DCコミックスの漫画が元になっている映画『ワンダーウーマン』。女性だけのパラダイス島を旅立ったダイアナがたどり着いた世界は第一次世界大戦の真っ只中でした。ダイアナが向かったのは西部戦線、最も激しい戦いが長期にわたり繰り広げられていた無人地帯でした。ここでは『ワンダーウーマン』で描かれる第一次世界大戦を見ていきたいと思います。
『ワンダーウーマン』作品情報
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タイトル | ワンダーウーマン(Wonder Woman) |
監督 | パティ・ジェンキンス |
公開 | 2017年8月25日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間21分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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女性だけが暮らすアマゾン族の島に生まれ育ったプリセンスのダイアナ。
最強の戦士になるべく、日々過酷な訓練に打ち込んでいた。
そんなある日、外界から隔絶されているその島に、アメリカ人パイロット、スティーブ・トレバーが乗る飛行機が不時着する。
初めて見る男の姿に興味津々のダイアナだったが、スティーブから外の世界では大きな戦争が勃発し、ドイツ軍が開発中の兵器によって破滅の危機が迫っていることを知る。
そこで自らドイツ軍の恐るべき野望を阻止すべく、スティーブとともに島から旅立ち、イギリスへと渡ったダイアナだったが…。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/358186)
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無人地帯(西部戦線)
パラダイス島からロンドンに向かったダイアナ。
彼女がついたロンドンは、第一次世界大戦の真っ最中でした。
ドイツ軍に対して休戦交渉を考えているイギリス議会。
そんな中、ダイアナは軍神アレスを倒せば戦争は終わるはずと信じていました。
そしてダイアナはスティーブに連れられて、アレスの元に向かおうとします。
彼女たちが向かったのは戦争の前線でした。
そこは激しい塹壕戦が行われていた西部戦線です。
この場所を抜けて安全地帯に向かおうとしているスティーブ達でしたが、ダイアナはそこで1人の女性に助けを求められます。
助けてほしい村は無人地帯の向こう側にあります。
村に行くには、無人地帯を通るしかありませんでした。
スティーブはこの場所を「誰も通れない場所。1年戦って2センチしか進めていない。ドイツ軍の機銃が常に狙っている場所だ」とダイアナに説明します。
それでもダイアナは村に残された人を救うために、無人地帯に入って行きました。
このダイアナが足を踏み入れた無人地帯。
実際に第一次世界大戦中に激しい戦いが行われていた場所でした。
連合軍・ドイツ軍ともに塹壕を掘り、硬直した状態が長期に渡って続いていました。
どちらの軍も塹壕を出て前に進めば、敵の激しい攻撃が待っています。
そのために前に進むことがでなかったのです。
一歩も前に進めないために無人地帯(ノーマンズランド)と呼ばれた場所でした。
しかし戦いは続いていたので、多くの兵士達は塹壕の中で長い時間過ごします。
そこは不衛生な場所でもあり、精神面でも兵士たちは追い詰められていったのでした。
化学兵器
第一次世界大戦が今までの戦争と大きく違ったのは、化学兵器が初めて使用されたことでもあります。
この戦いは初めて戦車や火薬、大砲など今までにない兵器が使用されました。
その中でも脅威となったのが毒ガスでした。
『ワンダーウーマン』の中では、イザベル・マル博士が毒ガス兵器を開発していましたが、実際に第一次世界大戦で初めて毒ガスが使用されました。
塩素系のガスが1915年に使用されたことで、ガスマスクが戦地でも必要となります。
それに対してマル博士は、ガスマスクも通用しない水素系の毒ガスを開発していたのです。
マル博士はフィクションですが、実際に毒ガス・ガスマスクの開発はイタチごっこにように続いていました。
マル博士は作られたキャラクターですが、マル博士に毒ガスの開発を依頼していたルーデンドルフ総監は実在の人物です。
彼は第一次世界大戦後半には、ドイツ軍に対するかなりの権力を握っていました。
そして硬直状態の西部戦線をなんとかするために、力を注ごうとしていた人物でもありました。
実際に西部戦線で初めて毒ガスは使用されています。
想像以上に長引いた塹壕戦、しかも両軍ともに動くことができません。
そのために新たな兵器が必要だったのです。
この時イギリス軍は戦車を使用し、ドイツ軍は毒ガスを使用したのでした。
しかしこの毒ガスはあまりにも悲惨な兵器でした。
毒ガスによって多くの兵士が、苦しみながら亡くなりました。
また毒ガスを吸って助かった人でも、その後遺症はひどいものでした。
そのため毒ガスなどの化学兵器は第一世界大戦後には使用禁止となりました。
まとめ
強い女性ヒーローが誕生となった『ワンダーウーマン』。
その舞台となったのは第一次世界大戦でした。
映画の中で描かれた無人地帯や毒ガスなどは、実際に第一次世界大戦中にあったことです。
ダイアナはその中人間を救うために必死で戦おうとしますが、その戦いは人間自身が起こしたものだったのです。
『ワンダーウーマン』の中で描かれる戦争は、実際に起きたことだったのです。