映画史上最も有名なオープニングの1つである007シリーズ。
そのオープニングによって視聴者は一気に007の世界へと引き込まれます。
そんなオープニングを手掛けたのは、タイトル・デザイナーのモーリス・ビンダーです。
彼は長年に渡り007のオープニングを作り続け、1つの世界を確立したのです。
\\シリーズ19タイトルを収録したBOXセット//
ガンバレル・シークエンス
007の冒頭の銃口(ガンバレル)のシーンは、とても有名なオープニングです。
このオープニングを作ったのは、タイトル・デザイナーのモーリス・ビンダーでした。
白い点が画面を横切り銃口に変わるシーンですが、最初多くの人が銃口だとは気が付きませんでした。
モーリス・ビンダーは銃口をレンズに見立て、銃身の向こうに英国紳士が映し出されます。
それが007のトレードマークとなり、観客はこのオープニングを見るだけで007の世界に浸る準備ができるのです。
タイトル・デザイン
モーリス・ビンダーはガンバレル・シークエンスだけでなく、その後のオープニングのタイトル・デザインも手がけています。
主題歌に合わせて裸で踊る女性のシルエット。
これもまた007シリーズの見どころの1つで、毎回本編の内容を暗示する映像になっています。
007 ドクター・ノオ
ガンバレル・シークエンスの白い点から続くオープニングは、白い点がカラフルな点に代わり画面の中に次々と大中小の様々なドットが現れます。
そしてリズムが変わると踊る男女のシルエットが現れ、最後に杖をついて歩く男性3人のシルエットになり、それが本編映像へと繋がっていくのです。
007 サンダーボール作戦
「007 サンダーボール作戦」で再びオープニング・タイトルを手がけたモーリス・ビンダー。
このオープニングでは、水の中で優雅に泳ぐ裸の女性のシルエットが映し出されます。
水中の泡も演出の1つとして使用されていました。
007は二度死ぬ
日本が舞台となった「007は二度死ぬ」では、傘の骨組みとその後ろに女性の顔のアップから始まります。
そして物語を暗示する火山の爆発へと続きます。
さらに日本が舞台とあって画面に映る女性は芸者のシルエットになっていました。
女王陛下の007
2代目ジェームズ・ボンドの登場となった「女王陛下の007」。
時計の針が逆回りに回り始めると、砂時計に過去の007の作品が映し出されます。
それには演じる俳優が変わっても、ジェームズ・ボンドという意味が込められていました。
007 ダイヤモンドは永遠に
「007 ダイヤモンドは永遠に」のオープニングでは、タイトルを暗示するようにダイヤモンドを身につけた女性の体が映し出されます。
またダイヤモンドを首輪にしたブロフェルドが可愛がっている猫も登場します。
007 死ぬのは奴らだ
燃え上がる炎の中に裸の女性が登場する冒頭。
女性の顔がどんどんアップになっていくと同時に、交互に頭蓋骨のアップも映し出されます。
007 黄金銃を持つ男
水面に映る女性の顔のアップから始まるオープニング・タイトル。
その後タイトルの「007 黄金銃を持つ男」を表した黄金の銃が映り、そして揺れる水面に裸の女性が登場します。
007 私を愛したスパイ
「007 私を愛したスパイ」で、初めてジェームズ・ボンドがオープニング・タイトルに登場しました。
オープニングの最後のイギリス国旗のパラシュートを包み込むように女性の手が映ると、画面にアクロバティックな銃を持った女性のシルエットが登場します。
そしてその女性の後に同じく銃を持ったロジャー・ムーアが出てきます。
007 ムーンレイカー
「007 ムーンレイカー」は前作にも登場した敵の用心棒ジョーズがサーカスの屋根に落ちるとシルエットになり、オープニング・タイトルが始まります。
女性のシルエットがシャトルのようになっていて、物語の内容を暗示しています。
007 ユア・アイズ・オンリー
「007 ユア・アイズ・オンリー」のオープニング・タイトルには主題歌を歌うシーナ・イーストンが登場します。
歌うシーナ・イーストンの唇が少しずつアップになっていくのは、とても印象的なシーンでした。
007 オクトパシー
007という文字が女性の体を這い回るオープニング・タイトル。
ロジャー・ムーアの体に銃を持った何人もの女性の腕が絡みつくシーンは、本編に登場する女性だらけの島を示しています。
007 美しき獲物たち
今までになくサイケデリックなオープニング・タイトルでは、顔や体にペインティングを施した女性達が魅惑的に踊っています。
主題歌はデュラン・デュランの歌う「A View to a Kill」ですが、Dance into the fire という歌詞では女性が炎の中で踊っています。
007 リビング・デイライツ
サングラスのレンズや車のヘッドライトの中で踊る女性のシルエットや、銃を持った女性が登場します。
最後はグラスの中にいる銃を持った女性の映像で終わるオープニング・タイトルになっていました。
007 消されたライセンス
モーリス・ビンダーが手がける007シリーズ最後のタイトル・デザインとなった「007 消されたライセンス」。
カメラのレンズの中の映像から始まり、力強く踊る女性達が登場します。
最後はカメラのレンズの中に戻って終わるという円環のような構造になっているオープング・タイルでした。
まとめ
007のオープニングの世界を作った男モーリス・ビンダー。
彼は14作品にもわたって007のオープニング・タイトルを作成しました。
また彼の作ったガンバレル・シークエンスはその後の007シリーズ作品でも使用されて続けています。
天才モーリス・ビンダーは007の世界を作り上げ、亡くなった後も007作品に携わり続けているのです。