33年ぶりに帰ってきたアキーム王子。クイーンズで愛する人を見つけたアキーム王子は、ザムンダ王国に戻ると妻と3人の娘と一緒に暮らしていました。若い頃王子は国を変えると意気込んでいましたが、30年経った今では国王の父親と同じように古い習慣に従って暮らしています。そんなアキームに新しい世界を作ることを教えたのは、蔑ろにされている人物達でした。
『星の王子 ニューヨークへ行く2』作品情報
タイトル | 星の王子 ニューヨークへ行く2(Coming 2 America) |
監督 | クレイグ・ブリュワー |
公開 | 2021年3月5日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間50分 |
Rotten Tomatoes

あらすじ
舞台は緑豊かなザムンダ王国。
新国王アキームと忠実な友、セミは偉大なるアフリカウィ出て、すべてが始まった場所、ニューヨークのクイーンズ地区へと再び旅立つのである。
新たなドタバタと冒険の旅が今、始まる
(出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B08XKB55TC)
蔑ろにされた者達の逆襲
若い頃古い習慣に逆らい、自分の愛する人と結婚したアキーム。
しかしあれから30年経った現在、彼はそのしきたりに囚われていました。
アキームの娘ミカは幼い頃から王女になるために訓練をしてきましたが、その想いは父親に受け入れてもらえませんでした。
またザムンダ王国では女性が商売することを禁止されています。
女性達は夢を持っていてもそれを口にすることもできなかったのです。
一方、アキームの婚外子とされるラヴェル は育ちや話し方で毎回チャンスを奪われる生活を送っていました。
彼らは世間から蔑ろにされた生活を送っていたのです。
誰かが決めた古い習慣やしきたりに縛られ中身ではなく環境で判断されてしまう社会で居場所を失っていたのです。
しかし、『星の王子 ニューヨークへ行く2』ではそんな虐げられた人たちが、立ち上がります。
自分たちを追い詰めるものに立ち向かい、新しい風を起こしたのです。
彼らは自分たちの存在価値を認めさせようと戦い、そして彼らは自分の居場所を掴み取りました。
そんな彼らの姿を見ていつしか保守的になっていたアキームは、自分の若い頃の気持ちを思い出します。
そして新たなザムンダ王国を作り始めたのでした。
カルチャー
当時のカルチャーをブラックジョークにしていることが、『星の王子 ニューヨークへ行く』の魅力の1つでもありましたが、30年以上経った『星の王子 ニューヨークへ行く2』でももちろんそれは健在です。
前半からいきなり『アラジン 』でジーニーを演じたウィル・スミスに対して皮肉な言葉が。
彼はジーニー役で全身を青く塗ったことが話題となり炎上していましたが、そのことをネタにしています。
さらに皮肉は映画業界についても。
ヒーローものとリメイクしかないと、ラヴェルは言います。
さらに「あとは誰も求めていない続編とか」と付け加えました。
「名作映画にわざわざに傷をつけなくていい」というセリフは、今回33年経って続編を作った自分たちの作品に対する自虐的な発言にも聞こえてしまいました。
また前作で登場した4人組の床屋も登場します。
30年前はボクシング談義で熱くなっていましたが、今回もボクシングの話をしていました。
しかし今回話のネタに上がったのはメイウェザーでした。
彼がパッキャオやマクレガーを倒したことを話題に盛り上がっていました。
さらに彼らは相変わらずアキームのことをクンタ・キンテと呼び、それ以外にもネルソン・マンデラや「ライオンキング」の主人公ムファサなど、アフリカネタを口にします。
今回も黒人文化ネタが満載の作品になっていました。
さらにモーガン・フリーマンが登場したり最後にはジョン・レジェンドも登場します。
たくさんの小ネタとサプライズで私たちを楽しませてくれる展開でした。
まとめ
33年ぶりに続編の配信となった『星の王子 ニューヨークへ行く2』。
前作同様黒人カルチャーを詰め込んだ楽しい作品になっていましたが、世間が抱える問題定義も描かれていました。
父親世代となったアキーム達の立場とさらにその子供世代の苦悩。
そんな現実社会をリアルに描いているのが『星の王子 ニューヨークへ行く2』だったのです。