映画『アメリカン・グラフィティ』で見る1962年のアメリカ西海岸の若者文化


1962年の若者の夜を描いた『アメリカン・グラフィティ』。高校を卒業して新しい世界に踏み出そす前の複雑な若者の心を描いた映画でした。当時のアメリカの若者文化に触れることのできるこの映画で、当時流行っていた音楽や車などを振り返ってみたいと思います。

『アメリカン・グラフィティ』作品情報


アメリカン・グラフィティ [Blu-ray]

タイトル アメリカン・グラフィティ(American Graffiti)
監督 ジョージ・ルーカス
公開 1974年12月21日
製作国 アメリカ
時間 1時間50分

Rotten Tomatoes

あらすじ

スティーヴとカートは故郷での最後の夜を楽しく過ごそうと、テリーとビッグ・ジョンを誘い町に繰り出す。

暴走族の仲間に入らされたり、酒を買おうと四苦八苦したり、マセた女の子にせまられたりという数々のエピソードが、当時のヒット・ナンバーに乗せて軽やかに描かれるが、やがてそれぞれの決意を秘めた朝がやって来る……。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/1281)

1962年のアメリカ

1962年のカリフォルニアが舞台の『アメリカン・グラフィティ』。
高校を卒業し大学入学を前にした若者たちの一夜の物語が描かれています。

アメリカの高校の卒業式は5月で、新学期は9月から始まります。
この映画の舞台は1962年の8月末ぐらいだと想像できます。

1962年の夏のアメリカ。
その頃のアメリカを監督のジョージ・ルーカスは「アメリカの無垢な時代」と表現していました。

そしてこの映画ではその時代の終わりを描いているとも言っていました。
この後、ベトナム戦争にアメリは本格的に参戦し、ビートルズがデビューし若者のカウンターカルチャーが本格化していきます。
1960年代後半にはベトナム戦争への反戦運動など、ヒッピーも登場します。

そんな混沌とした時代がやってくる直前のアメリカの若者が描かれているのが『アメリカン・グラフィティ』です。

若者と車

1960年代のアメリカと言えば、自動車の黄金時代とも言える時代です。
『アメリカン・グラフィティ』には自動車王国だった時代のアメ車がたくさん登場します。

そのアメ車に乗って男の子たちは女の子をナンパしに出かけていました。
監督であるジョージ・ルーカスは「車でのクルージンングはアメリカ独特の文化の1つで、性的通過儀礼だった」と言っています。

『アメリカン・グラフィティ』に登場する4人の若者も、自慢のアメ車に乗り女の子を探しに出かけたり、街をドライブしながらデートしていました。

1番印象に残るのはジョンの乗っていた黄色のフォード・デュース・クーペ
ボンネットの部分が改造されていて、かっこいい車でした。

そのジョンにレースを申し込んだボブが乗っていたのは、シボレー・150です。
ジョンとのレースでクラッシュしてしまいましたが、渋くてかっこいい車でした。

同じシボレーに乗っていたのが、テリーです。
スティーブの車シボレー・インパラを借りていたのですが、この車でテリーは女の子のナンパに成功しました。

スティーブの彼女が乗っていたのは、フォード・エドセルです。
当時は女の子でもイカしたアメ車に乗っていたことを感じることができます。

カートがボンネットに座ってしまい傷つけたの車はフォード・マーキュリーです。

そのカートが追いかけておた金髪の美人女性が乗っていたのは、フォード・サンダーバードでした。

登場人物が乗っていた車を列挙しましたが、フォードとGM(ゼネラルモーターズ)の車です。
当時はこの2社にクライスラーを加えた3社がアメ車ビッッグスリーと言われていました。

『アメリカン・グラフィティ』では、古き良き時代のアメリカのかっこいい車を堪能することができます。

ウルフマン


アメリカン・グラフィティ オリジナル・サウンドトラック

『アメリカン・グラフィティ』の登場人物たちが車でクルージングをしている間に流れてくるラジオのDJは「ウルフマン」です。

彼は実在の人物で、1962年〜1964年までメキシコの放送局でラジオDJをやっていました。
正式な放送免許を持っていない海賊放送でしたが、アメリカとメキシコの国境から放送していたので、アメリカ全土で聞くことができました。
映画に登場しているウルフマンは本人です。

そのウルフマンが流していた当時の音楽。
西海岸の若者文化の代表だったビーチ・ボーイズの曲などが流れます。

映画の中のセリフで「ロックンロールはバディ・ホリーまでだ」と言うように、1962年の西海岸ではサーフィンと車を中心にした音楽が流行り始めていまし。
それはロックから進化したポップなサウンドでした。

ロックは1950年代なかばくらいから若者の間で流行り始め、1960年代半ばには新たな音楽に生まれ変わって行きます。

その途中である1962年のカーラジオから流れる音楽。
ロックやポップ・ロックなど当時の若者が聞いていた音楽を聞くことができます。

学びポイント

1962年の西海岸を舞台にした『アメリカン・グラフィティ』。

アメ車で走り回る彼らの青春時代を知ることができ、また当時流行っていた音楽を聞くことができます。

アメリカが無垢だった最後の時代。
主人公たちが高校を卒業し新たな世界に踏み出すように、アメリカ自体もこの後大きな変化を迎えることになります。

懐かしくもあり、かっこよくもある古き良きアメリカ。
若者たちの文化を感じることができるのが、『アメリカン・グラフィティ』です。