『007』シリーズ通算14作品目となる『007 美しき獲物たち』。この作品を最後にロジャー・ムーアはジェームズ・ボンド役を降りてしまいます。そして第1作品目から登場し続けていたマネー・ペニーもラストとなってしまいました。
『007 美しき獲物たち』作品情報
タイトル | 007 美しき獲物たち(A View to a Kill) |
監督 | ジョン・グレン |
公開 | 1985年7月6日 |
製作国 | イギリス/アメリカ |
時間 | 2時間11分 |
Rotten Tomatoes
『007 美しき獲物たち』あらすじ
[aside type=”normal”]
シリコン・バレー壊滅を図る、天才的な大富豪マックス・ゾリン。
たった一つのマイクロ・チップから、ボンドは彼の野望に気付く。
だがゾリンの身辺を探るボンドの前に、恐るべき腕をもった女殺し屋が現れた……。
(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=14187)
[/aside]
最後づくしの『007 美しき獲物たち』

出典:IMDb
3代目ジェームズ・ボンドを7作品演じてきたロジャー・ムーア。
彼のボンド姿はこの作品で最後となってしまいます。
ユーモアと派手なアクション満載だったロジャー・ムーアのジェームズ・ボンド。
この作品も彼のラストを飾るにふさわしく、スキーのオープニングでスタートします。
ロージャー・ムーアのボンドは、スキーをしているシーンが多かったイメージがあります。
この作品ではまだ当時珍しかった、スノーボードも披露しています。
雪・海・そして宇宙まで行ったムーア版ジェームズ・ボンド。
最後は橋の上での戦いでフィナーレを飾りました。
そしてこの作品ではロジャー・ムーア以外にもう1人最後となる人がいます。
それはマネー・ペニーを演じたロイス・マクスウェルです。
第1作品から『007』シリーズでマネー・ペニーを演じてきた彼女。
最初の頃はオフィッス内での登場だけでしたが、途中から外にも出るようになりました。
そして何よりもボンドを1番理解していたのも彼女でしょう。
女好きのボンドも彼女だけは大切にしていたように感じます。
Mの部屋に入る前のボンドとマネー・ペニーのやりとり。
『007』シリーズの楽しみの1つでもありました。
ボンドの結婚式で彼女が涙を流していたシーンを忘れることができません。
ボンドのことを本当に愛していのはマネー・ペニーだけだったのかもしれません。
ボンドだけでなくマネー・ペニーもラストの『007 美しき獲物たち』。
一時代を築いた作品の集大成ともいえる映画です。
Qのスパイグッズ

出典:IMDb
今作品ではいつもよりもたくさんQのスパイグッズが登場します。
大掛かりなものは最初に登場した氷山型の乗り物くらいで、あとは小型のスパイグッズばかりで楽しくなってしまいます。
[box class=”blue_box” title=””]・髭剃り型の盗聴器を探す機械
・ガラス越しでも見えるサングラス
・小切手の印字を暴くカードケース
・カメラになっている指輪
・窓の鍵を蹴るカード[/box]
ボンドが持っていたスパイグッズはどれも、小型でかなり高性能なものばかりでした。
そして暴徒でラジコンのようなスパイロボットをQが操作していましたが、そのスパイロボットはラストにも登場します。
いなくなったボンドをスパイロボットを使って探していたQ。
ボンドは家の中で女性とシャワーを浴びていました。
大掛かりなスパイグッズも迫力ありますが、小型のスパイグッズはワクワクしてしまいます。
最初の頃に戻ったようなスパイグッズがたくさん登場したのが、『007 美しき獲物たち』でもありました。
ボンドガール

出典:IMDb
今作でボンドガールのステイシー・サットンを演じたのはアメリカ人女優のタニア・ロバーツでした。
彼女はボンドガールを演じる前は、テレビ版チャーリーズ・エンジェルでエンジェルの1人を演じていました。
しかし今作では彼女よりも印象に残るキャラクターは多かったため、あまり彼女の印象は強くないかもしれません。
女性キャストでいえば敵のゾリンの愛人メイ・デイを演じていたジャマイカ出身のグレイス・ジョーンズの方が印象が強く残っています。
ステロイドを注入されて怪力になった彼女でしたが、最後はゾリンに裏切られてしまいます。
そしてシリコンバレーを守るために、最後は自分の命を捨てました。
そんな切ないラスト迎えたメイ・デイの方がどうしても印象に残っています。
さらに悪役のゾリンを演じたのはクリストファー・ウォーケンです。
若い頃のクリストファー・ウォーケンを見ることができる作品でもあります。
ボンドガール以外に印象深いキャラクターがたくさんいたのも、『007 美しき獲物たち』の特徴の1つかもしれません。
まとめ
ジェームズ・ボンドを演じていたロジャー・ムーア。
マネー・ペニーを演じていたロイス・マクスウェル。
長年『007』シリーズに貢献してきた俳優たちが最後の出演となったのが、『007 美しき獲物たち』でこれまでの集大成とも言える作品です。
次回からまた新たなボンドが誕生しますが、ひとまずこれでロジャー・ムーアの笑いどころ満載のボンドとはお別れです。