ドキュメンタリー『飄々 ~拝啓、大塚康生様~』大塚康夫が作った日本アニメの世界


日本アニメ界の重鎮大塚康生。高畑勲や宮崎駿を育てた大塚康生。作画監督として徹底的に動く絵を作り続けた彼のアニメ人生を知ることができるのが『飄々 ~拝啓、大塚康生様~』です。彼が多くの人に好かれる人柄を感じ取ることができる作品にもなっていました。

『飄々 ~拝啓、大塚康生様~』作品情報

タイトル 飄々 ~拝啓、大塚康生様~
監督 宇城秀紀
公開 2015年3月19日
製作国 日本
時間 1時間12分

あらすじ

日本のアニメーションを黎明期から支えたベテランアニメーター、大塚康生のドキュメンタリー。

宮崎駿や高畑勲らと組んで「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1968)、「ルパン三世」(71~)、「パンダ・コパンダ」(72)、「未来少年コナン」(78)などの名作群で作画監督や原画を務めてきた大塚について、ゆかりのクリエイターたちに取材。

その証言をまとめ、制作現場の裏話を通して大塚の人柄に迫っていく。

(出典:https://eiga.com/movie/91451/)

大塚康生

日本アニメ界の重鎮である大塚康生。
たくさんのアニメーターの影響を与えた大塚康生は、その人柄からみんなに慕われています。

作画監督として手がけた作品は多数あり、どれも動きを大切にした絵となっています。

東映動画の第1期生として入社し、1958年の『白蛇伝』に第二原画として携わりました。


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そして小田部羊一や高畑勲が東映動画に入社し、彼の元でたくさんのことを学びました。
高畑勲はドキュメンタリーの中で、「大塚さんが手がける少年猿飛佐助の原画を見せてもらっていた」と語っています。

その後、宮崎駿も東映動画に入社し大塚康生は宮崎駿の直属の上司となり指導に当たりました。

宮崎駿・高畑勲・小田部羊一と今の日本のアニメ界の巨匠たちは、みんな大塚康生の仕事を間近でみながら学んでいったのです。

初の長編アニメの作画監督を務めたのは高畑勲監督の『太陽の王子 ホルスの大冒険』でしたが、興行的に失敗に終わったこともありこの作品を機に東映動画を辞めました。


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東京ムービーに移籍した後は、大隅正秋演出の『ルパン三世』で作画監督とキャラクターデザインを行いました。
『ルパン三世』の世界は武器が大好きだった大塚康生の考えがたくさん反映されている作品でもあります。

しかしこの作品も視聴率が悪く、途中から高畑勲や宮崎駿が加わり作風が変わっていきました。

日本に限界を感じたアニメーター達はアメリカ進出を考えて『リトル・ニモ』の作成に取り掛かります。
大塚康生を始めアニメーター達がアメリカに渡りますが、アメリカの文化や手法に馴染めないアニメーターも出てきます。
結局宮崎駿と高畑勲はこの作品からおりてしまいますが、大塚康生はストーリーボードとしてこの作品を作り上げます。


リトル・ニモ

そしてこの作品を最後に現場から離れていきました。

その後ジブリにも誘われたようですが、高畑勲や宮崎駿のようにきつい状態で仕事をすることは難しいと考え誘いを断りました。

大塚康生はその優しい人柄から多くの後輩に慕われ、また多くの後輩に動くアニメを教えました。

大塚康生の作品

大塚康生が手がけた作品はいくつもありますが、ここではまだ記載していない作品をいくつか紹介したいと思います。

『わんぱく王子の大蛇退治』
原画:大塚康生/月岡貞夫


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『ルパン三世 カリオストロの城』
監督:宮崎駿
作画監督:大塚康生


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『じゃリン子チエ』
監督:高畑勲
作画監督:大塚康生/小田部羊一


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まとめ

日本のアニメ界を長い間牽引してきた大塚康生。
アニメ作品だけでなく、アニメーターの環境のためにも戦い続けました。

東映動画時代には労働組合で委員長も務めていました。

そんな彼のおかげで今の世界に通用する日本のアニメがあるのです。

宮崎駿・高畑勲が注目される中彼らよりも先にアニメ界を引っ張り、彼らに指導したのが大塚康生だったのです。