映画『オリエント急行殺人事件 』(2017年)全員をつなげる1つの事件


2017年に公開された大人気小説が原作の『オリエント急行殺人事件 』。豪華寝台列車に乗り込んだ乗客は様々ですが、実はみんなある1つの事件で繋がっていました。それは名探偵ポアロにも関係していた事件でした。誰もが怪しく見えるオリエント急行の乗客達。ここでは全員をつなげる事件を通して乗客を見ていきたいと思います。(ネタバレしていますので閲覧注意です)

『オリエント急行殺人事件 』作品情報


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タイトル オリエント急行殺人事件 (Murder on the Orient Express)
監督 ケネス・ブラナー
公開 2017年12月8日
製作国 アメリカ
時間 1時間54分

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あらすじ

エルサレムで事件を解決した名探偵のエルキュール・ポアロは、イギリスでの事件解決を依頼され、急遽、豪華寝台列車オリエント急行に乗車する。

アメリカ人富豪ラチェットから、脅迫を受けているからと身辺警護を頼まれるが、ポアロはあっさりと断る。

その夜、雪崩で脱線し立ち往生してしまった車内でラチェットが何者かに殺害される。

鉄道会社から捜査を頼まれたポアロは、乗客たち一人一人に聞き込みを開始するが、乗客全員には完璧なアリバイがあることが判明するのだった…。

(出典:http://www.foxmovies-jp.com/orient-movie/)

リンドバーグ愛児誘拐事件

1932年に実際に起きたアメリカの誘拐事件。
その事件が登場するのが『オリエント急行殺人事件 』です。

映画の中ではパイロットのアームストロングの娘が誘拐されて殺された事件となっていましたが、この事件はアメリカで実際に起きたリンドバーグの息子の誘拐事件が元になっています。

大西洋や北太平洋の単独飛行に成功したチャールズ・リンドバーグ。
彼はアメリカでは有名なパイロットでもあり、また飛行の成功により大金を手にした人物でもありました。

1932年のそのリンドバーグの息子が誘拐されてしまいます。
身代金目的の誘拐事件でしたが、事件から3ヶ月ごリンドバーグの息子は痛いで発見されてしまいました。

その2年後に身代金の紙幣が使われたことにより、犯人は逮捕されます。
犯人は裁判で死刑を求刑され、1936年に執行されました。
しかし犯人となった男は犯行当日のアリバイがあり、後に冤罪だったのではとなったのです。

この事件がきっかけに州をまたいだ事件はFBIが捜査するというリンドバーグ法が制定されるなど、全米中で注目される事件だったのです。

1つの事件で繋がる乗客

殺されたラチェットは、アームストロングの娘デイジーの誘拐犯および殺人犯であことがポアロの推理で分かります。

さらに実はポアロも含め列車に乗っていた人物は全員アームストロング家と関わりがある人物だったのです。

・ポアロ:アームストロングから捜査依頼の手紙を受け取る
・アーバストノット医師:アームストロング大佐の友人
・ヘレナ・ゴールデンバーグ:アームストロング夫人の妹
・キャロライン・ハバード夫人:デイジーの祖母
・メアリ・デブナム:デイジーの家庭教師
・ピラール・エストラバドス:デイジーの乳母
・ドラゴミロフ公爵夫人:デイジーの名付け親
・ヒルデガルデ・シュミット:アームストロング家の料理人
・エドワード・ヘンリー・マスターマン:アームストロング家の従者
・ビニアミノ・マルケス:アームストロングの運転手
・ゲアハルト・ハードマン:誘拐事件の捜査を担当した刑事
・ヘクター・マックイーン:アームストロング事件の検察側の責任者の息子
・ピエール・ミシェル :誘拐犯として捕まった無実の女性の兄

全員がアームストロング事件に関わっていた乗客達。
アポロはこの中から犯人を見つけ出したのです。

列車から降りた乗客はアポロの推理を聞く前一列のテーブルに座っています。
そのシーンはレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「最後の晩餐」の絵に似ていました。


ポスター レオナルド・ダ・ヴィンチ 『最後の晩餐』 A2

アポロの推理を聞く前の彼らにとっては、まさしく最後の晩餐だったのかもしれません。

まとめ

全員が容疑者でもあり、全員が1つの事件で繋がっていたオリエント急行の乗客達。

アポロは列車の中で起こった事件を「人殺しを殺す事件」と表現しました。

あなたは容疑者達の中から犯人を見つけることはできましたか?

犯人を見つけ事件を解決したアポロが、悩み苦しんだように事件が解決されてもスッキリしないのが『オリエント急行殺人事件 』です。

心の中になんとも言えない切なさが残ってしまうでしょう。


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