映画『千と千尋の神隠し』内容と解説 これが本当の世界 現代の子供に現実を突きつけた


『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『もののけ姫』と自然と人間の関わりについて描いてきた宮崎駿監督。『千と千尋の神隠し』では今までの内容と全く違い、リアルな現実を描いています。自分が作り続けてきたテーマとは違う『千と千尋の神隠し』では、子供達に本当の世の中を見せていました。

https://youtu.be/usXPeE8wBGY

『千と千尋の神隠し』作品情報

タイトル 千と千尋の神隠し
監督 宮崎駿
公開 2001年7月20日
製作国 日本
時間 2時間05分

Rotten Tomatoes

『千と千尋の神隠し』あらすじ


千と千尋の神隠し [DVD]

トンネルのむこうは、不思議の町でした。ありえない場所があった。

ありえないことが起こった。

10歳の少女千尋の迷い込んだのは人間が入ってはいけない世界。

驚きと不思議の町で千尋が知るのは大きな無力感と……小さな希望。

働かせてくださいっ。

眠っていた千尋の“生きる力”がしだいに呼び醒まされてゆく。

(出典:https://www.disney.co.jp/studio/ghibli/0252.html)


不思議な世界は現実の世の中

出典:IMDb

千尋が両親とともに迷い込んだ世界。
そこは不思議な世界でした。
しかし欲望に満ちた両親は豚に変えられてしまい、千尋はひとりぼっちになってしまいます。
そんな千尋を助けてくれたのはハクでした。

そしてハクの教えで、湯屋で働くことになってしまった千尋。
名前を奪われ千として働くことになってしまった千尋に待っていたのは厳しい現実でした

今までの宮崎監督作品は自然と人間の関係を描いてきた作品が多く複雑な物語が多かったのですが、『千と千尋の神隠し』では今までの監督のテーマを描かずに全く違う作品となっています。

今まで監督が作ってきた作品は今の現実の世の中とは違い過ぎていると思い、子供が戸惑いを感じてしまうと考えました。
そして子供たちに現実を見せるために作ったのが『千と千尋の神隠し』だったのです。

「帰りたい」や「嫌だ」といってはダメな世界。
千尋は必死に両親を取り戻すために働きます。
挨拶ができなければリンに叱られながらも、千尋は少しずつ成長していきます。
友のために戦うことも覚えます。
正しいことを行えば、周囲の人も助けてくれるし味方になってくれます。

そんな現実を描き、子供達に現実の世界で生きるすべを教える作品になっていたのです。

仕事を通した千尋の成長物語

出典:IMDb

両親を取り戻すために働くことになった千尋。
『千と千尋の神隠し』は子供の成長物語でしたが、千尋は働くことで世の中を知っていきます。

千尋は細くて弱々しい子供として描かれています。
それは宮崎監督の過去の作品に登場する、ナウシカやサンやシータとは違います。
彼女たちはどこかたくましさや強さを持っていましたが、千尋にはそれが感じられません。
監督は千尋を現代の子供の象徴として笑顔ていました。

ものにあふれた世界に生まれ不自由なく暮らしているやる気のない子供達。
千尋はそんな現代の子供でした。
そんな千尋が湯屋で働くことで鍛えられ、成長していくのです。

千尋の周りはハク以外は誰も優しくありません。
それでも千尋がきちんと働けば、みんな千尋を認め心を許してくれるようになったのです。

千尋の現代の子供らしさを表しているシーンが、お世話になった釜爺に挨拶せずに行こうとするとリンに叱られます。
千尋は挨拶すらできない子供だったのです

さらに湯婆婆の部屋に入る時、扉を開けようとすると「ノックもせずに入るのか」と湯婆婆に叱られます。
千尋はそんな常識も知らずに育った子供なのです。

これは千尋が悪いわけでなく、両親に問題がありました。
だから宮崎監督は両親を豚に変えてしまいます。
ひとりぼっちになってしまた千尋でしたが、両親ではなく他の大人たちに教育されながら成長して行ったのです。

最終的に両親を助けることができた千尋。
千尋はこの不思議な世界の迷い込んだ頃の千尋とは違っていました。

働くことで責任感を覚えそしてハクをとおして友情を覚えた千尋は、大人の階段を登って現実の世界に戻ってきたのでした。

まとめ

宮崎駿監督が子供達に現実の世界を教えた作品『千と千尋の神隠し』。

働くことや現実の厳しさが描かれていた作品は、子供の成長物語になっていました。

仕事を通して常識や現実を知った千尋。

さらにハクと出会ったことで、優しさも学びます。

両親の元ではなくて、他の人たちとの世界で成長していった千尋。

千尋の成長物語であるとともに、現代の親への痛烈な皮肉にもなっていました。