1980年代を代表する作品の1つ『E.T.』は、世界中で大ヒットし今もなお多くの人に愛され続けている作品です。それと同時にこの作品はスティーヴン・スピルバーグ監督にとっては、とても個人的な作品で、彼の作品『未知との遭遇』の続編の位置付けでもあったのです。
『E.T.』作品情報
タイトル | E.T.(E.T. The Extra-Terrestrial) |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
公開 | 1982年12月4日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間55分 |
[box class=”red_box” title=”アカデミー賞受賞”]・作曲賞
・視覚効果賞
・音響賞
・音響編集賞[/box]
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『未知との遭遇』から『E.T.』へ
スティーヴン・スピルバーグ監督は『E .T.』の前、1977年に公開された『未知との遭遇』ですでに宇宙人が地球にやってくる物語を製作していました。
そしてこの『未知との遭遇』の撮影中に、『E .T.』の構想は生まれていました。
『未知との遭遇』のラストでは宇宙人は宇宙船で去っていきますが、もしこの宇宙人が地球に残ったらどうなるだろうかという発想から『E .T.』は誕生しました。
実際スピルバーグは『未知との遭遇』遭遇の続編も考えていましたが、なかなか良いアイディアが浮かびませんでした。
そこで大人の視点で描いた『未知との遭遇』を、今度は子供の視点で描きなおそうと考えました。
なので『E .T.』はある意味『未知との遭遇』の続編であり、監督自身もそのつもりで製作しています。
『E .T.』の仮のタイトルが『A BOYS LIFE』だったことからも、この作品のポイントが子供視点であることが分かります。
なので物語の中で途中までエリオットの母親以外大人の顔は画面に映りません。
『未知との遭遇』では主人公がUFOに取り憑かれていく姿が描かれていましたが、『E .T.』では宇宙人と交流を深める子供の純粋な心が描かれています。
その子供のピュアで真っ白な心を描くために、あえて大人の顔が認識できない演出になっていました。
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スピルバーグ監督の個人的な物語
スピルバーグ監督にとって映画『E .T.』は『未知との遭遇』の続編であると同時に、私的で個人的な映画でもありました。
監督はこの作品はSF映画ではなく、ファミリー映画だと言います。
『E .T.』は宇宙人を描きながら孤独な少年の物語でもあり、そしてその孤独な少年にはスピルバーグ監督自身の経験が重ねられていました。
『E .T.』の主人公エリオットの両親は離婚寸前で、家に父親の姿はありません。
彼は「父親がいてくれたらいいのに」と思いながら寂しさを感じていました。
スピルバーグ監督もまたエリオットと同じ歳の頃に両親が離婚していて、彼がその頃感じた寂しさや空虚がエリオットの元になっていたのです。
「E.T」はバラバラになりつつあったこの家族に絆をもたらし、さらには子供たちに自信を持たせ家族を再生させました。
それこそがスピルバーグ監督が作りたかった映画でした。
監督は最初から「E.T」を怪物(モンスター)にしないと決めていました。
「E.T」はエリオット達家族にとって友人であり父親でもあったのです。
だからこそ映画『E.T』はファミリー映画であって、いつの時代も多くの人に愛され続ける映画なのです。
まとめ
少年と宇宙人の友情を描いた映画『E.T』は、スティーヴン・スピルバーグ監督がずっと描きたかった宇宙人と家族の作品で、形を変えた『未知との遭遇』の続編的作品にもなっていました。
心温まる映画が求められた1980年代前半という時代とマッチし、SF映画を超えて家族の絆を描いた『E.T』は大ヒット映画となります。
そしてそれはどんな時代にも受け入れられ、今もなおたくさんの人の心を潤している物語なのです。