お隣さんが大学のフラタニティの寮になってしまい騒音に迷惑する夫婦の戦いを描いた『ネイバーズ』。製作と主演を務めたのがセス・ローゲンだけあってたくさんの映画やドラマの名前が登場しました。ここでは『ネイバーズ』に込められた映画やドラマ愛を振り返ってみたいと思います。
『ネイバーズ』作品情報
タイトル | ネイバーズ(Neighbors) |
監督 | ニコラス・ストーラー |
公開 | 2015年1月24日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間37分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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静かな住宅街へ引っ越してきたマックとケリーは、幼い娘と一緒に穏やかな日々を過ごしていた。
ところがある日、隣に男子学生たちが引っ越してくる。
平穏な生活が乱されることを危惧し、リーダーの学生テディにこれ以上の騒動はやめるように夫婦は進言、テディも了承するが、何があっても警察への通報はやめることを条件に出される。
しかしテディらは夫婦の忠告も空しく、さらに騒々しさを増してパーティーを繰り広げる始末。
腹を立てたマックは警察に通報してしまうのだが、今度はテディら若者たちが夫婦に対し嫌がらせを繰り返し始め…。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/351338)
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フラタニティ
マックとケリー夫婦の隣に引っ越してきたのは大学のフラタニティの寮でした。
日本では聞き慣れない言葉「フラタニティ」。
これはアメリカの大学にある学生社交クラブのことです。
部活やサークルとは違う社交クラブ。
映画やドラマの中のイメージではパーティ三昧の印象が強いですが、実際はボランティアや地域コミュニティ活動なども行っています。
「フラタニティ」は男子学生の社交クラブの名前で女子学生のクラブは「ソロリティ」と呼ばれています。
誰でもが入れるわけでなく各フラタニティから招待状が届き、入会の試験に合格しなければなりません。
きつい試験をパスして入会できると仲間を「兄弟」と呼び合う強い絆で結ばれる事ができるのです。
マックとケリーの隣に引っ越してきたのは「デルタ・サイ」と呼ばれるフラタニティです。
社交クラブの特徴の1つとして名前にギリシャ文字が使われています。
「デルタ」という文字を見てマックはすぐにフラタニティだと気がついていました。
彼らは自分たちのhouse(寮)を持っていて、仲間はみんなそのhouseで共同生活を送るのも特徴の1つです。
『ネイバーズ』で描かれたフラタニティ「デルタ・サイ」は案の定パーティ三昧のクラブでした。
マックとケリーにとっては彼らと騒音を巡って激しい戦いの日々が始まったのです。
デルタ・サイの映画愛
『ネイバーズ』は製作がセス・ローゲンということもあってたくさんの映画が登場します。
映画が大好きなセス・ローゲンらしいなと思ってしまいました。
マックとケリーとデルタ・サイの仲間が楽しんだパーティー。
そこでマックとデルタ・サイの会長テディは「バットマン」について話をします。
「バットマンで誰を想像するか?」
大学生のテディがクリスチャン・ベールで社会人のマックはマイケル・キートンでした。
世代差を感じる答えになっていましたが、どちらも大ヒットしたバットマンシリーズの主人公です。
マイケル・キートンはティム・バートン監督のバットマンシリーズでバットマンを演じました。
一方クリスチャン・ベールはクリストファー・ノーラン監督のバットマンシリーズでバットマンを演じています。
パーティで学生たちと仲良くなったマックとケリーでしたが、騒音に耐えられず警察に通報してしまいました。
それがバレてしまい学生たちは夫婦に嫌がらせをしてきます。
その1つが庭の植木の形を勝手に変えてしまいます。
この時「『シザーハンズ』みたいだろ」と言っていましたが、これはシザーハンズの中で主人公のシザーハンズが家の植木を挟みを使っていろんな形にします。
『シザーハンズ』の中では喜ばれていましたが、学生がやったのは卑猥な形だったため、マックたちは怒っていました。
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さらにデルタ・サイの寮で行われた「ロバート・デ・ニーロ」パーティ。
学生たちがいろんなロバート・デ・ニーロの映画の役に仮装したパーティでした。
テディは『タクシー・ドラバー』のトラヴィスです。
有名なセリフ「You talking tome?」となんど口にしていました。
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副会長のピートは『ミート・ザ・ペアレンツ2』のジャック・バーンズ。
スクーニーは『レイジング・ブル』のジェイク・ラモッタに。
しかしスクーニーはなぜか『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』でアル・パチーノ演じた陸軍の中佐の口癖である「Hoo-ah」と叫びます。
これに対しケリーはすぐに「それある・パチーノでしょ」と突っ込んんでいました。
そしてそのロバート・デ・ニーロの仮装パーティーの中で黒人の学生ガーフだけはサミュエル・L・ジャクソンに変装していました。
マックに「君は誰?」と聞かれて『ジャッキー・ブラウン』のサミュエル・L・ジャクソンと答えていました。
しかしガーフがマックに言ったセリフは『ジャッキー・ブラウン』ではなくて違うサミュエル・L・ジャクソンのセリフでした。
ガーフが口にしたのは『パルプフィクション』のサミュエル・L・ジャクソンのセリフで、これもマックに突っ込まれていました。
ガーフが口にしたのはサミュエル・L・ジャクソン演じる殺し屋が相手を殺す前に口にする旧約聖書「エゼキエル書」25章 17節でした。
それ以外にもマックとケリーが友達のジミーとともにテディ達にいじめられている学生を口説いている時にジミーが『ゼロ・ダーク・サーティ』のセリフを言っていました。
次々と登場する映画のタイトル。
映画好きの人には笑いが止まらないシーンになっていて、セス・ローゲンの映画愛を堪能する事ができます。
マックとケリー夫婦のドラマ愛
『ネイバーズ』には映画だけでなくドラマのタイトルもたくさん登場します。
マックとケリー夫婦はとてもドラマ好きのようでヒットドラマをたくさん見ていました。
二人が引っ越してきたテディに挨拶に行った時、自分たちがイケてる夫婦だとアピールするのに「『ゲーム・オブ・スローンズ』を見てる」と言っています。
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しかしテディ達はこの言葉にはピンときてなかったようです。
なんとかして隣の学生を追い出したいケリー。
彼女はドラマ『ジ・オフィッス』を見ていた時の「女より兄弟」という言葉で次の作戦を思いつきました。
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ドラマを見ていたのはマックとケリーだけではありません。
学生たちもドラマを見ていました。
いじめられっ子はテディに対して「自分はリア・ミッシェルじゃない」と反抗します。
リア・ミッシェルはドラマ『glee/グリー』のなかで周囲から浮いた学生を演じていました。
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初めて反抗的な態度を見せたいじめられっ子に対してテディは「俺の部屋で『Girls』でも見てきなよと」優しい言葉をかけます。
この言葉に感動したいじめられっ子は自分がマックとケリーに操られていたことを全て白状してしまったのでした。
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ラストにはマックとケリー夫婦がどれだけドラマが大好きかが分かるシーンがあります。
それは子供をドラマの主人公にしてカレンダーを撮影していたシーンです。
二人の子供は『ブレイキング・バッド』のウォルター・ホワイトに仮装していました。
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さらに「次はドン・ドレイパーよ」とケリーが言います。
ドン・ドレイパーとはドラマ『マッドメン』の主人公のことです。
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子供をドラマの主人公にしてカレンダーを作るとは二人が本当にドラマ好きなんだと感じます。
どれも大ヒットしたドラマなので、海外ドラマ好きの人は「そのドラマ知ってる」と『ネイバーズ』を見ながら楽しくなったと思います。
まとめ
お隣さん同士の戦いを描いた『ネイバーズ』でしたが、この映画にはたくさんの映画やドラマに対する愛を感じる映画になっていました。
映画大好きなセス・ローゲンらしいセリフばかりで、彼がたくさんの映画やドラマを見ていることを感じることができます。
映画やドラマ好きにとっては作品以上にセリフに登場する映画やドラマのタイトルが気になってしまうかもしれません。
もちろん映画の内容もおバカな笑いがたくさんありながらも、最後には心温まる作品になっていました。