魔法の世界に足を踏み入れてしまった千尋。両親を豚に変えられてしまった千尋は、両親を助けるために千として湯屋で働くことになります。泣き虫で甘えん坊だった千尋でしたが、仕事を通してたくさん初めての体験をします。この魔法の世界は千尋に新しい世界を体験させてくれる時間だったのです。
『千と千尋の神隠し』作品情報
タイトル | 千と千尋の神隠し |
監督 | 宮崎駿 |
公開 | 2001年7月20日 |
製作国 | 日本 |
時間 | 2時間05分 |
Rotten Tomatoes

あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
トンネルの向こうの魔法の世界
千尋が両親とともに迷い込んだ世界。
バブル時代のテーマパークの跡地は、実は魔女の湯婆婆が仕切る魔法の世界でした。
しかし千尋の両親は魔法の世界に気づかず、お店にあったご飯を勝手に食べてしまい豚に姿を変えられてしまいました。
千尋の両親が食べた食事は、実は八百万の神様が食べる食事だったのです。
千尋達は知らないうちに八百万の神様がやってくる世界に足を踏み入れていたのです。
この魔法の世界には、八百万の神様達が疲れを癒しにやってくる湯屋があります。
(ちなみにこの湯屋の入口にある屏風には「回春」と書かれていました。
回春:病気が回復すること・若返ること
ただし、現代では性的な意味で使われることが多い)
千尋はその湯屋で、千と名前を変えて働くことになりました。
なぜなら、この世界は働かないと豚に変えられてしまう世界だったからです。
「帰りたい」や「嫌だ」といってはダメな世界。
そこで千尋は両親を取り戻すために必死で働きます。
「挨拶もできないの」とリンに叱られ、「ノックも出来ないのかと」湯婆婆に怒られながらも千は逃げませんでした。
リンや釜爺はそんな千を助けてくれます。
千は湯屋で働くうちに、今まで見たことない新しい世界に足を踏み入れていたのでした。
千の体験は千尋の一部
湯婆婆から「ぐずで甘ったれで泣き虫で頭の悪い小娘」と言われた千尋。
確かに新居に向かう千尋は、車の中でふてくされていました。
豚になった両親を見て泣いていました。
でも千尋は千としてこの湯屋で働くうちに、車の中の千尋とは別人のようになります。
・雑巾掛け
・お風呂掃除
慣れない仕事を千なりにこなしていきます。
さらに優しい心を持っていた千は、腐れ神や顔なしを救います。
千に優しくされた顔なしは、千に惹かれてしまいます。
感謝の気持ちの表現の仕方を知らない顔なしは湯屋を荒らしてしまいますが、それでも千は顔なしを見捨てません。
千は顔なしを連れて銭婆の元に向かいます。
実はこの時、千は湯屋の制服を脱ぎ千尋の洋服に着替えています。
すでにこの時、千は千尋に戻っていたのかもしれません。
湯屋で働いたことで、千尋は新しい世界を知り1つ階段を登っていました。
そんな千尋に銭婆は「自分でやるしかない」とアドバイスします。
昔の千尋だったら怯えてしまうかもしれない言葉ですが、違う世界を経験した千尋は自分の力で両親を助けることを決めます。
そして湯屋に戻り湯婆婆の前に姿を見せたのです。
もちろんそこにはハクの助けもありましたが、千尋は両親を救うと同時にハクのことも助けていました。
千尋のおかげでハクは自分の名前を思い出し、湯婆婆の魔法が解けていたのです。
千尋はこの魔法の世界で両親から離れたことで、1人で様々な経験をすることができたのでした。
そしてそれは千尋の一部になったのです。
まとめ
魔女の仕切る魔法の世界。
千となった千尋が湯屋で経験したことは、千尋が大人になるために通過儀礼だったのかもしれません。
彼女の髪には銭婆達みんなで紡いだ糸で編み込んだ髪留めが結ばれています。
きっとその髪留めを通して千尋はいつかこの日の出来事を振り返るのかもしれません。