『ザ・シンプソンズ』シーズン11第2話「良い子・悪い子・クスリの子」。校長先生に注意欠陥障害と言われてしまったバートは、集中力がアップするという薬を飲むことになってしまいます。これはアメリカが抱える向精神薬の問題を描いたエピソードで、このエピソードはドキュメンタリー『ステロイド合衆国 〜スポーツ大国の副作用〜』にも登場しています。
『ザ・シンプソンズ』シーズン11第2話「良い子・悪い子・クスリの子」
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学校で度のすぎるいたずらをしてしまったために、校長先生に注意欠陥障害だと言われてしまったバート。
学校を退学になるかそれとも薬を飲むを選択されたホーマー夫婦は、バートに薬を飲ませることを選択します。
最初は集中して勉強し始めたバートでしたが、やがて薬の副作用がではじめてしまうのです。
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向精神薬問題
アメリカが抱える向精神薬問題。
それは普通の人々が、集中力アップや気分を落ち着かせるために薬を飲んでいる問題です。
簡単な処方があればすぐに手に入る薬。
時には合法ではなくネットで違法に薬を入手している人もいるほどです。
そしてその薬を今では学生も飲んでいるのです。
それが今回バートが飲むことになった薬ですが、「成績が良くなる」「集中力がアップする」などの広告で薬を飲んで勉強する学生が増えているのです。
そしてその薬は親が子供に飲ませることがほとんどなのです。
このエピソードの中では「フォーカシン」といういかにもな名前の薬でしたが、このような薬をアメリカの学生達が飲んでいます。
もちろん病気の治療として使われる薬でもありますが、問題になっているのは成績を上げるためだけに飲んでいることです。
そしてその薬がもたらす副作用も問題になっています。
今回のエピソードでは薬を飲んだバートは、妄想がひどくなりさらに攻撃的になるという副作用が出ました。
副作用は人それぞれ違いますし、どの程度は明らかになってない部分もあります。
それでもやはり子供が薬漬けになってしまうことは問題であり、また副作用の影響も心配されているのも事実です。
『ステロイド合衆国 〜スポーツ大国の副作用〜』に登場
『ザ・シンプソンズ』シーズン11第2話「良い子・悪い子・クスリの子」はドキュメンタリー映画『ステロイド合衆国 〜スポーツ大国の副作用〜』の中に登場します。
このドキュメンタリーはステロイドを使用するアメリカ人を描くエピソードでしたが、この中で学生が勉強のために薬を飲んでいることも描かれていました。
さらに今回のエピソードが登場するシーンは、大リーグが抱える薬物問題のシーンで使われています。
『ザ・シンプソンズ』シーズン11第2話の中にホームラン王のマーク・マグワイアが登場します。
このエピソードは1999年に放送されましたが、マグワイアは1998年・1999年とホームラン王になっています。
しかも最多本塁打を記録しています。
しかしやがてステロイドを使用していたのではということが分かり、大きな問題になりました。
『ステロイド合衆国 〜スポーツ大国の副作用〜』の中では、そんな大リーグの抱える薬物問題にフォーカスを当てていました。
今回の『シンプソンズ』のエピソード でマグワイアが「ホームランが見たいだろ」と言ってバート達の前でホームランを打つシーンが、ドキュメンタリーの中で意図して使用されているのです。
まとめ
アメリカの抱える薬物問題を描いた『ザ・シンプソンズ』シーズン11第2話「良い子・悪い子・クスリの子」。
社会問題となっている子供の薬の使用について踏み込んだエピソードとなっていました。
そしてこのエピソードは、のちに同じくアメリカの抱える薬物問題を描いたドキュメンタリーの中で使用されることになったのでした。