映画『インベージョン』静かで平和な世界 それは人間が人間でなくなった世界だった

争いがなくなった平和な世界。それは誰もが望む世界だったが、しかしその世界は不気味で感情のない世界でもあった。果たして人間にとってどちらがいい世界なのか?そして人間とは一体なんなのか?精神科医のキャロルは、地球外生命体のウイルスに感染した世界を知って初めて人間の本能に気付かされたのでした。

目次

『インベージョン』作品情報


インベージョン(字幕版)

タイトル インベージョン(The Invasion)
監督 オリヴァー・ヒルシュビーゲル
公開 2007年10月20日
製作国 アメリカ
時間 1時間39分

Rotten Tomatoes

あらすじ

(引用:MIHOシネマ

地球外生命体が放つウイルス

スペースシャトルの爆発とともに地球にやってきた地球外生命体のウイルス。

感染すると寝ている間に人間のDNAを書き換えてしまう、恐ろしいウイルスだった。

彼らはやがて地球を支配し始める。
人類は次々と感染して別人になってしまったのだ。

感染しても別人にならないためには寝ないこと。
ただそれしか別人にならない方法はなかった。

感染した人たちは、一見今まで通りと同じ人物だ。
しかし彼らのDNAは書き換えられてしまい、中身は別人だった。

別人にはほとんど表情がない。
みんな無表情で淡々と街を歩いている。

感情がないのでドキドキすることもない。
なので汗もかくことがなかった。

別人がもたらす世界は完全に調和して1つになった世界。
そこは争いもない静かで平和な世界でした

人間らしさとは

地球外生物にによって「別人」が作られたことで世界から戦争が消え始めます。

[box class=”blue_box” title=””]・北朝鮮が核軍縮協定に署名
・インドとパキスタンでが平和協定を締結
・中国では政治犯の釈放
・カブールでの自爆テロが起きていない
・ダルフールで民族紛争の停戦
・アメリカのブッシュ大統領とベネズエラのチャベス大統領の会談
・エイズワクチンを第三世界へ配布
・バグダットから米軍撤退[/box]

別人に乗っ取られた地球では次々と争う事がなくなり、平和な世界になっていきます。
それは貧困も殺人もなく苦しみのない世界なのです。

彼らの世界には「他人」を傷つける者はいません。
なぜなならそこには「他人」がいないからです。

それは人間が望み続けた平和な世界でしたが、一方で人間らしさが消えた世界でもありました。

人間の中に眠る「ケダモノ」という本能。
犯罪や戦争が消えた世界は人間が人間でなくなった世界だったのです。

しかし彼らにも排除するものがあります。
それは自分の仲間となれない人たちです。

彼らの持ち込んだウィルスに対して免疫を持っている人は、排除されてしまうのです。

「他人」をなくす事は平和をもたらすかもしれませんが、同時に「他人」を排除することでもあったのです。


盗まれた街 (ハヤカワ文庫SF フ 2-2)

まとめ

果たして人間の中に眠る本能とは?

人間らしさを失わないと、平和な世界は実現しないのでしょうか?

技術が進歩するほど、世界で悲劇的なことが起こり続けてしまいます。

しかしいつかそれが変わると信じることができるのも人間なのです。

「人間と世界の平和」それをストレートに描いた作品が『インベージョン』だったのです。

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