『バットマン』の続編『バットマン リターンズ』でバットマンの前に現れたのはペンギン男とキャットウーマンでした。どちらも心に傷をおった悲しい人物で、彼らは温もりを求めていただけでした。ペンギン男を操った本当の敵は別にいたのです。
『バットマン リターンズ』作品情報
タイトル | バットマン リターンズ(BATMAN RETURNS) |
監督 | ティム・バートン |
公開 | 1992年7月11日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間06分 |
Rotten Tomatoes
『バットマン リターンズ』あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
悲しき男ペンギン男
バットマン リターンズ 1/4スケールアクションフィギュア ペンギン(ダニー・デヴィート)
幼い頃、普通の子供と姿が違ったため川に捨てられたペンギン男。
彼は下水道の下でペンギンとともに育たれれました。
長年下水道で暮らしいたペンギン男は、地上で暮らす家族に憧れを抱きます。
そして家族の絆が深まるクリスマスについに地上に姿を見せました。
彼の目的はたった1つ。
「両親を探したい」それだけでした。
そして自分の本当の名前を知りたかったのです。
両親に「なぜ自分を捨てたのか?」ということを聞きたいという思いもありましたが、
ペンギンは自分も人間として暮らしたいという願いを心に持っていたのでした。
そんなペンギンの心を利用したのが、実業家マックス・シュレックでした。
自分の利益のために、ペンギン男を利用し市長にしようと企みます。
しかしその作戦に失敗するとあっさりとペンギン男を捨ててしまいます。
これで親に捨てられ相棒と思っていたマックス・シュレックにも捨てられてしまったペンギン男の復讐心に火がついてしまいます。
ゴッサムシティの住民に直接手を下したのはペンギン男ですが、ゴッサムシティに潜む真の悪は実業家マックス・シュレックだったのです。
バットマンによって倒されたペンギン男。
最後は彼の唯一の仲間であったペンギンが彼の死を見送りました。
ゴッサムシティの住民を苦しめようとしたペンギン男は確かにバットマンの敵でしたが、寂しさや悲しい運命だったなと切なくなってしまう最後でした。
キャットウーマン
リビングデッドドールズ LDD presents バットマン リターンズ キャットウーマン
ペンギン男ともう1人バットマンの前に現れたのがキャットウーマンです。
彼女もまたバットマンの敵でしたが、ペンギン男同様マックス・シュレックによって人生を変えられてしまった女性でした。
自分が何ものなのかわからなくなる中、マックス・シュレックを追い詰めるキャットウーマン。
そんなキャットウーマンに対してバットマンは「自分と似ている。僕たちは人格が二つに引き裂かれている」と言って彼女の前でマスクをとります。
しかしキャットウーマンはマックスに復讐を果たし、バットマンの前から姿を消したのでした。
彼女もまた心に傷を負った悲しい女性でした。
ペンギン男・キャットウーマン・バットマンみんな心に傷をおい、普通の暮らしができなくなってしまった人たちです。
同じ境遇の3人でしたが、ちょっとしたことでその立場は変わってしまい全く違う人生を生きることになったのです。
『バットマン リターンズ』のバットマンの敵を見ているととても切なくなってしまいます。
マックス・シュレック
『バットマン リターンズ』の中で1番の悪者は、マックス・シュレックでした。
ペンギン男を操り、キャットウーマンになる前のセリーナの命を奪ったマックス。
彼は自分の息子に残す財産のために、ゴッサムシティを自分の手に収めようとしていました。
自分のことと自分の息子のことしか考えていないマックス。
姿の醜いペンギン男やマスクをかぶったキャットウーマンやバットマンでもなく、人間の普通の姿をした彼こそが1番の悪だったのです。
住民はそれを知らずすっかり彼に騙されてしまいました。
彼の裏の顔を知っていたのは、ペンギン男・キャットウーマン・バットマンの3人だけだったのです。
マックスによって騙されたペンギン男やキャットウーマンは、彼の犠牲者でもあったのです。
彼を倒したのはキャットウーマンでした。
バットマンはマックスに対しては何もすることができませんでした。
ある意味ペンギン男&キャットウーマンvsマックス・シュレックの戦いだったのかもしれません。
まとめ
ティム・バートンが描く『バットマン』シリーズ第2弾の『バットマン リターンズ』。
ティム・バートンらしい作品で、彼の得意とする世間からはみ出してしまった人物に焦点を当てた物語になっていました。
屋敷のこもるバットマンも世間には馴染めない男です。
ペンギン男・キャットウーマン・バットマンという世間のはみ出し者たちの戦いでもあり、それと同時に切なく見終わった後に寂しさが残ってしまう物語でもありました。