ティム・バートンが描いた『バットマン』。幼い頃に目の前で両親を殺された男と、上司に裏切られた男。どちらも心に傷をおった男が正義と悪に分かれ戦います。似た者同士の二人の戦いの結末は、愛の勝ちでした。
『バットマン』作品情報
タイトル | バットマン(BATMAN) |
監督 | ティム・バートン |
公開 | 1989年12月2日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間06分 |
Rotten Tomatoes
『バットマン』あらすじ
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(引用:MIHOシネマ)
心に傷を負った男たち
Batman Batman vs The Joker 12 Action Figure 2-Pack
ゴッサムシティを守るバットマン。
ゴッサムシティを自分のものにしようとするジョーカー。
『バットマン』で描かれるのはバットマンvsジョーカーですが、この二人には共通点があります。
それは二人とも心に傷を負っていてそれが闇となってしまっているのです。
ゴッサムシティで住民を守っているバットマンですが、最初は味方なのか敵なのか分からない存在から始まります。
姿を隠し、コウモリの衣装に身をまとい戦うバットマン。
正義の味方とすぐに理解されないのは、その不気味な姿にも理由があったのかもしれません。
しかも街から離れた場所で暮らすバットマン。
それは幼い頃に目の前で両親を殺されたことに原因がありました。
幼い頃に受けた傷が、大人になったいまでも彼を闇で包んでいたのです。
しかし幸いにも彼のそばにはアルフレッドという執事がいました。
彼のおかげでバットマンは、闇にのみ込まれることなく暮らすことができたのです。
しかしそんなバットマンも、誰にも言えずに孤独に戦うことに限界を感じていました。
そんな時に現れたのがカメラマンのヴィッキーだったのです。
一方でジョーカーはボスに裏切られてしまいます。
ボスの右腕として、ボスのために尽くしてきたジャック。
しかし彼はボスの女性に手を出してしまったことで、はめられてしまいます。
裏切りがショックだったジャックは、復讐の闇へと落ちていってしまいました。
さらにバットマンとの戦いで口が裂け肌の色も変わってしまったジャックは、ジョーカーとして生まれ変わってしまいました。
ゴッサムシティの善と悪は、闇を抱えているという点は同じだったのです。
その闇とどのように向き合うかで、立場が変わっていただけなのでした。
闇を自分に向けたブルース・ウェイン
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バットマンもジョーカーも心に傷を受け闇に包まれてしまいますが、バットマンであるブルース・ウェインはその闇を受け入れました。
そしてバットマンになったのです。
ずーと心に残っている傷を、自分の中に閉じ込めてバットマンとしてゴッサムシティの人を助けることでその傷を癒していました。
さらに幼い頃から彼をささてアフルレッドの存在も大きいです。
彼を支え彼の成長を見守ってくれるアルフレッドがいたおかげで、ダークサイドに落ちなかったのです。
そしてさらにヴィッキーが現れます。
自分の正体を誰にも言えずに大きな屋敷にアルフレッドと二人で暮らすブルース。
そのことが彼の闇を大きく仕掛けていました。
街の人と離れている家に閉じこもっていることはブルースにとっていい影響はありません。
そんな時にヴィッキーが登場し、彼女を愛したことで膨らみ始めた闇が収まっていくのです。
一度受けた傷は治ることはなくてもその対象法や周囲の愛で、ブルースは悪に落ちてしまうことがなかったのでした。
しかしジョーカーのジャックは、受けた傷を復讐に変えてしまいました。
そして自分と同じようにゴッサムシティの人も苦しめようとしたのです。
それが決定的にブルースとジャックの違う点です。
傷という共通点があっても、傷を自分の中におさめるか、外に出し人を傷つけるかという点が違ったのです。
そしてそれが二人を正義と悪に変え、戦うことになったのです。
まとめ
ティム・バートンの描く『バットマン』は、傷ついた人同士の戦いでもありました。
バットマンは単なるヒーローではないし、ジョーカーも単なる悪者でもありません。
どちらも同じように深い傷を負ったけど、立ち直り方で正義にも悪にもなってしまうのです。
そういう目でこの作品を見るとバットマンとジョーカーは人間の心の表と裏という関係なのかもしれません。
一歩間違えればブルースもジョーカーのようになっていたかもしれないという、とても深い物語になっていると感じた作品でした。