殺し屋ルーパーとして暮らすジョー。彼の仕事は30年後の未来から送られてくる人を殺すことです。しかし彼の前に現れたのは30年後の自分。しかも30年後の自分は、現代の自分がいる世界に逃げ出してしまいました。自分が生き残るために残された道、それは未来の自分を殺すことだけなのです。
『ルーパー』作品情報
タイトル | ルーパー( Looper) |
監督 | ライアン・ジョンソン |
公開 | 2013年1月12日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間53分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
西暦2044年と西暦2074年年
西暦2074年。
この時代はタイムトラベルが開発されていました。
しかしそれは法律で禁止されています。
そこで犯罪組織は密かに30年前の世界に殺したい相手を送り、2044年の世界で人殺しを行うことを考えだしたのです。
なぜななら、2074年は死体の始末がほぼ不可能になってしまっていたからです。
身元追跡調査で殺人がすぐにバレてしまうのです。
2044年の世界で2074年から送られてきた相手を殺す仕事はルーパーと呼ばれています。
主人公のジョーもそんなルーパーの1人でした。
ルーパーはターゲットを殺すことで2074年の人間からお金を受け取ります。
ただし、ルーパーを辞める時には、30年後の自分を殺さなければいけないという決まりがありました。
それがルーパーになる時の契約です。
30年後の自分を殺すことをループを閉じるといい、彼らはお金を受け取って残りの30年の人生を楽しみます。
ジョーもループ閉じた時は、そのつもりでいました。
しかし彼は30年の間に1人の女性と出会い恋に落ちました。
ジョーはこの女性と幸せな暮らしを送り続けたいと思っていたのです。
そんな時に30年後がやってきてしまいます。
それは自分が30年前に送られる日。
彼は妻と別れることに悲しみを感じていましたが、その時妻が殺されてしまうのです。
このことがきっかけとなり、ジョーは30年前に戻り妻を殺した組織のボスを殺そうと決めます。
その人物は2074年の世界でレインメーカーと呼ばれる男。
ジョーは2044年の世界でレインメーカーになる前の男を殺し、妻を守ることを決めたのでした。
全てを守るために
自分のためだけに今まで生きてきたジョー。
幼い頃に母親に捨てられた彼は、その後犯罪に手を染めルーパーとして生きることになりました。
自分を守るためだけに生きている彼は、自分のためであれば親友でさえも平気で売ってしまう人物です。
そんなジョーを変えたのが、上海で暮らすようになってから出会った女性でした。
彼女に一目惚れしたジョーは、恋におちやがて彼女と結婚します。
そしてジョーは生まれ変わろうと決意したのです。
しかし、彼の過去はジョーが生まれ変わることを許しません。
今まで彼がやってきたことは、愛する妻の命さえも奪ってしまうことだったのです。
そして復讐の鬼と化したジョーは、過去に戻り妻を殺したレインメーカーを殺そうとします。
自分勝手に生きている若いジョーにとっては、自分が未来で出会う女性の命など関係ありません。
彼は未来の自分を殺し、30年間を楽しく生きれればそれでよかったのです。
しかし30年後の自分が幼いシドを殺そうとしている姿、シドを守る母親を殺そうとしている姿を見れいるうちにジョーは悟ります。
これがレインメーカーを生み出してしまう負の連鎖だと。
全ての根源は自分だったのです。
母親に捨てられ犯罪の道に進んだ自分のように、母親が殺されればシドもまた悪の道に進んでしまうとジョーは感じたのです。
そしてそれは、自分が将来愛するはずの女性を殺してしまうことになるのです。
全てを悟ったジョーは、負の連鎖を断ち切るために自分が死ぬことを決めます。
そうすればシドもシドの母親も助かり、30年後の自分の妻も生き続けます。
彼は全てを守るために、初めて人のために生きることを選んのでした。
まとめ
30年後の世界からやってきた自分と戦ううちに、現在の自分が選んだ道。
それは未来を変えることでした。
彼は自分の命を引き換えに、負の連鎖を断ち切ったのです。
2074年が明るい未来になっていることを願いながら倒れたジョー。
そんなジョーの切ない人生が描かれているのが、映画『LOOPER/ルーパー』なのです。