映画『ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト』クリスマスの日、新たな人生の章を歩み始めた家族


「完璧」で理想の家族を求める両親のもとに育ったハーパー。そのため自分がゲイであることを家族に伝えことができません。さらに姉や妹も心に秘めた思いがあり、実は偽りの家族だったのです。ずっと理想の家族を演じてきたハーパー家族でしたが、クリスマスの日本当の自分の姿をさらけ出し、人生の新たな章をあゆみ始めるのです。

『ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト』作品情報


ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト (字幕版)

タイトル ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト(Happiest Season)
監督 クレア・デュヴァル
公開 2021年3月3日
製作国 アメリカ
時間 1時間42分

Rotten Tomatoes

あらすじ

恋人の家族に初めて会う時は大変なもの。

恋人ハーパーの実家に向かうアビーはプロポーズを計画していた。

しかし当日、ハーパー自身がレズビアンであることや彼女たちの関係を家族に隠していると知る。

想定外の事態で家族との初めての対面は、ますます大変なものに!

さらに滞在中、アビーは彼女の家族や友人との交流を見て自分が思っていた人とは違うのではないかと疑問を持ち始める…。

初めて会う家族に認めてもらいたい、自分に正直でありたい、そんな様々な思いを家族それぞれが抱えながらも、クリスマスに家族が集まってくる。

(出典:https://www.sonypictures.jp/he/2467676)

新しい家族の始まり

同性の恋人亜ボート暮らすハーパー。
彼女はクリスマス休暇でアビーを連れて実家に帰りますが、実は彼女は自分がゲイであることを家族にも友人にも伝えていませんでした。

隠し事をしながら家族と接するハーパーを見ながら不安になるアビー。
しかしハーパーにもカミングアウトできない理由があったのです。

それは彼女の両親特に父親は「完璧」な家族を求めていたからです。
それを理解している母親は全て夫に合わせてこれまでの人生を送っていました。

そんな2人が娘3人に期待すること。
それは完璧な娘達だったのです。

長女はそれに応えようと弁護士になりますが、双子を産んだことでキャリアを捨てました。
しかも夫とは別居しているのに、両親に伝えることができません。
なぜなら、カヤリアを捨てた途端両親が素っ気なくなってしまったからです。

一方、ハーパーはそんな両親の期待を一身に背負い、だからこそ両親を悲しませたくなかったのです。

さらに三女は両親が自分に期待していないことを知り、とてもぞんざいな扱いを受けていました。

それぞれが父親を喜ばすために、嘘の自分を演じていたのです。
ハーパーは何度も本当の自分になりたいと願いますが、勇気を出すことができませんでした。

しかしクリスマスの日、彼女は家族に自分がゲイであるこをとカミングアウトします。
ショックを受ける父親。
それを見た姉もまた、「隠し事は終わりにする」と言って自分の現状を家族に伝えます。

さらに三女も「私にも価値がある」と言い、私だって家族の一員と心の声を叫びました。

3人がやっと本当の自分を父親にさらけ出したのです。

そんな娘達に触発された母親も夫に「空手をやりたい」「花は嫌い」と初めて自分のやりたいことを告げます。

「完璧な家族とは何か?」それを一晩考える父親。
それは家族みんなが心から幸せであることだと気がついたのです。

そしてそれが本当の家族の愛だと知ったのです。

クリスマスの日、ハーパー一家は自分のことをカミングアウトし不安で恐怖の瞬間を経験したことで、やっと新しい人生を踏み出すことができたのです。

そしてそこにはアビーの姿もあったのです。

『素晴らしき哉、人生!』

ハーパーと家族から嫌われ、町を1人歩くアビー。
彼女の先には映画館があり、そこでは映画『素晴らしき哉、人生!』が上映されていました。


素晴らしき哉、人生! デジタル・リマスター版 [Blu-ray]

アメリカで1946年に公開されたこの映画は、アメリカでクリスマス映画の代表とされている作品です。

毎年クリスマスが近くなるとテレビで放送され、さらに『ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト』の中で映画館で上映されていたように、クリスマス時期に特別上映されるほどアメリカ人にとっては大切な作品なのです。

しかしハーパーともハーパー家族ともうまくいかないアビーは、この映画を見ませんでした。
でもハーパーがカミングアウトし本当の自分になった1年後。
アビーとハーパーは一緒に『素晴らしき哉、人生!』を見ます。

そこにはハーパー家族も一緒にいます。

両親を亡くしてからクリスマスが嫌いだったアビー。
しかし彼女は新しい家族とともに、『素晴らしき哉、人生!』を見ることができたのです。

また、この『ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト』は、新しいクリスマス映画の仲間入りを果たしました。

長年愛され続けている『素晴らしき哉、人生!』と同じように、家族で楽しく見ることができるクリスマス映画で、笑いあり涙ありのハートフルな作品です。

きっと『素晴らしき哉、人生!』のように、この先長くたくさんの人に愛される作品になっていくはずです。

まとめ

クリスマス映画の仲間入りを果たした映画『ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト』。

それは「本当の自分」というものと「家族」というものを教えてくれる作品でした。

誰かのために偽って生きるのではなく、自分らしく生きることの素晴らしさが描かれています。

自分を曝け出すのは不安で怖いけど、それができたら人生の新しい章を始めることができるのです。