フランスの大統領シャルル・ド・ゴールを狙った暗殺事件。映画の冒頭で描かれる暗殺未遂事件は実際に起こった出来事でした。殺し屋ジャッカルを雇ったところからフィクションとして描かれるジャッカルの日』は最後まで緊張が続くサスペンス映画になっています。
『ジャッカルの日』作品情報
タイトル | ジャッカルの日(The Day of the Jackal) |
監督 | フレッド・ジンネマン |
公開 | 1973年9月15日 |
製作国 | イギリス/フランス |
時間 | 2時間23分 |
Rotten Tomatoes
『ジャッカルの日』あらすじ
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暗殺に向けて用意周到に行われる準備とパリ警察の地道な捜査をリアリティたっぷりなディティールで克明に描いた社会派サスペンスの一級品。
ドゴール暗殺のクライマックスは、実際に起こらなかった事が判っているにもかかわらず物凄い緊迫感で迫る。
(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=10302)
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シャルル・ド・ゴール大統領
フランスの第18代大統領シャルル・ド・ゴール。
第二次世界大戦パリが陥落した時ロンドンに亡命しますが、ロンドンで自由フランス軍を樹立します。
その後自由フランス軍を率いてフランスに戻り連合軍と戦い、パリを解放したのでした。
そしてシャルル・ド・ゴールはフランスのレジスタンスとして、臨時政府の首相になったのでした。
その後一度首相を辞任しましたが、1959年に大統領となりました。
その頃フランスの植民地であったアルジェリアでは独立運動が起き激しい戦いが繰り広げられていました。
右翼系の人たちやOASという武装組織の人たちは、アルジェリアの独立に反対していましたがシャルル・ド・ゴール大統領はアルジェリアの独立を承認しました。
このことに怒ったのがOASの人たちです。
そして彼らはシャルル・ド・ゴール暗殺を計画します。
実際に映画の中で描かれていたように1962年8月にはパリ郊外でシャルル・ド・ゴールの乗っていた車がじゅうで乱射されてしまいます。
しかしなんとシャルル・ド・ゴールは無事だったのです。
映画の冒頭で描かれるこのシーンは実際に起きたことです。
もちろんその後のジャッカルが登場するところからはフィクションですが、シャルル・ド・ゴールはOASの暗殺計画で実際に命を狙われていたのです。
頭脳vs頭脳
シャルル・ド・ゴールを狙う殺し屋のジャッカル。
そしてそのジャッカルを捕まえようとするフランスのクロード・ルベル警視。
この二人の頭脳の戦いが始まります。
フランスに入国するために偽装パスポートや免許証を用意し、計画を練っていました。
それに対してシャルル・ド・ゴールのイニとが狙われていると知って呼び出されたロード・ルベル警視は、ジャッカルが何者かを見つけることから始まります。
何人かも分からない警視は、各国に電話をかけジャッカルの国籍を見つけ出したのでした。
ジャッカルが用意周到に淡々と準備を進める中、警視やイギリスの警察たちは地道な作業でジャッカルの正体を暴いていきます。
逃げるジャッカル追いかけるルベル警視。
交互に見せられる画面によって二人の頭脳戦はとても緊張感が走ります。
私たちはシャルル・ド・ゴール大統領が暗殺されていないと知っているのに、なぜだか緊張が最後まで止まりません。
ジャッカルは警察の裏をかきながら、ついにシャルル・ド・ゴールに銃を向けます。
その頃、ルベル警視もある部屋の異変に気がつき走り出します。
ジャッカルの銃は確実にシャルル・ド・ゴール大統領を狙っています。
しかも彼に向かって銃を撃ちました。
たまたまシャルル・ド・ゴール大統領がおじぎした事で、弾は当たりませんでした。
そしてもう1回銃を撃とうとした時、ルベル警視が部屋に飛び込んできたのでした。
このラストの瞬間までドキドキが止まりません。
特にジャッカルが大統領に銃口を向けてからはその緊張感がマックスになります。
結末がわかっているのに、こんなにも緊張感を与える作品。
それはジャッカルとルベル警視の頭脳戦が作り上げたものでした。
まとめ
大統領を暗殺しようとするサスペンス映画の『ジャッカルの日』。
犯人と警察の知恵比べが緊張感を煽り、最後まで一瞬も目が離せない展開になっています。
淡々と進む物語の中で、必死にジャッカルを探すルベル警視。
どんな手を使ってでも彼を見つけ出し、大統領を守ろうとする彼の意地が伝わってくる作品でもありました。
最後の最後まで楽しめる作品で、暗殺を阻止した後もジャッカルという男の謎は続きます。