『羊たちの沈黙』の前の世界を描いた『レッド・ドラゴン』。ハンニバル・レクターを捕まえたFBI捜査官のウィル・グレアム。今度は彼がレクターの力を借りながら「噛みつき魔」の事件解決に挑みます。ここでは噛みつき魔に影響を与えたウィリアム・ブレイクについて調べて見ました。
『レッド・ドラゴン』作品情報
タイトル | ハンニバル(Red Dragon) |
監督 | ブレット・ラトナー |
公開 | 2003年2月8日 |
製作国 | アメリカ/ドイツ |
時間 | 2時間4分 |
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あらすじ
FBI捜査官ウィル・グレアムは、連続殺人の捜査のため、精神科医のハンニバル・レクター博士に助言を受けていた。
だが、偶然目にしたものからレクターが犯人であると判明、苦闘の末に逮捕する。
しかし、これが影響して精神的疲労が募り、現役を引退。
今は家族とフロリダで静かに暮らしていた。
そんな彼のもとをある日、元上司のジャック・クロフォードが訪れる。
彼はウィルに、最近起きた二家族惨殺事件の捜査協力を願い出た。
一度は断るウィルだったが、殺された家族の状況を知るうち捜査に加わるようになる。
それでもなかなか犯人像を割り出せないウィルは、やむなく拘禁中のレクターのもとへ意見を聞きに出向くのだが…。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/239755)
ウィリアム・ブレイク
イギリスの詩人であり画家であるウィリアム・ブレイク。
ブレイク自身は自分にはヴィジョンと呼ばれる幻視能力があると言っていました。
そしてその能力を使い、預言書や詩を書き絵を描いていました。
ウィルに捜査依頼を受けたレクターは「赤い胸の駒鳥は楽園に怒りを導く」という詩を教えます。
この言葉を頼りにウィルはウィリアム・ブレイクに行きつきます。
そして彼の描いた「レッド・ドラゴンと太陽をまとう女」の絵を見つけたのでした。
連続殺人事件の犯人であるダラハイドはこの絵に感銘を受け、自分がレッドドラゴンになろうとしました。
つまり神になろうとしたのです。
幼い頃虐待を受け続けた彼は、強くで強靭なレッドドラゴンになることで醜いと言われ続けた自分から生まれ変わろうとしていたのです。
ウィリアム・ブレイクとハンニバル
ウィルから「レッド・ドラゴン」と聞き、ウィリアム・ブレイクに詩を口にしたハンニバルは普段からウィリアム・ブレイクの詩を読み絵に触れていたのでしょう。
まだハンニバルが捕まえる前。
彼はウィルに対して「芸術レベルの想像力を持った者」だとウィルのことを評価していました。
そしてその想像力はハンニバル自身も持っていると考えています。
その共通点からハンニバルはウィルに興味を持ったのです。
2人の共通点である想像力。
これはウィリアム・ブレイクが持っていると言われたヴィジョンなのかもしません。
ウィリアム・ブレイクは神や悪魔は人間の心に潜んでいると考えていました。
彼はヴィジョンを使い目に見えない真実を描いていました。
その1つが「レッド・ドラゴンと太陽をまとう女」でした。
ハンニバルはそんなウィリアム・ブレイクの人間の奥に潜む悪魔とい考えに共感したのかもしれません。
そしてハンニバルには彼なりの方法で自分のヴィジョンを使って、人間の奥に潜む悪魔を見つけていたのかもしれません。
犯罪心理学者であるハンニバル。
彼の能力はウィリアム・ブレイクの描く絵と同じだったのかもしれません。
まとめ
『ハンニバル』シリーズである『レッド・ドラゴン』。
この作品では『羊たちの沈黙』の前のハンバル・レクターについて描かれていました。
また彼の持つ能力の1つ想像力はキーワードとなっていました。
そしてその想像力はウィリアム・ブレイクの持っていたヴィジョンと重なります。
だからこそハンニバルは心の奥に眠る悪魔を持った犯人を見つけることができるのです。