映画『ウォール街』で描かれたインサイダー取引と企業買収


投資家と証券マンの物語を描いた『ウォール街』。投資と企業買収で大儲けする投資家ゴードン・ゲッコー。彼に憧れお金持ちになることを夢見るバド・フォックス。ゲッコーと出会い大金を手にするようになったバドでしたが、それと同時に失うものも多かったのです。ここではバドを通して彼の人生を狂わせた出来事を見ていきたいと思います。

『ウォール街』作品情報


ウォール街 [Blu-ray]

タイトル ウォール街(Wall Street)
監督 オリバー・ストーン
公開 1988年4月16日
製作国 アメリカ
時間 2時間6分

Rotten Tomatoes

あらすじ

一攫千金を夢見る若き証券マン、バドは、業界のフィクサー的存在である大富豪ゲッコーに取り入ろうと必死だった。

父の勤める航空会社の情報を流したことによって、その夢はかなえられ、バド自身も大金を手にするが……。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/2367)

アカデミー賞
・主演男優賞:マイケル・ダグラス

インサイダー取引

インサイダー取引は金融商品取引法で規制されています。
インサイダー(insider)とは内部関係者という意味で、インサイダー取引とは会社の関係者が会社の情報を外部に漏らし、その情報をもとに株の売買を行うことを言います。

映画『ウォール街』の中ではバドは父親から航空事故の原因はブルースター・エアラインになかったことを教えてもらいます。
運行停止が解除され新たに2つの新路線がオープンすることを知りました。

そしてその情報をゴードン・ゲッコーに伝えたバド。
その情報をもとにゴードン・ゲッコーはブルースター・エアラインの株を買うことに決めました。

この一連のやりとりがまさしくインサイダー情報による取引になるのです。

ゴードン・ゲッコーと取引できることに喜びを感じたバドは、それを機にどんどん悪に手を染めていきます。
清掃会社を通じて企業の情報を持っている弁護士事務所に侵入し、企業情報を次々とゲッコーに与えました。

その見返りにバドは夢がだったお金持ちの仲間入りを果たしますが、それと同時に失ってしまうものもたくさんありました。

その1つが父との関係でした。
お金儲けのためにバドは父親務めるブルースター・エアラインを買収しようと考えます。
ゲッコーとともにブルースター・エアラインの立て直しを図るつもりでした。

しかしゲッコーは立て直しなど考えていません。
買収したブルースター・エアラインを解体し売りさばいて儲けようとしていたのです。

その事実を知った時に初めてバドは自分が利用されていたことを知り、自分の失ったものに気がつきました。

父親や同僚の先輩社員が何度もバドにアドバイスをしてくれていたのに、彼はそれに最後まで気がつかず、気付いた時には騙されたあとだったのです。

企業買収

投資家のゴードン・ゲッコーは投資だけでなく企業買収も行い多額のお金を手にしていました。

映画の最初の方で描かれるのは、テルダー製紙を買収しようとします。
株主総会に出席したゲッコーは株主たちの前で「欲は善です」と言いました。

彼にとって欲は正しいものであり、自分を導いてくれるものだったのです。
ゲッコーにとっては投資も企業買収もマネーゲームでしかないのです。

同じ投資家のラリー・ワイルドマンに対してライバル心をむき出しにするのもその1つです。
ワイルドマンはアナコット製鉄を立て直ししよと考えていましたが、バドにより情報を得たゲッコーはアナコット製鉄の株を買いまくり株価を釣り上げました。

結局ワイルドマンは高値でゲッコーからアナコット製鉄を買収することになってしまいました。
立て直しを考え設備投資のために用意していたお金を買収に回すことになってしまったのです。

その状況をそばで見ていたバドでしたが、今度は自分がワイルドマンと同じ目にあってしまいそうになったのです。

マネーゲームでしかないゲットーにとってはアナコット製鉄やブルースター・エアラインで働く人やその家族のことは関係なかったのです

ゲットーに裏切られて初めてそのことに気がついたバド。
自分の犯した罪を償いためにも、ブルースター・エアラインを救うことにしたのです。

欲に取り憑かれて道を誤ってしまったバド。
ゲッコーにとっては「欲は善」なのかもしれませんが、バドにとっては欲は悪であり人生を狂わせるものでした。

まとめ

投資家によるインサイダー取引について描いた『ウォール街』。
どのようにしてインサイダー取引が行われているのかを見ることができる映画です。

「欲」の表と裏を描いた作品でもあり、欲に取り憑かれてしまった男たちの悲しい物語でもありました。

「欲」とはなんなのか?
一瞬で何億もの大金を手にするものもいれば、その欲によって人生を失うものもいます。
また彼らのマネーゲームの駒でしかない人たちもいるのです。

資本主義が作り出す欲というものにまみれた世界。
そんな世界の一コマを描いたのが『ウォール街』でした。