NHKスペシャル『車中の人々 駐車場の片隅で』車内には現代社会の問題が詰まっていた


車内で暮らしていた92歳の女性が亡くなったことから取材を始めた車中生活を送る人々達の暮らし。政府が把握してない人々は全国にたくさんいました。なぜ彼らは車内で暮らすようになったのか?彼らの答えは様々でしたが、現代社会の問題が彼らを車の中へ閉じ込めてしまっていました。

@NHK

『車中の人々 駐車場の片隅で』

私たちに身近な「道の駅」。

実は夜になると様相が一変する。

片隅に目立つのは目張りをした数々の車。

長期にわたり駐車場を転々とする「車中生活者」の車だ。

レジャー目的とは違い「年金だけでは家賃が払えない」「DVから逃れるため」など、それぞれに深刻な事情を抱えていた。小さな車に家財道具を満載し、狭い車内で身体を丸めて眠りにつく。

(出典:https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20200215)

車中生活を送る理由

否応無く選んだ車中

車中生活を送る人には様々な理由がありますが、普通に暮らすことができなくなり車での生活を選んだという人が多くいます。

リストラにより職を失ってしまった男性。
年金だけでは家賃を払うことができず、車中生活を選びました。
それでも生活はギリギリで、お金は手元に残りません。

周囲の人からは生活保護を受けることを勧められましたが、「車を所有していると支給できない」と政府から言われてしまいました。
車を手放すと住む場所もない男性は、寝る場所を確保するために車の中で生活を送っていました。

幼い子供を抱えた母親
夫からの虐待により家を飛び出た若い女性は、まだ幼い子供を抱えています。
ネットカフェなども考えましたが、子供がなくため車で生活をすることにしました。
所持金もほとんどない状態での先の見えない暮らしに、不安を抱えていました。

自ら選んだ車内生活

住む場所がなく車での生活を選んだ人以外に、自ら車内生活を選んだ人もいます。

彼らの多くは社会との繋がりに疲れてしまい、人との関係を断つために車を選びました
家も仕事もあるのに自ら孤独を選んだのです。

年齢を重ねうまく仕事がこなせなくなり会社の中で居場所を失ってしまった男性は、体はきついけど車の中の暮らしは気楽だと言います。
車の中が1番大好きな場所です。

社会に居場所を失なった人が逃げ込む場所が車の中でもあったのです。

NPOの支援

全国に1160ある道の駅。
NHKの調査によるとその中の335の駅で車内生活を送る人がいたという答えが返ってきました。
それは全国の道の駅の29%にあたります。

一方で車内生活を送る人たちに支援の手を差し伸べているNPOの団体もあります。
しかし車内で暮らす人の多くは、最初は支援を拒む人がほとんどです。
長い孤独な車内生活により、心を閉ざしてしまっているのかもしれません。

そんな彼らに対してボランティア団体の人ができることは、時間をかけて彼らと話をすることです。
彼らにできることはそれしかありません。

過去5年間で(2020年2月現在)車内生活を送っていた人の死亡も12事例あります。
高齢者にとっての車内生活は、体に負担がかかってしまいます。

孤独で助けを求められない彼らに対して、行政とのつながりを作るのもボランティアの人たちの仕事でもありました。
彼らの助けにより家でも暮らしに戻った人もいました。

根気よく車内生活を送る人たちと向き合いながら、彼らは支援を続けているのです。

まとめ

様々な理由で車内生活を送っている人たち。
「貧困」「孤立」「無関心」という現代社会の抱える問題が、彼らの車の中には詰まっています。

社会からはじき出されてしまった彼らは孤独な暮らしを送ることで、ますます孤立化してしまい心を閉じてしまいます。

全国にそんな人たちがたくさんいるのに、政府がその実態を把握できていないのも現状です。

この先彼らとどう向き合っていくのか。
そしてまた社会の中から押し出されてしまった人をどう救っていくのか、いまの日本が抱えている大きな問題なのかもしれません。