アメリカ軍の基地を侵略した地球外生命体。彼らは人間の体内の養分を吸い取り、人間の姿をした侵略者と生まれ変わります。姿は人間だけど、中身は地球外生命体。感情を持たない彼らには個人というものがなく、種族として反映することだけを望んでいるのです。そんな彼らは軍の侵略に成功すると、その手をアメリカ全土に伸ばし始めたのです。
『ボディ・スナッチャーズ』作品情報
タイトル | ボディ・スナッチャーズ(Body Snatchers) |
監督 | アベル・フェラーラ |
公開 | 1994年2月18日(アメリカ) |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間27分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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従軍研究者である父について弟と共に基地に移住した孤独な少女は若い下士官に恋をする。
彼女の友人のアル中の母をはじめ、次々と周囲の人間の様子に異変が生じる。
下士官と共に真相を探る少女は、宇宙生物によって基地が乗っ取られつつあるのに気づく……。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/21558)
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侵略者
環境調査をするために軍の南部地区に引っ越すことになったマーティの家族。
彼女は基地に向かう途中で、軍人に「やつらはそこにいる 至る所に」と脅されます。
しかも男は「寝ている間に襲う」と言いました。
男の言葉の意味が分からないマーティでしたが、それは地球を侵略しにやってきた地球外生命体のことだったのです。
すでに基地では侵略が始まっていました。
基地内の池にはたくさんの繭が隠されていて、その繭の中には卵があり地球外生命体が栄養を求めていたのです。
彼らの栄養は人間の体内を構成する養分。
繭から触手が伸びると、その触手は寝ている人間の鼻や口の中に侵入していきます。
そしてその触手を通して人間の体内の養分を吸い取り、繭の中の卵に養分を送るのです。
栄養を送られた生命体は、卵の中でどんどん大きくなります。
そして人間の養分を全て吸い切ると、栄養を吸った人間の姿になりすますのです。
彼らは人間の体を容器にしていたのです。
養分を吸い取られた人間は、皮だけになりその後ゴミとして捨てられてしまいます。
そうやって地球外生命体は、少しずつ地球を侵略していたのです。
個人のない世界
人間になりすました彼らは、次々と人間を襲い自分たちの仲間を作っていきます。
彼らには感情はありません。
体を奪われた人たちは、無表情で過ごしています。
そして人間を見つけると集団で襲いかかり、人間を捕まえるのです。
そんな地球外生命体の目的はもちろん、地球を征服すること。
彼らは自分たちの仲間を増やし続けます。
しかし彼らの言う仲間とは「己を捨てること」。
個人を捨てることなのです。
彼らが大切にしているのは自分たちの種族で、個人ではありません。
彼らの仲間になることに最後まで抵抗した軍医は、自分自身であり続けることを選びました。
軍医に仲間になれと迫る地球外生命体の集団は、自分たちと違う人を許しません。
その姿は恐ろしく、それと同時にかなりの圧力を軍医に与えます。
軍医はその圧力にどんどん押されてしまいますが、それは集団圧力・同調圧力のようにも見えました。
仲間でない人を彼らは差別することも傷つけることもありません。
しかし彼らはプレッシャーをかけ、自分たちの仲間にしてしまいます。
彼らの仲間になった途端、人間としての自我は消えてしまいます。
そしてみんな同じになってしまうのです。
自分自身を持ちながら相手も尊重できる、それが人間です。
自分と違う人に対して自分を捨てさせること、それは相手を侵略することなのです。
まとめ
「自分たちを受け入れれば仲間になれる」と人間を侵略し続ける地球外生命体。
彼らには自己はなくただ自分の仲間の繁栄を望む生物です。
しかしそれは感情のない世界でもあり、同時に無機質な世界を作ることにもなってしまいます。
色んな考えの人が共存しているからこそ、私たちは今の生活を送ることができるのです。
そしてそれが人間の社会なのです。