世界的に大ヒットした映画『フランケンシュタイン』。フランケンシュタイン博士に作られた怪物の寂しさと切なさが描かれ、世界中の多くの人が怪物の孤独に心を打たれました。またこの作品の怪物の容姿が、フランケンシュタインの容姿として一般的に広まるようになりました。
『フランケンシュタイン』(1931年)作品情報
タイトル | フランケンシュタイン (Frankenstein) |
監督 | ジェイムズ・ホエール |
公開 | 1931年5月21日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間10分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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永遠の生命を追い求めるフランケンシュタイン博士は、幾つかの死体を組み合わせて人造人間を造り上げることに成功した。
だが、その頭蓋に収められたものは、殺人者の狂った脳髄だった……。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/20399)
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フランケンシュタインの怪物
メアリー・シェリーの小説「フランケンシュタイン」を映画化したのが1931年に公開された『フランケンシュタイン』です。
世界中で大ヒットし、いまの私たちの思い描くフランケンシュタインのイメージはこの映画から誕生しました。
しかもフランケンシュタインとは怪物を作り出した博士の名前で、『フランケンシュタイン』の中では怪物には名前もありません。
しかしいつしかフランケンシュタインというと博士ではなく怪物をイメージするようになったのは、この映画の怪物が強烈だったからだとも言われています。
怪物を演じたのはボリス・カーロフで、彼はこの作品をきっかけにモンスター役として世界中で有名になりました。
そして彼の独特な頭や顔の形が、フランケンシュタインの怪物として定着することになります。
博士によって作られた人造人間としての孤独が視聴者の心を掴み、またその孤独ゆえの悲しさや苦しみの表情が多くの人の心に残りました。
そんな怪物を演じたボリス・カーロフと同様にこの映画で怪物のメイクを担当したジャック・P・ピアースも有名になりました。
まだ当時はメイクアップ担当という職は確立されていない中、ピアースはその第一人者としてモンスターメイクを手がけました。
そして彼は「額が大きく突き出ていて、首にボルトの刺さった」怪物を誕生させました。
『フランケンシュタイン』に登場した怪物は、モンスターの定番となり世界中の人に知られるモンスターとなったのでした。
ファンに愛されるフランケンシュタインの怪物
フランケンシュタインバストコイン銀行としてのボリス・カーロフ
フランケンシュタイン博士の欲望として作り出された怪物。
博士は怪物を誕生しさせたことで、神の気持ちを感じることができたのでした。
しかし博士の作った怪物は、博士の思い通りにはいきませんでした。
殺人犯の脳を移植された怪物は、凶暴性を持って誕生してしまったのです。
それゆえに博士にさえも殺されてしまいそうになります。
醜い容姿というだけで人間から恐れられ、追い詰められてしまう怪物。
映画の中では怪物は人間に憎まれれる存在でしたが、当時を『フランケンシュタイン』を見た多くの人が怪物のファンになりました。
博士のエゴによって誕生した怪物は、自分を作り出した父にさえも愛されなくなってしまいます。
その時に見せる怪物の悲しそうな目と表情。
その切なさが映画を見ている人を釘付けにしました。
またたった1人で森の中をさまよう怪物の孤独。
その姿に心を打たれたファンも多くいました。
映画のラストでは、人間によって風車小屋に追い詰められ燃やされてしまいましたが、怪物は多くの人の心の中で生き続けました。
そしてフランケンシュタインとして世界中で有名になり、1931年の公開から多くの月日が流れても今だに愛される存在となっていったのでした。
まとめ
怪物フランケンシュタインが誕生したのは、1931年の映画『フランケンシュタイン』が大ヒットしたからで、フランケンシュタインのイメージもこの映画が始まりでした。
多くの人から恐れられるモンスターではなく、孤独がゆえに多くの人に愛されるキャラクターとなったフランケンシュタイもここからスタートしました。
世界中で愛され根強いファンを持ち続けるフランケンシュタイン。
その原点となる映画がこの『フランケンシュタイン』なのです。
ぜひこの映画でその始まりに触れてみてください。