1980年代を一世風靡した『ゴーストバスターズ』。老若男女に愛された作品が2016年に女性版となって復活しました。NYに現れたゴースト。それを退治するゴーストバスターズは全員女性です。現代が抱える女性問題や差別問題を含んだ現代版ゴーストバスターズでは今の社会の現状を見ることができます。
『ゴーストバスターズ』(2016)作品情報
タイトル | ゴーストバスターズ(Ghostbusters) |
監督 | ポール・フェイグ |
公開 | 2016年8月19日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間56分 |
Rotten Tomatoes

あらすじ
ニューヨーク。
名門大学で真面目に教鞭をとる物理学教授のエリン。
ところが、彼女がかつて書いた心霊現象に関する本がネットに出回り、それがバレて最終的に大学を追われるハメに。
原因はエリンの昔なじみで女性科学者のアビー。
今も天才で変人の女性エンジニア、ジリアンをアシスタントに心霊研究を続けていた。
そんな3人はたまたま調査に向かった屋敷でついに本物の幽霊と遭遇、それがきっかけで幽霊退治専門の会社“ゴーストバスターズ”を立ち上げることに。
そこへニューヨークの街を知り尽くす地下鉄職員のパティと、受付係としてボンクラだけどイケメンのケヴィンを加え、いよいよ本格的な幽霊退治に乗り出すゴーストバスターズだったが…。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/355704)
女性版ゴーストバスターズ
1984年に大ヒットした『ゴーストバスターズ』。
1989年には『ゴーストバスターズ2』が作られるほどの大人気作品となりました。
何度も続編の話があった中、2016年についにリブート作品としてファンの元に帰って来ました。
キャストを一新してしかもゴーストバスターズが全員女性になって戻って来たのは、現代に流れなのかもしれません。
しかも受付はイケメンのケヴィン。
演じているのはクリス・ヘムズワースですが、イケメンと素晴らしい肉体だけど頭が足りないという設定になっていて、ここにも現代の女性軽視からの皮肉が込められています。
さらにNYにゴーストを集めようとしている男性は、世間から軽蔑されて嘲られて来た男性でした。
彼は復讐のためにNYにゴーストを集め、世界を破壊しようとしていました。
コメディアンたちが演じているのでとても面白く思わず笑ってしまうシーンがたくさんあるのですが、この作品で扱われていたのは現代の社会で起きている差別でした。
・地下鉄でみんなに声をかけても無視される
・人と違うことを言えばおかしい奴と世間から冷たい目を向けられる
・権力のために事実を隠蔽される
そんな現代社会の異常な出来事が描かれていました。
それに対して受付がイケメン男性なのは、男性というだけで見た目がいいというだけで世間から認められてしまうという皮肉なのです。
中身はどうしようもないなのに、優遇されてしまっている社会に対してのブラックジョークがイケメン受付のケビンの存在でした。
公開前から賛否両論を生んだ2016年版の『ゴーストバスターズ』ですが、そこには今だからこそ作られた作品の意味が込められていたのです。
オリジナルキャスト
新たな作品となった『ゴーストバスターズ』ですが、1984年のオリジナル版への敬意はもちろん忘れていません。
1984年の作品を見たことある方なら、嬉しくなるシーンもたくさんあったはずです。
情報論理協議会の博士ハイスにはビル・マーレイ。
タクシーの運転手にはダン・エイクロイド。
パティのおじさんにはアーニー・ハドソン。
ラストにはホルツマンの師匠ゴーリン博士にシガニー・ウィーバーも登場しました。
さらに緑のゴーストやマシュマロマンなどオリジナル版に登場していたゴーストも健在でした。
そしてエンディングのクレジットの最後にはハロルド・ライミスに捧ぐと書かれています。
彼はゴーストバスターズの1人でしたが、2014年に亡くなってしまいました。
彼は出演だけでなく『ゴーストバスターズ』の脚本も務めていました。
まさに彼が『ゴーストバスターズ』を誕生させたのです。
そのハロルド・ライミス最大の敬意が込められた作品となっていました。
オリジナルキャストやゴーストをカメオ出演させて新旧のファンが楽しめるようになっていたのが2016年版の『ゴーストバスターズ』でもありました。
まとめ
リブート作品として2016年に復活した『ゴーストバスターズ』。
ゴーストバスターズが女性に変わったということで話題にもなりましたが、それ以外にもこの作品にはたくさんの現代社会の差別問題が隠されていました。
しかしオリジナル版に敬意を込めた作品でもあり、懐かしい顔ぶれがたくさん登場するのも面白さの1つです。
1980年代に『ゴーストバスターズ』を楽しんだ人も新たに『ゴーストバスターズ』を見た人も多くの人が楽しみまた考えることのできる作品となっていました。
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