『隠し砦の三悪人』と『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』を比べてみた

『スター・ウォーズ』に影響を与えたとして有名な黒澤明監督の映画『隠し砦の三悪人』。1958年に公開されたこの作品が、主役のキャラクターをオリジナルとは変えて2008年に樋口真嗣監督によって『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』としてリメイクされました。ここではそんな2本の作品を比べてながら物語を見ていきます。

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『隠し砦の三悪人』


隠し砦の三悪人

タイトル 隠し砦の三悪人
監督 黒澤明
公開 1958年12月28日
製作国 日本
時間 2時間19分

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戦に負けた侍大将が姫を連れて同盟国の地へ逃げるまでを描いた映画『隠し砦の三悪人』。

この作品はあのスター・ウォーズ』に影響を与えた作品として有名です。

『隠し砦の三悪人』の中に出てくる百姓の又七と太平は、いつも一緒に行動しながら何かあればすぐに喧嘩をするし、計画を立てれば毎回失敗するしと役ただずで間抜けな二人組ですが、どこか憎めないキャラクターでもあります。

そんな2人をもとにしてジョージ・ルーカス監督は『スター・ウォーズ』に登場するR2D2とC3POを作り出しました。

さらに三船敏郎が演じる侍大将とともに敵である山名の追ってから逃げる秋月の姫は、『スター・ウォーズ』に出てくるレイア姫に影響を与えました。

そんなハリウッド映画に大きな影響を与えた『隠し砦の三悪人』ですが、この映画の中で有名なシーンは三船敏郎が演じる真壁六郎太が馬に乗って敵を追いかけるシーンです。

手綱を離して手には刀を持ち、足で馬の腹を挟みながら敵を追いかけるシーンは圧巻のシーンですが、もちろんこれは三船敏郎本人が演じています。

しかも三船敏郎はこれまで馬に乗ったこともなかったそうで、それなのに映画の中ではすごい馬さばきで殺陣のシーンを行なっているのには驚かされます。

またその後の槍での戦いでも見事な槍さばきで、迫力のあるシーンを見せてくれています。

『隠し砦の三悪人』は三船敏郎の凄さとそれとは真逆のコミカルな百姓コンビが重なり合うことで、緊張感とユーモアのある面白い作品になっていました。

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三船敏郎全映画 (映画秘宝COLLECTION)

『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』


隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS

タイトル 隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS
監督 樋口真嗣
公開 2008年5月10日
製作国 日本
時間 1時間58分

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映画『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』は戦に負けた秋月の侍大将が姫を連れて早川を目指すという黒澤明版と同じシナリオですが、物語の中で起こる出来事が少しずつ変わっていて、また後半の展開は元の映画とは違うストーリーになっていました。

黒澤明版は三船敏郎が演じる真壁六郎太が主人公ですが、『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』は松本潤が演じる金掘りの武蔵が主役になっています。

武蔵は黒澤明版にはいないキャラクターですが、『隠し砦の三悪人』に出てくる百姓の又七と太平がもとになっていて「THE LAST PRINCESS」では、武蔵と木こりの新八となっています。

この武蔵を主役にしたことで、元の映画よりも「身分の差」を強く描いストーリーに変わっていました。

又七と太平ほどコミカルな2人組ではなく、武蔵は男くさいキャラクターになっていて、それが物語の後半で武蔵と雪姫のちょっとしたラブストーリーへと発展しています。

又七と太平は『スター・ウォーズ』のR2D2とC3POのモデルですが、「THE LAST PRINCESS」では椎名桔平が演じた山名の鷹山の鎧姿は、なんとなく『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーを思い出せるものになっていました。

また劇中では所々に黒澤明版で印象に残ったセリフや歌が使用されていますが、その中でも「裏切りごめん」というセリフは元の映画とは違う使われ方をしていて、「THE LAST PRINCESS」ではこの言葉は大きな意味を持つセリフでした。

『隠し砦の三悪人』とは違う主役にしたことで描かれる視点が変わり、姫と民の階級の違いをテーマにした作品が『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』です。

まとめ

黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』と樋口真嗣監督の『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』は、話の流れは同じでありながら、主役を変えたことで物語のテーマが大きく変わっていました。

それぞれのキャラクターや役者の存在が際立っているのが『隠し砦の三悪人』、身分の違いというテーマをはっきりと打ち出したのが『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』です。

2つの作品を見比べると50年という時代の流れの中で、どのように作品が変化したのかを知ることができると思います。

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