映画『アス』あらすじと感想 もし目の前に自分と同じ顔の人が現れたらどうする?


夏休みを別荘で過ごす家族の前に、自分たちと同じ顔をした家族が現れます。自分たちを殺そうと追いかけてくる彼らは一体何者なのか?自分が知らない世界で暮らしているもう1人の自分。そこには監督の深いメッセージが込められていました。

『アス』作品情報

タイトル アス(Us)
監督 ジョーダン・ピール
公開 2019年9月6日
製作国 アメリカ
時間 1時間56分

Rotten Tomatoes

『アス』あらすじ

出典:https://usmovie.jp/index.html

トッペルゲンガー

ある日突然自分たちの前に、自分たちと同じ顔の家族が現れます。
一体彼らは何者なのか?

自分と同じ顔をした他人と言われるトッペルゲンガー。
そのトッペルゲンガーが目の前に現れた時私たちは一体どうするのでしょうか?

しかもトッペルゲンガーは自分たちを殺そうとします。
彼らは自分たち一家を乗っ取ろうとしていたのです。

幼い頃、ビーチにあった遊園地に迷い込んだ主人公のアデレード。
彼女はそこでミラーハウスに入り込んでしまいます。
そのミラーハウスの中で見たもの。
それは全く自分と同じ顔をした子供でした。

鏡の中尾自分かと思ったらその少女は、実際にそこにいたのです。
その経験がトラウマとなっているアデレード。
幼い頃の嫌な思い出が残っているビーチに行くのは嫌で仕方ありません。

しかも別荘に来てから何か嫌な予感がするアデレード。
そしてその嫌なことが現実に起きてしまったのでした。

テザード

目の前に現れた自分と同じ顔の人物。
彼女は自分達のことを「テザード」と呼びました。

tetheredとは繋がれたとか束縛されているという意味を持ちます。
クローンとして作られた彼らでしたが、計画の失敗により言葉の意味どおり地下に閉じ込められた人々だったのです。

地下で日の目に当たらず生き続ける彼らは、地上で楽しく暮らす自分たちと同じ顔を持った人たちを羨ましいと思っていました。
そして地上に出て彼らの生活を奪おうと計画を立てたのです。

だから彼らは下水道から地上に出て来ました。
クローンなので人間の言葉も話せません。
それでも太陽のもとで生活を送りたくて、本当の自分と変わろうとしたのでした。

「アス」とは何を意味するのか?

https://twitter.com/usmoviejp/status/1164900236847792134

『アス』の中で描かれている「私たち」。
彼らは何者で、彼らは何を意味しているのでしょうか?

『アス』のジョーダン・ピール監督は、幼い頃トッペルゲンガーの恐怖を感じその時の経験をもとにこの作品を作ったと言っています。

もしトッペルゲンガーがいたら。
そのトッペルゲンガーが自分の生活を奪いに来たら。
子供の頃にそんな恐怖を感じていました。

それは実際の生活の中で、自分に似た顔のホームレスの子供に出会ったことが元になっています
自分は裕福に暮らしているけど、自分に似た子供はホームレスで生きるのも大変な生活を送っている。
もしかしたら自分が彼だったのかもしれないと監督は感じました。

その幼い頃に感じた恐怖を、『アス』の中でトッペルゲンガーとして描いたのです。
地上で暮らす自分と、地下に閉じ込められた自分。
顔は同じだけど境遇が全く違う二人。
自分が恵まれた側になったのは単なる偶然だったのかもしれません。

『アス』を通して監督は、アメリカ社会の問題である格差について描いていたのです。
そしてそれはアメリカだけでなく、全世界に起きている問題です。
その格差社会をトッペルゲンガーで描いたのでした。

自分が恵まれていることを当然と思い、貧しく困っている人たちを見過ごしていませんか?

目の前に貧しい人が現れた時、あなたは彼らに手を差し伸べますか?

そんなことを『アス』を通して監督は私たちに問いかけていたのです。

まとめ

目の前に現れた自分の家族に襲われる恐怖。

同じ顔で考え方も同じ彼らから逃げることは不可能です。

次々と襲い掛かる恐怖に、ビクビクしながらも一瞬たりともスクリーンから目を離すことができません。

恐怖のマジックになかってしまう2時間弱の作品です。

そして恐怖の中に描かれた本当のメッセージ。

監督からの問いかけに自分はどう答えるのか、見終わった後その答えを探して悩み続けそうな作品は『アス』でした。