映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の裏に込められた本当のメッセージ


探偵映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』。ダニエル・クレイグが探偵を演じ、お屋敷の中で起きた殺人事件の犯人を見つけていく物語です。王道の探偵映画ですが、登場人物達のセリフは今のアメリカ社会を反映させているようでした。監督がこの映画に込めた本当の意味をセリフを通して見ていきたいと思います。

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』作品情報

タイトル ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(Knives Out)
監督 ライアン・ジョンソン
公開 2020年1月31日
製作国 アメリカ
時間 2時間11分

Rotten Tomatoes

あらすじ

NY郊外の館で、巨大な出版社の創設者ハーラン・スロンビーが85歳の誕生日パーティーの翌朝、遺体で発見される。

名探偵ブノワ・ブランは、匿名の人物からこの事件の調査依頼を受けることになる。

パーティーに参加していた資産家の家族や看護師、家政婦ら屋敷にいた全員が第一容疑者。

調査が進むうちに名探偵が家族のもつれた謎を解き明かし、事件の真相に迫っていく―。

(出典:https://longride.jp/knivesout-movie/)

「移民」というキーワード

ダニエル・クレイグ扮する探偵ブランが屋敷で起きた事件を解決するのが、『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』ですが、この映画の裏テーマはすばり「移民」でしょう。

登場人物達が何度も「移民」というセリフを口にします。
犯人探しとは全く関係中で口にされる「移民」。
それは今のアメリカ社会を映し出しているようでした。

まず物語のキーマンとなる看護師のマルタ。
彼女は移民の子供です。
マルタ自身は法律的には何の問題もありませんが、彼女の母親は違法入国です。

さらにドライズデール一家は移民に対して会ををしています。
移民を強制的に追い出すのは可愛そうという者もいれば、不法移民は返すべきだという者。
移民について家族で激しく口論していましたが、マルタが遺産を相続すると分かると一家全員がマルタの母親のことを脅しのネタに使うほどです。

さらにラストではクリス・エヴァンス扮するダメ息子のランサムは「自分の家の財産は自分達自身で作り上げてきたものだ」とマルタに向かって言います。
そして「よそ者なんかに渡さない」と吐き捨てました。

この言葉こそ今のアメリカ社会で起きている現実を表す言葉です。
屋敷の中に入り込んできた移民の看護師。
その看護師に家の屋敷をはじめ財産が全て渡ってしまうと分かった時のドライズデール一家の姿。
これはアメリカ社会で起こっている移民に対する差別そのものを描いているようにも見えました。

アメリカ社会への警告

この時代にこの作品を作り上げたことは、監督の今の社会に対する警告だと感じます。
アメリカの今の移民政策をドライズデール一家で表現しているように見えました。

さらにハーランの孫のジェイコブ。
ずっとスマホばかり見ている少年は、ネットを通して過激な発言を行っている青年でした。
これもまた今の社会問題でもあります。

ネットで政治的に過激な発言を繰り返すことでつながる人たち。
差別発言で度々注目されています。
しかもそれがいきすぎてしまうとテロに繋がってしまう危険性もあります。
ジェイコブは世界中に潜む危険性を持った少年の1人でもあるのです。

またもうハーランの孫1人の孫のメグも今時の女の子です。
マルタと仲が良いのかと思っていたら、あっさりと家族にマルタの母親のことをバラしてしまいます。
さらに家族がもめている様子をスマホで録画していました。
映画の中では描かれていませんが、もしかするとその動画をSNSに投稿してしまうかもしれません。

探偵映画の中に込められた監督の今のアメリカを映し出しているのが、『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』です。

犯人が分かったら、今度は家族の会話など各登場人物に注目すると、監督の込めたメッセージが見えてくるはずです。

まとめ

探偵映画ですが、今の社会を映し出す風刺的な作品になっていた『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』。

何度か登場したマグカップの「My House My Rules My Coffee」。
この言葉がこの映画を色んな意味で表現していました。

それぞれが違う意味で考える「My rules」。
自分のことだけでなく、相手のこと思うハーランドのようなルールであって欲しいという監督の思いが込められた作品になっていました。