1973年に公開された映画『ソイレント・グリーン』。
その舞台は約50年後の西暦2022年でした。
50年前に描いた未来2022年は、果たしてどんな世の中になっているのでしょうか?
ここでは『ソイレント・グリーン』の中で描かれた2022年を見ていきます。
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『ソイレント・グリーン』作品情報
タイトル | ソイレント・グリーン(Soylent Green) |
監督 | リチャード・フライシャー |
公開 | 1973年6月9日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間37分 |
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西暦2022年
人口
映画『ソイレントグリーン』の舞台は西暦2022年のニューヨークで、人口は4000万人。
2019年のニューヨークの人口が約840万人なので、人口が増えすぎていることは明らかです。
しかもマンハッタンだけで失業者が2000万人もいます。
2019年マンハッタンの人口は約163万人なので、現在のマンハッタンに住む人以上の人数が、無職の状態です。
そのためほとんど人が貧しい暮らしを送っていた、住む場所もありません。
主人公のソーン刑事の暮らすアパートの階段には、ホームレスがたくさん寝ています。
さらに教会は居場所を失った人たちで溢れかえっていました。
『ソイレントグリーン』で描かれる西暦2022年は、人口が増えすぎて社会が崩壊している世界でした。
食糧不足
人口が増え過ぎたことによって起きたのが、食糧不足です。
食事は配給制となり知事はソイレント社が作った固形の高栄養食品を市民に配っていました。
ソイレント社が作っているのは
・ソイレント・レッド
・ソイレント・イエロー
そして新たに海中プランクトンで作った奇跡の高栄養食品ソイレント・グリーンです。
その他にも市場にはソイレント・パンも並んでいました。
配給以外でも食品は買えますが、市民は貧しく手が出せません。
さらに配給されるソイレント・グリーンの数も少なく、お腹が満たされることはありません。
あまり物を集めた「ソイレント・くず」を売っている屋台の周りには、多くの人々が集まっていました。
また「死亡恩典」というのがあり、家族が亡くなると近親者は現金か食券がもらえます。
食券が現金と同じ扱いということは、どれほど市民が食べ物に困っていたかがわかります。
格差社会
市民のほとんどがまともな食事を食べることができない中、一部の富豪たちは優雅な生活を送っていました。
闇市場に行くとそこには新鮮な野菜や果物が売られていて、さらにこの世界では貴重な牛肉も手に入ります。
食糧不足は社会全体に起きていますが、富豪達はその権力とお金で新鮮な食品を手に入れることができていたのです。
また優雅な暮らしを送る富豪には「家具」が付いた家に住むことができます。
この世界でいう「家具」とは女性のことで、彼女達は家事など家のことを全て行い、さらに男女の関係もあります。
主人に気に入られると女性達は優雅な暮らしを送ることができますが、気に入られなければクビにされてしまいます。
荒廃した世界で生き抜くためには、女性達は「家具」という道を選ぶしかなかったのです。
環境
人口が増えすぎたこと以外に食糧不足に陥った原因の1つが「暑さ」です。
暑さのせいで生物のほとんどが絶滅してしまいました。
そのため牛肉はとても貴重な食品だったのです。
さらに水は汚染され土壌は汚されてしまい、植物も育たない世の中です。
わずかに残った良い土地は全てソイレント工場が独占し、プランクトン用の処理場を作ってしまいました。
『ソイレントグリーン』で描かれる西暦2022年は、食料だけでなく水も配給される世界になっています。
職業
富豪達の家に暮らす「家具」という仕事の女性いる西暦2022年には、「本」という職業が存在しています。
『ソイレントグリーン』の世界では、一般の人が手にすることはできないほど本は貴重なものになっていました。
その中で昔教授をしていたような教養のある人だけが、本に触れることができ情報を集めることができます。
ただしこの世界の本は小説などではなく、データを集めた記録書です。
「本」という職業は、記録の中から集めた情報を集める仕事です。
ソーン刑事の家にも警察専門の「本」ロスがいて、さまざまな情報を渡していました。
情報交換所と呼ばれる場所にはたくさんのデータが集まっていて、ロスはそこである重大な情報を入手したのです。
まとめ
1973年に公開された50年後の未来を描いた映画『ソイレント・グリーン』。
その世界は残念ながらディストピアで、環境問題や格差社会など今の社会を予言しているようでもありました。
自然の美しさや素晴らしさは永遠ではないとうこと、そして権力を持ってしまった人間の恐怖と何も知らないことの恐怖を描いた作品が映画『ソイレント・グリーン』です。