました。

その中の4人の少年が、突然女性暴行事件の容疑者にされてしまいます。
さらに友達のためにたまたま警察に付き添っていた少年も、容疑者にされてしまいました。

容疑者にされてしまった5人の少年。
マスコミは彼らのことをセントラル・パーク・ファイヴと呼び、注目を浴びる事件となりました。

当時この5人は14歳〜16歳少年です。

何も分からないまま警察に尋問され、容疑者にされてしまい彼らは裁判で有罪になってしまったのでした。

少年たちから奪ったもの

警察は最初から少年5人を犯人だと決めつけ尋問を始めます。
しかも少年達を騙して。

親が来る前に尋問を受けた少年もいて、彼らは何が起きているのか全く分かっていない状況でした。
しかも警察官に何時間も尋問され、食事も与えられず精神的に追い詰められて行きます。

そして「家に帰してやる」という言葉に騙され、彼らはやってもない事件を自白してしまいました。

これが決め手となりなんの証拠もないのに、彼らは有罪になります。

そして1989年14歳〜15歳の少年は少年拘置所に入れらてしまいました。
さらに当時16歳だった少年は、大人と同じ刑務所に入ることになります。
彼らは無実の罪で6年〜14年服役することになりました。

あの日、ほんの出来心で向かったセントラル・パーク。
それらが彼らの運命を変えてしまいました。
野球が好きな少年・トランペットが好きな少年・女の子とデートしていた少年など、普通の少年だったのに彼らの少年時代はそこでストップしてしまいます。

人生において楽しくもありまた1番大切な時期でもある少年時代を刑務所で5人は過ごしました

彼らを見る目

彼らがなぜ、容疑者にされてしまったのか。
それは貧困や母子家庭などという生活や家庭環境でした。

それだけで犯罪者と決めつけられたのです。

しかも第2話には現在のアメリカの大統領トランプも登場します。
不動産王としてお金持ちだった彼は、連日テレビで「死刑復活」を訴えていました。
少年達を死刑にしようとしていたのです。

新聞の広告欄に「死刑復活」「警察復活」の広告を出したほどでした。

家庭環境や生活状態だけで犯罪者にされてしまい、しかも警察の捜査は犯罪者ありきで捜査されていました
恐ろしい実態がそこにはあったのです。

彼らを見る目は常に偏見の中にあったのです。

しかもそれは仮釈放で刑務所を出てからも続きます。
性犯罪者として多くの制約があり、まともな仕事に就くことさえできません。

社会に戻ってきたときには彼らを待っていた状況は厳しいものでした。
そこには彼らの居場所はなかったのです。

またたった1人大人と同じ刑務所に行くことになってしまった16歳の少年は、刑務所内でも偏見の目で見られてしまいます。

どこにいても彼らを見る目は、冷たく厳しい状況だったのです。

家族だけが彼らを信じ温かい目で、息子が帰って来るのを待ち続けていたのでした。

まとめ

2002年に再捜査されるまで13年にも渡って冤罪の罪を着せられていた5人の少年たち。

彼らの恐ろしい日々を描いたのがドラマ『ボクらを見る目』です。

特に16歳のコリーが戦い続けた苦悩は、見ていると心が痛くなってしまいました。

まだ子供だった5人が受けた傷は、私たちの想像を絶するものです。

怒りと苛立ちが募るドラマ『ボクらを見る目』ですが、これは本当に起こった出来事なのです。