映画『史上最大の作戦』で学ぶノルマンディー上陸作戦の全貌


第二次世界大戦中に行われたノルマンディ上陸作戦。ドイツ軍に占領されたフランスを解放するために連合軍はノルマンディーに上陸します。その上陸作戦の決行直前から上陸後の戦いまでドイツ軍と連合軍の両方の視点で見ることができるのが『史上最大の作戦』です。

『史上最大の作戦』作品情報


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タイトル 史上最大の作戦 (The Longest Day)
監督 ケン・アナキン/ベルンハルト・ヴィッキ/アンドリュー・マートン
公開 1962年2月15日
製作国 アメリカ
時間 2時間58分

Rotten Tomatoes

あらすじ

1944年6月、フランス、ノルマンディー。

第二次世界大戦は佳境に差しかかろうとしていた。

この地では、司令官ロンメル率いるドイツ軍が、英仏海峡を挟んで戦機をうかがう連合軍の攻撃に備えている。

敵には人数で圧倒されているが、天候を味方につけて堅固な防御態勢を敷いていた。

一方イングランドでは、アイゼンハワー司令官率いる連合軍が、ノルマンディー上陸作戦の日であるDデイを何日にするか最終的に絞り込んでいた。

うして6月6日の早朝、連合軍の空挺部隊が降下したのを皮切りに、いよいよ熾烈を極めた上陸作戦が始まるのだった…。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/9916)

アカデミー賞受賞
・撮影賞
・特殊効果賞

上陸前

ドイツ側

連合軍の上陸に備え、ロンメル将軍は海岸に地雷を埋めるように指示しています。
すでに400万個の地雷を埋めたと言われますが、600万個の地雷を埋める指示を出しました。

兵士の疲れを気にしている部下に対してロンメル将軍は「連合軍の上陸を絶対に阻止しなくてはならない。最初の24時間が重要となる」と連合軍側の上陸の阻止を絶対としていました。

しかし嵐が続き天候が回復しないのを見てとロンメル将軍は連合軍の攻撃はないと考えます。
そして妻の誕生日のために、6月4日にフランスの街を離れてしまいました。
後から考えると、アフリカ戦線で驚異的な戦いを行なったロンメル将軍がフランスを離れてしまったことが、連合軍にノルマンディー上陸を成功させてしまった要因の1つだったと考えられます。

一方でドイツ軍はBBC放送で流れる「ヴェルレーヌの詩」が上陸作戦の合図だとう情報を掴んでいました。
前半の部分が何日にもわたり放送されていることから、後半部分が放送されたら上陸作戦が始まると知っていたのです。

詩の後半の部分が放送された時にそのことを将軍に伝えますが、警戒情報を出すだけに止まってしまいました。

またドイツ軍は連合軍の上陸地点として「カレー」が有力であると考えていました。
このことがノルマンディー側のドイツ軍の兵士の数の少なさにも繋がりました。

さらに映画の中では総統が寝ているために戦車を動かせないと描かれていましたが、実際に総統の承認無しに戦車を動かせないようになっていました。
これもまた連合軍との戦いが不利になってしまった理由の1つでもありました。

連合軍

ノルマンディー上陸作戦の指揮をとるのは、最高司令官のドワイト・アイゼンハワー陸軍大将です。

ドイツ軍の予想通りカレーへの上陸を考えていましたが、ドイツ軍が待ち構えていることを考えノルマンディーに上陸することを決めました。

イギリスの基地に連合軍が集結し、上陸作戦を決行しようとしますが天候不良のために一度作戦を中止にしています。
これは『史上最大の作戦』の中でも描かれている通りでした。
この天候に対する判断が連合軍とドイツ軍の勝利に大きく影響することになりました。
ドイツ軍は悪天候が続き上陸はないと考えていましたが、これ以上待てないと考えたアイゼンハワー陸軍大将は6月6日にノルマンディー上陸作戦を決行したのでした。

ノルマンディー上陸作戦

空挺部隊

ノルマンディー上陸作戦は空挺部隊からスタートしました。
まず最初にイギリス軍グライダー奇襲部隊が、オルヌ川の橋を占領するために奇襲攻撃をかけました。

次に第82空挺師団と第101空挺師団の落下傘部隊が上陸を開始します。
ドイツ軍を撹乱するためにルパートという人形を使いながら、次々と地上に降りていきました。

のちに作られた映画『プライベート・ライアン』ではこのこの第101空挺師団にライアン一等兵が所属していたことになっていました。


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ライアンは降下地点から離れた場所に着地してしまいますが、『史上最大の作戦』でも落下傘部隊は予定地点からズレた場所に降り立ってしまっていました。

一方で先に降り立ったイギリス軍はなんとかオルヌ川の橋を奪取し、応援が到着するまでドイツ軍と激しい戦いを繰り広げることになるのでした。

上陸部隊

海からノルマンディー上陸を果たし、内陸に攻め込むことになっていた上陸部隊。
オマハ・ビーチ、ユタ・ビーチ、ゴールド・ビーチ、ジュノ・ビーチ、ソード・ビーチにそれぞれ上陸しました。

その中で1番激しい戦いとなったのが、オマハ・ビーチでした。
「甚大な被害」と何度も本部に連絡がいくほどの激戦地となり、多くの兵士が亡くなってしまいました。

一方ユタ・ビーチに上陸した部隊は、予定地点からズレた場所に上陸しました。
天候の悪さなどが原因で2kmほどズレていました。
しかしこれが幸運となり5つの上陸地点で1番少ない死傷者でした。

多くの兵士がこの場所から上陸を果たし、先に上陸を果たしていた空挺部隊に合流することができたのでした。

学びポイント

ノルマンディー上陸作戦は歴史の授業で勉強するので聞いたことあります。
さらに映画好きの人であれば『プライベート・ライアン』で描かれるオマハ・ビーチの上陸がどれほど悲惨なものだったかを知っていると思います。

この『史上最大の作戦』ではそのノルマンディー上陸作戦を、連合軍側とドイツ軍側の両方から見ることができます。

そしてなぜドイツ軍は上陸を許してしまったのか、なぜ連合軍は上陸に成功したのかという理由を知ることができます。

天候や些細な行動や重なってしまった悲運な状況が、ノルマンディーの戦局を大きく分けることになったのでした。

ノルマンディー上陸前から上陸を果たすまでを全体的にとらえることができるのが、映画『史上最大の作戦』です。


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